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しまコトDAY3

 3日目。絶対に訪問したい場所があったからこそ、僕は出雲エリアのツアーに参加を決めました。最終日がクライマックスです。

バスの中
 やはり小さなバスでした。僕は後ろの座席に座りました。僕の隣に1人来て、前の席に1人来て、斜め前に1人来ました。すると、僕の前の席に座った女性が、「あ、仲良し4人組じゃないですか〜!」とおっしゃられました。

 「なんだかいいなぁ。青春だなぁ」と思いました。

ほほ笑み
 「昨年、島根大学の社会教育士を一緒に受けた仲間に会える」ということで、この時をとても楽しみにしていました。オンラインでは何度か会っているのですが、リアルで会うのは昨年の11月ぶりです。アイドルに会う気分でした。自分でもこんなに嬉しい気持ちになるとは思いませんでした。

 その方のプレゼンを聞いた後の質疑応答で、「お笑い学会の事務局長になった経緯はなんですか?」と質問しました。色々と答えてくださり、「実は、落語をしている」という衝撃の事実が発覚しました。

 「地域活動の中で落語をするのであれば、Youtubeで好きな演題を覚えればできる」と教えていただいて、僕も落語をやりたいと思いました。元々、落語家さんのように、話芸で人を笑わせられる人に憧れがありましたので、とても良いキッカケをいただきました。

宮内舎
 宮内舎のオーナーが、僕が受講している「しまコト関西講座」のメンターさんです。せっかく受講しているなら、オンラインだけではなく一度はリアルでお会いしておきたいと思って、今回の旅の一番の目的にしていました。お目にかかることができて光栄でした。

 「お店の中でメンターさんのお話を聞くコース」と「奥様による森ツアー」の2組に分かれました。人数的な部分で2つに分かれただけで、どちらも体験することができました。僕は最初にお話を聞く方からでした。

 「稲作文化を残していきたいと思った」

と、話された時にグッときました。僕自身も島根県に来てから、実際に「島根の農、山、川、暮らし方」の現状を見て、「自分もなんとかしたい。でも、今の自分には何ができるんだろう」という課題意識を抱えながら日々を過ごしています。お米を作って、そのお米を麺に加工して販売しているメンターさんは、

 「良いものを作っていると、モノが語る瞬間があると思うんです」

と、おっしゃられました。これまた僕の胸にグッと来ました。”モノが語る”ってすごく素敵な言葉です。確かに、麺をいただくと、とても美味しくて、「この麺を通して輪が広がっていけば、何かが変わりそう」な気がしました。

マコモ狩り
 出雲では最近「マコモ(真菰)」という植物が育てられているようです。僕は数年前にある人から教えていただいていたので、その存在を知っていたのですが、受講生の多くの方が「なにそれ?」と言っていました。

 僕の浅い知識を披露すると、「伊勢の麻、出雲の真菰」と言われるほど、太古から神聖な植物として認識され、出雲大社の神殿の中には真菰で結われたしめ縄があるとも言われています。それほど、貴重なイネ科の植物です。正しいかどうかは、皆さんもご自身で調べてみてください。

 食べることもできて、葉っぱはお茶にして飲んだり、茎みたいな部分はタケノコのような食感がします。僕は数年前、津和野の道の駅で「マコモ茶」が売っていることに驚いて、よく買いに行っていました。最近はすっかりマコモの存在を忘れてしまっていました。

  受講生の中にマコモが大好きな方がいて、「マコモ狩りもできますよ〜」と言われた瞬間に凄く感激されていました。さらに、「今日は満月なの。満月の日にマコモをいただけるなんて、なんて素敵なの」とおっしゃられて、今にも天に昇られそうなほど喜ばれていました。

帰りのバスの中
 
持ち帰り用のマコモを手に持ちながら、後ろではなく1番前の席に座りました。すると、隣に今回のツアーの案内人(しまコトの運営スタッフ)の方が座られました。島大の社会教育士仲間でもあります。

 30分ほどのバス移動中、学校コーディネーターと地域コーディネーター(公民館)というコーディネーター同士で、日頃の活動や悩みなど、色々と情報交換をしました。「〇〇の動画良かったから、あとで送るわ」と、動画までお教えいただいて、とても楽しい時間でした。

パイゾン
 とても濃かった3日間のプログラムが終了して、1人で松江から吉賀へ帰る道中、僕は「必ず、初日の交流会で出会ったブラジル料理屋のパイゾンへ行くぞ!」と心に決めていました。

 「僕はお店にいないことが多いけど、お店は年中無休でやってるから来てね」

 と、おっしゃられていたので、いなかったら残念だなと思いながらお店の扉を開けると、そこには店主さんがおられました。

 「早速来ました!」

 と、声をかけると、

 「早かったね! さっきまで畑にいて、たまたま今、店にちょっと寄ったんだよ」

と、驚かれていました。偶然おられてよかったです。

 オススメしていただいた「牛バラのランチプレート」と、店主さんがぜひ食べてほしいとおっしゃられた「キャッサバフライ」を注文しました。そして、「この前、テレビで特集されたから見て」ということで、特集された映像を見ながら、食事しました。凄い人生を歩まれていて、「自分なんてまだまだだな」と思い知らされました。お料理はとても美味しかったです。ポテトフライよりも、キャッサバフライの方が好きかもしれません。

 「日本人にもっとキャッサバを食べてもらいたい」

 店主さんは何度もそうおっしゃられていました。僕は出雲からはかなり遠く離れた場所に住んでいますが、せっかくのご縁ですので、少しでもキャッサバやブラジル文化に触れる機会ができるように、身近な人にオススメしていきます。

 キャッサバ、ぜひ食べて!!!

まとめ
 この3日間、僕の文章力では書ききれないほどたくさんの気づき、発見、出来事がありました。島根に住み始めて3年半が経ちますが、島根はまだまだ知らない世界に満ち溢れていることに改めて気付かされました。

 今回のツアー、石見エリアにするか出雲エリアにするかを迷っていた時に、メンターさんからは「まるちゃんは、個人的にうちに来たらいいから、今回は行きたいと思っている石見エリアに行くのがいいかもしれないね」と言われましたが、「いや、こういう機会に一回行っておかないと今後も行かないと思うので、やはり出雲エリアにします!!!」と決断して正解でした。

初めて雲南にも行ったことで、僕の島根県内の行動範囲がグッと広がりました。これは凄く大きい収穫です。

 人の気持ちは熱しやすく冷めやすいので、同じ時間を共にして盛り上がった熱も、時間が経てば冷めてしまいます。この熱をしまコトが終わった後も絶やさずに、何かキッカケがあれば燃え上がる「炭の熾」のような状態を保たせることが自分の役割なのかもしれません。

 とにかく、しまコトに参加して良かったなって心の底から思えた日でした。

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