見出し画像

アロマンティックな私

最近、アロマンティックという言葉に出会った。
他者に対して恋愛感情を抱かない人のことを指す言葉だ。
この言葉の意味を知ったとき、
今まで私が感じていた恋愛に対する違和感、疎外感に説明がついた気がした。

付き合ってみるけどなんか違う

年相応に、異性と付き合ったことはある。
告白されて、私も嫌いじゃなかったから応えて、付き合った。

でも、どれだけ日を重ねてみても、
一向に「好き」っていう感情がわからなかった。
友達の「好き」と、恋愛の「好き」は何が違うんだろう?って思ってた。

恋愛の好きがわからないから、どの関係も長続きしなかった。
私の根底にはいつも冷めた部分があって、
恋愛してるはずなのに気持ちはいつも迷子だった。

恋人に自分のことを好きか聞かれても、がっかりさせないためのリップサービスのような、義務感から来る「好き」って言葉だけしか返せなかった。
実際、「茉莉花さんのそれはリップサービスでしょ」とか、「(恋人と会えなくても)寂しいとか思ってないんでしょ」って言われたりもしてた。

どうせいつか別れるのにこんなことに時間とお金を使ってられない、と思ったりもしたし、実際別れてからも時間とお金の無駄だったなあって思ってた。

恋愛映画や漫画を読んで、素敵だなあと思うことはある。
お互いが特別で大好きで、一生傍にいたくなるような相手がいるなんて、
とても素敵なことだよね。

でもそれは、私の身に起こる事じゃない。


恋愛感情拗らせ女の爆誕(とんだ勘違い)

そんなことから、私は恋愛に対してかなりネガティブだった。
過去のどの関係も上手くいかなかったから、
「恋愛感情を挟むと友情を一つ失う」なんて言ったりして避けてきた。

実際私の交友関係は狭く深くをモットーにしているので、
数少ない友達で居てくれてる人たちのことはとても大切で大好きだ。
だからこそ、大切な友達との時間を恋人とのデートのせいで蔑ろにしたくない。
だって彼らは恋人と関係を持つ前から友達なのだから、当然でしょう?


私はアロマンティック

私は自分のことを、普通の人には備わっているはずの恋愛感情が欠如している欠陥品だと思ってた。そしてそれが悪いことだと思ってた。
世間一般の人みたいに普通の恋愛も上手くできないなんて、情けないと思ってたんだよね。

それが間違いだったって気づいたのは、本当に最近のことだ。

この恋愛的指向が何かに該当するんじゃないかって思って調べてみたら、
他者に対して恋愛感情を抱かない人が他にもいるって事を知った。
そしてその人達が「アロマンティック」と呼ばれていることも。

自分を表す言葉があることを知って、自分と同じ人が他にもいることを知って、私は心底安心した。
これからは恋愛できないことを負い目に感じる必要はないんだと思えた。
無理に恋愛しようとしなくても、
私は私のままで、私であることを誇って生きていいんだと思えた。

カタカナで自分がなんて言うかなんてどうでもいい、自分は自分だなんて言えたらかっこいいけど、私はまだそこまでは到達できてないみたい。
いつの日か、そんな風に胸を張って堂々と言えるようになったらいいね。