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欲求が強くなるシチュエーション(悪用厳禁)2

 脳内には様々な神経伝達物質があって、令和の今もそれら全てが解明されるにはほど遠く、人の感情というものは、今でも外力によるコントロールはほとんどできないままだ。世間では幸せホルモンだわ、肥満ホルモンだわとやかましいが、そんなことは一部しかわかってはいないのである。

 生物は DNA の乗り物に過ぎないと言ったのは イギリス人のリチャード・ドーキンス博士だが、 DNA というものが生命を操るプログラムは、神にしか作り得ない 壮大かつ緻密なものである。仮に紙に起こすととんでもない枚数になるであろう人間の成り立ちや生存原理の企画書の中にあって、最も重要度の高い項目は 種を絶やさないための仕組みであろう。その目的のために存在しているのが性ホルモンであり、複雑極まりないそれらホルモンの相関関係によってコントロールされているのが ホモ・サピエンス たる我々というわけだ。我々は目的ではなく手段でしかない。

 私は医者でも専門家でもないのだが、知れば知るほど、私たちは極々僅かな量(濃度としては50mプールにティースプーン一杯程度とのこと)のホルモンや神経伝達物質に 心身ともに乗っ取られているのだと思い知らされる。そこで本稿は、種の保存のために一役も二役もかっている あるホルモンの働きについて私見を述べたい。

 惚れホルモンや恋愛ホルモンとも形容される PEA(フェニルエチルアミン)は、異性に好意を持ったり、何かに集中したりしているときに脳下垂体から放出される分泌物である。それは快楽を司るホルモンであるドーパミンやノルアドレナリンの濃度を上昇させる働きがあるため、性的興奮と快感を誘発し、いわゆる『ぞっこん』の状態にさせるのだ。好きな人を前にすると、緊張のあまり胸がいっぱいになって食欲がなくなるのも、ドーパミンの分泌を促進させたこいつのせいだし、同時にノルアドレナリンを分泌させることで脂肪代謝を活性化させてしまう。つまり恋愛状態にあるということは、満腹作用と脂肪燃焼作用が同時に起き、恋する人は実際に痩せやすくなるのである。

 私の知る限り 生徒たちの生態を見ていると、相手のことしか見えなくなる『一直線状態』になるのは、ほぼ全て女生徒である。もちろんそこには女性ホルモンの知名度としてはトップに君臨する エストロゲン の働きも複雑に関係するのだが、こいつについては別稿に譲りたい。

 恋愛を成就させるためには、自分の好きな相手から好きになってもらえればいい訳だが、そもそも誰かを『好き』だと思う状態は、相手によって自分が PEA を分泌させられていることでもある。よってある人に自分が好かれるためには、意中の相手に PEA を出させることが肝心なのである。ではその方法とは・・・?
 『こうすれば成功する』といった一律の答えがあれば誰も苦労はしないのだが、神は全ての生物に対してあえて個別にバラつきを作られた。これは天変地異にや紛争によって全滅するのを避けるためだといわれている。個別に『好み』があるのもその一環であろう。だからある女性は赤楚衛二さんを見て PEA が分泌されるが、違うある人は赤楚さんではなく 舘ひろしさんによってバンバンPEAが放出されたりするのである。


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