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九州が最強国家?

▼世界競争ランキングで九州サイズ(4万㎢)が上位独占


▽「世界競争力ランキング2023」の順位
・順位の抜けは外務省データに無い国がランキング入りしているため

出典:「世界競争力ランキング」IMD

1位デンマーク:4万3千㎢
3位スイス:4万㎢
5位オランダ:4万1864㎢
6位台湾:3万6千㎢

★九州:3万6800㎢

・スイスのビジネススクールIMDが毎年発表している「世界競争力ランキング」(全64か国)で、上位を独占しているのは小さい国ばかりです。
このランキングは経済状況とインフラ、政府効率性、民間効率性の4項目で評価されており、上位に位置する小さな国は4項目すべてに優れ、バランスがとれているのです。
・一般的な先進国と呼ばれる英国、ドイツ、フランス、日本などは20万㎢以上で、いずれも政府効率性に課題を抱えています。

▼人口は福岡県(500万人)が最強

▽1人当たりGDPランキング(外務省データ)
・ピンクのマスは人口1,000万人未満の国

出典:外務省

1位デンマーク:600万人
2位アイルランド:500万人
4位シンガポール:550万人
7位香港:750万人
11位フィンランド:550万人
14位ノルウェー:525万人

★九州人口1300万人(東京都1400万人)
福岡県500万人、熊本県180万人、鹿児島県170万人、長崎県140万人、大分県120万人、宮崎県110万人、佐賀県85万人

外務省が世界銀行やIMFから集めた1人当たりGDPをランキングにすると、その上位を占めるのは、東京都より小さい人口1,000万人未満の国ばかりです。
そのうち、特に福岡県と同規模の500万人前後の国が強く、政府効率性と民間効率性のどちらも優秀で、足並みを揃え、産業構造の柔軟な転換で国際競争力を高めてきました。日英仏独伊などの5,000万人を越える先進国の倍以上の1人当たりGDPを実現させているのです。

人口が5000万人クラスになると政府効率性が悪くなり、民間効率性を妨げています。もっとも、日本の場合、政府効率性より民間効率性が近年悪化し、国の国際競争力を弱めてます。
出典:『IMD「世界競争力年鑑2022」からみる日本の競争力第2回:分析編』三菱総合研究所

▼国が小さいから海外を目指す

国の小ささから昔から海外市場に進出していたスイスは、ドイツ語(62.1%)、フランス語(22.8%)、イタリア語(8.0%)、ロマンシュ語(0.5%)など多様な言語環境で国際性が育まれ、デンマークやオランダも映画を字幕でみる文化が浸透し英語を当たり前に使えるようになっています。
言葉の壁がないこれら小国は、グローバル性を有する金融業や重化学工業の他、観光業やサービス業でもグローバル対応を容易にしています。そのため、国内から海外へ人材を輩出するだけでなく、海外から優秀な人材を呼び込み、国内を活性化させることにつなげているのです。
出典:「スイスの経済構造と主要産業の現状と課題」財務総合政策研究所(財務省)

これに対して、国内市場が大きかった日本では、3/4が系列[1]・8割が企業間取引[2]・5/6が国内取引だけ[3]という閉鎖的な取引環境だけでなく、外国人招聘やダイバーシティ(多様性)で国際的な後れをとり、企業組織が閉鎖的となり、国内が停滞しています。

★世界競争力ランキングにおける日本企業の国際性やダイバーシティ項目の順位
・管理職の国際経験:63位
・海外アイデア受け入れる開放性:61位
・海外の高熟練労働者に対する魅力度:54位
・グローバル化へ向けた態度:48位
・経営に携わる女性比率:56位
・取締役会における女性比率:47位
出典:IMD「世界競争力年鑑2022」(順位は63か国中)[4]


[1] 出典:「日本企業にDXを普及させる最大のカギは、下請け構造からの脱却」独立行政法人経済産業研究所
[2] 出典:「令和元年版電子商取引調査」経済産業省
[3] 出典:「中小企業のグローバル化の進展:その要因と成果」独立行政法人経済産業研究所
[4]出典:『IMD「世界競争力年鑑2022」からみる日本の競争力第2回:分析編』三菱総合研究所

▼世界的大企業が数社あれば


・世界的大企業が1社あれば、それを頂点に、中小企業を抱え込み、ピラミッドが形成され、何十万人もの雇用を生み出します。
(Toyota36万人、日立・NTT・Panasonicが30万人)
従って、総人口500万人の国では、労働者がその半分の200万人から300万人人と考えると、世界的大企業3社から4社あれば、豊かな国になる計算です。

農業国家で豊かでなかったアイルランドは、低い法人税でアメリカの先端企業を誘致し、1人当たりGDPで日本の倍以上となる等、豊かな国に一気に変貌しました。

・スイスは、世界的大企業が、少なくても12社で、労働者の1/4を抱えています。
【食品・飲料】ネスレ
【製薬】ノヴァルティス(世界1位)、ロシュ(世界4位)
【宝飾品】 リシュモン、スウォッチ
【製造業】ABB(ロボット)、シンジェンタ(農薬)
【サービス】アデコ(人材)、キューネ・アンド・ナーゲル(輸送)
【金融・保険】UBS、クレディ・スイス、チューリッヒ保険

特に製薬業は、宿泊・飲食業の10倍、全産業平均の4倍、金融業や化学業、IT業の3倍の労働生産性(付加価値÷労働者数)を実現する優れた産業で、その世界1位と4位の企業をスイスは持っています(デンマークやオランダも製薬業が主力産業)。
その結果、スイスの1人当たりGDP及び労働生産性は、日本の2倍です。
出典:「スイスの経済構造と主要産業の現状と課題」財務総合政策研究所(財務省)


▼書籍の案内


日本企業の閉鎖的な組織や閉鎖的な取引環境が、日本経済停滞に強い影響を及ぼしていることを書籍にしました。



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