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愛しさと切なさと心強さが同居するお酒「鶯咲」

春がそこまで来ています。
暖かくなってくると無性に飲みたくなる日本酒があってですね。


「鶯咲」


「おうさき」って読みます。宮城のお酒です。
「こころに春を呼ぶお酒」をコンセプトに造られています。


大崎市にある寒梅酒造の純米酒で、柔らかい甘みが特徴的。過度に香ることはせず、咲き始めの桜の蕾を連想させます。

女性的なニュアンスがあり、芸能人で言うところの石田ゆり子的なイメージで。擦り切れた心をやんわりと癒してくれる。そんなお酒です。


寒梅酒造の生み出すその優しさは、3.11によって蔵の建て直しを余儀なくされたことから滲み出るものなのでしょうか。

全壊指定。蔵人がどれだけ絶望したか想像すらつきません。

そこから必死で資金を調達し、やっとの思いで酒造りまでこぎつけ、文字通り命懸けの絞りの末、ようやく出来上がった作品です。


あの日から7年が経とうとしています。


力強く咲き誇る紅い梅の花。
せっかちな河津桜。
ぎこちないホーホケキョ。

手袋なしではまだ悴むその指先で、お猪口をつまみクッと煽る。
いなり寿司なんかが隣にいてくれれば尚、嬉しい。


もうお花見しても「不謹慎だ」と騒ぐ人もいないでしょう。酒呑みに許された支援もあるってことです。大崎市の復興を祈って名付けられた「鶯咲」で「こころに春を」呼びましょう。


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