見出し画像

クストーと賢治の窒素

はじめにお断り。私、理系知識ほぼゼロです。
それなのになんか気になるんです。窒素。
きっかけは中学生くらいの頃読んだ本の窒素酔いの話。

窒素酔い=空気潜水や混合ガス潜水の時、深く(30mくらい)潜ると空気中の窒素を肺が分解できず酔っ払ったような状態になるそうです。


1940年代、アクアラングを開発中のジャック=イヴ・クストーは自ら実験台になって海に潜っていた。安全性がある程度確認されたあとなのか、銛を持って獲物を物色していると大きな魚が現れたのでこれを追いかけて刺した。
その時、魚の傷口からエメラルドグリーンの血煙が上がったのでクストーは驚く。
「深い海にはなんて不思議な魚がいるんだ」
彼は仲間に知らせようと浮上したが、海面が近づく程に血煙は褪色し、ついにはただの赤茶色になってしまった。


これが人類初の窒素酔いなのだそうです。
その後、アクアラングは人気商品となりましたが、窒素酔いが一般に知られるようになるまでやはり事故が多かったそうです。
多幸感に浸り判断力が低下して、ひどいと海中で潜水具を脱ぎ捨て踊り出したりするというので、かなり怖い光景だったりします。


つづいて、宮沢賢治が農業と窒素について農学校で面白い授業をしていてこれも好きなので紹介させて下さい。

窒素は空気中に78%も含まれていて、農業では三大栄養素としてリン酸、カリウムと共に数えられ、作物の葉を濃い緑色に変える役割をします。

さすが賢治さん。
農業に直接関わる知識として特に関心が高かったのでしょうけど、見聞きした事と合わさりつつよく整理されている感じがしますね。

クストーや賢治のこういった話が好きで、私は窒素に不思議な魅力を感じるようになりました。
しかし、そうかといって特に知識を掘り下げたりする事もなかったのですが、クストーの話を前からコマに割ってみたかったので今回思い切って記事にしてみました。

毎日呼吸している空気の中に劇的な力が隠されている不思議さを少しは感じてもらえたでしょうか?

おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?