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きっとそれでも楽しかった記憶だから

時々思い出す。

ひとり、東京で「暮らした」時のなんでもないけど、今の暮らしとはかけ離れた「非日常」過ぎた事。

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全く興味もないし、ひとつもルールを知らない野球を当時の仲がよかった同僚と見に行った事。
ガラガラの観客席であの子は楽しそうに「今こうだからこいいうことになってるんだよ」と球場で何か起こっているのか都度解説してくれた。
ルールもその時の試合がどことどこだったかも、一個も覚えてないけど、野球を見に行くなんて私の人生で二度と無いだろう出来事だけで私はわけも分からず楽しかった。

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拘束時間が異様に長いアルバイトの時の長い休憩時間に、地下の休憩室もあったのに、なんだか居心地が悪くて(窓ももちろんないし)カフェラテ一杯で1時間分の時給が飛ぶような小洒落たカフェに、何日に一回は通ってた事。

アルバイトの身には不釣り合いすぎるお値段の、飲んでしまうのがもったいないラテは、当時ラテアートを密かに習得しようとしてた私には一ミリも「勉強」にはならず、ただただ毎回飲み干されるだけ。
当時インスタがあったなら、絶対に毎回撮りだめてたんだろうな。
だけど、時給が削りまくられるのも気にせず頻繁に通ったのは、そんなラテアートを楽しみにしてたから。なによりランチタイムでくたくたに疲れた体と精神を癒す為に必要だった。
地下で雑魚寝していればもっとお金も貯まっただろうに。

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そのバイト先の店で出しているケーキやマフィンの売れ残ったもので、次の日に持ち越せないものを、閉店後に他のバイトの子たちとつつき合った事。

疲れた一日の終わりに、甘い物なんて天国過ぎるけど、また明日もこの戦い(ビジネス街のランチタイムの短時間の混雑ぶりと殺伐ぶりは今思い出してもゾッとする)が繰り返されるのかと思うと、複雑な気分だったし、私は比較的離れた場所に住んでいたので乗り継ぎの関係で、終電も早くそうそうゆっくりはしていられなかったのもあり、嬉しいけど複雑なおこぼれスィーツタイムであった。

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少ない休みの日に、IKEAに行って、展示も観ずに、買い物もせずに、ほぼ一日レストランでダラダラと過ごした事。
IKEAの使い方もったいなさ過ぎるけれど、当時隙あらばIKEAに通っていたので、こんな日もありかと思ってそうしたのか、単に疲れ果てていたからそうしたのかは定かではない。両方の理由の気もする。
そんなに疲れてるんなら、一日家で寝てればいいのにと思うが、私の生まれ持っての持病「でかけたい病」がそうはさせてくれない。

同じ理由で、頭が片頭痛(当時は気が付いてなかったがアレルギー症状だったのかも)でガンガンに痛いのに、映画観に行って終始頭の痛みと痛みからくる吐気で内容に集中できなかった事も多々ある。集中できなかった割には「この映画見た時気分最悪だったんだよなあ」と観に行った映画の事はなぜかよく覚えている。

なんだか仕事がらみの事ばかり多い気がするが、それでもふと思い出して「ちょっと懐かしいな」と思うのはきっと楽しかった事だから。

例えくたくたに疲れていても、頭がガンガン痛くても、お金のことを心配していても

その時過ごした思い出に少しでも「楽しさ」が入っていたから。


どこかの誰かにとっては、どうってことのない出来事のひとつひとつ。
当時の私が今ほど「非日常だったなあ」と思いながら、その日々を過ごしていたかは分からないが、あの頃の私が見たらきっと今の暮らしはそれはそれで「非日常」なのかもしれない。

来年、再来年、5年後、10年後・・・・
今考える「非日常」を「日常」として過ごしているのかな。

そもそも非日常なんてものはないのかもしれない。


さいごまで読んでいただき感謝の気持ちでいっぱいです(o^―^o)!! 貴重なあなたの時間の一部が、よいものとなりますように✨