見出し画像

20230125ジグザグ@Zepp Osaka Bayside

あまりにも忘れつつある。

-真天地開闢集団-ジグザグ 古-いにしえ-禊

 各地のフェスに引っ張りだこ、ヴィジュアル系の風雲児ジグザグ。近頃のバンギャに「最近良いバンドある?」と尋ねると全員「ジグザグ気になってて」と言うし、田んぼと化したフェス会場でも長靴でモッシュ上等のライブキッズに尋ねても「ジグザグいいよねー!」と言うし、「これから来る」じゃなくてもう既に「来てる」バンド。
 今でこそV系シーンでのイベント出演はほぼ無くなり、マインド的にもサウンド的にも脱V系なのでは?「脱Vってかジグザグは元々ジグザグ系?だから?(幻聴)」といった良くある流れになりつつあるジグザグにもヴィジュアル系、それもマイナー盤だった時代があり、このライブはそんな昔の楽曲に焦点を当てたコンセプトライブだった。
 余談だが、夫(非ギャ男)は私と知り合うまでヴィジュアル系文化圏に触れずに生きていたため「糞麺氏ね(曲名)」どころか「仕切りが嫌い(曲名)」についても「仕切り……?糞麺……?」などと咀嚼することなく聴いていたため、たぬき文化圏であるところの私が懇切丁寧にレクチャーしておいた。

 そんなジグザグを愛し、私との初回アポ時に「いやぁ~ジグザグは一生推そうと思いましたね」などと宣った夫(非ギャ男)にチケットを恵んでもらい、いざZepp Osaka Baysideへ。
 V系シーンから出つつあるバンドは絶対に「バンギャVSパンピ(V系に馴染みのない人)」状態になるし、パンピからいちいちフリやヘドバンをdisられるに違いないという思い込みから来る不安を払拭するかのように(バンギャルの私が見せてやろう、”本物”のキレを……!)と意気込んでいた。何なら、「今のロックバンド然としたジグザグのファンは古禊には来ないのでは?」とすら思っていた。それが蓋を開けたら(当然なのだけれど)満員御礼のZepp Osaka Baysideである。駅に近づくにつれ増えていく黒装束の信者たち。
 会場内はそんじょそこらのV系バンドの客層とは違い、まさに老若男女であった。WANDS流れと思しき革ジャンの男女から、今は亡きHOLIDAY OSAKAの床にいたような若いバンギャルまで混ぜこぜであった。中でも当時通っていたであろうバンギャルが、旧メンバー蒼梓の話をしながらフリ確認をしていたのが印象的だった。「昔の曲をやってくれることが確定しているライブ」、どのバンドでも貴重であり、切ない瞬間である。

 SEの後、当時の衣装・ヘアメの「二代目命様」が出てきて、ライブの勝利を確信したよね。

 異常なセトリだった。すごいぞ。

 細かいところはほぼ1年前なので何も覚えていないけど、前述していたような「バンギャとパンピの静かな戦い」など一つもなく、何ならただただキレッキレのフリとヘドバンが各地で繰り広げられていた。大口叩いてすみませんでした。ライブ自体も、古禊にあたってサブスク解禁された昔の音源を聴いてから臨んだわけだけど、命様、上手すぎる。今の技量で歌われる昔の曲。これ、本当にもうあんまり聴けなくなるの?勿体なさ過ぎる。
 これから売れていくにあたり、どうしても演る回数が減っていくだろう昔の曲。現在とはメンバー構成も違い、既に現在の雰囲気から外れたものもあった。ここで披露されるのが最後という曲も少なくないだろう。
 最近の定番曲も挟んでくるかと思いきや全然やらない、本当に「古-いにしえ-」に振り切ったセットリストで、当時のファンからすると胸いっぱいだろうと思った。またいつか古の曲が大きな会場で聴けることがあれば、そのときはその会場にいられたらと願う。

SE
てやんでい!てやんでい!
LOVE GAME
毒占欲
大失禁
恋風
祈り
糞麺氏ね
孤独ニ愛サレテ
盲目少女
黒死蝶
『メンヘラ』はじめました
取リ敢エズ『リストカット』
臨兵闘者-皆陣列在前-
空蝉
短絡的『絶望』
『死にたい』御年頃
オキニ オキラ
ひとりかくれんぼ
蟷螂
本当はね、私わるい子
狙い投げ
小夜時雨
一祭合祭
仕切りが嫌い
抹消
トチ狂っテる
悪いのはバンドマン
死んでほしい
繋がりたい
百合ノ華
彼ノ夢、幻
悪霊退散
愛シ貴方狂怪性
十六夜
ぽんぽこたぬき合戦


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?