保育士マルちゃん

10年以上同じ保育園で幼児クラスを担任し、今は別の保育園で非常勤として働いている保育士…

保育士マルちゃん

10年以上同じ保育園で幼児クラスを担任し、今は別の保育園で非常勤として働いている保育士です。 非常勤になって時間に余裕が出てきたので、保育に関する私の考えを文章でまとめています。

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    保育園で働いていて感じること、保育の考え方など思いつくままにまとめています。

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    保育士として日々考え、感じていることをまとめています。

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自己紹介

なぜnoteを始めたのか10年以上勤めた保育園を移り、非常勤として新しい保育園で働き始めました。 保育園によって様々な違いがあることは理解していましたが、これほど違うのかと驚く毎日です。 非常勤で時間的な余裕が出てきたこともあり、この違いについて深く考えたり、逆に今まではこうやって考えていたなどの発見もあり、色々と面白くなってきたので文章で残そうと思いました。 文章を作るのが苦手なので、夫に手伝ってもらいながら執筆しています。 経歴私立保育園(正規職員) 幼児クラス担任:1

    • 子どもの成長を支える10の姿〜日々の保育への取り入れ方〜

      10の姿とは10の姿とは、『幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿』のことで、 厚生労働省が出している保育所保育指針に記載された5歳児後半の子どもの育ちの方向性のことです。 保育園だけではなく、幼稚園、こども園にも共通される指針です。 また就学の際、保育園、幼稚園、こども園側と小学校側が、子どもの姿を共有するためにも必要になる共通の目安でもあります。 10の姿は、就学前までに育ってほしい子どもの姿や能力を、5領域をもとに10個の視点からまとめています。 指導計画を作

      • 今年度最後の保護者懇談会を終えて。

        進級進学が近づくこの季節。 先日、保育園で保護者懇談会が行われました。 年長児クラスは一年を振り返り、子どもたちの姿や成長した様子を保護者と保育者側とで共有しました。 今年度最後の保護者懇談会を終えて色々と反省することが出てきたので、 今後の懇談会に活かせるように記事にしようと思いました。 保育士の皆さんだけでなく保護者の方にも、保育者はこんなことを考えているのだと少しでも参考になればと思います。 子どもの育ちの伝え方今回の懇談会では一年を振り返り、子どもの成長した姿を話

        • ままごと遊びについて思うこと。

          記事『保育園でのままごと遊び:子供たちの発展を促す秘訣』では、 ある5歳児クラスのままごと遊びの姿を見て疑問を感じ、 子どもたちに見立て遊びの経験ができるようにと、私なりに工夫して種まきを行ったことを書きました。 記事『子供の創造力を最大限に引き出す:ままごと遊びのアプローチ』では、 具体的にどのような道具を用意して環境を整えてあげると良いのかについて書きました。 私は10年以上保育士を続ける中で何度も5歳児クラスを担任していますが、 その年によってままごと遊びの姿にはさ

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          子どもの創造力を最大限に引き出す:ままごと遊びのアプローチ

          子どもたちが暮らしの中で見た物や食べた物、してもらったことなどの体験をままごと遊びの中で再現するための道具として、 具体的にどのようなものを用意し種まきしていったのかを紹介しようと思います。 具材を使って生活体験を再現する みなさんの園ではままごとの食材としてどんなものを用意しているでしょうか。 私は、ままごと遊びの楽しさは役になりきったり作ったりする過程にあると考えています。 例えばお母さんが家で作ってくれるホットケーキ。お母さんがフライ返しで上手に裏返す姿を見て「自

          子どもの創造力を最大限に引き出す:ままごと遊びのアプローチ

          2024年のnote抱負。

          2023年は『毎月一投稿』を目標にしていましたが、投稿できない月があり達成できませんでした。 2024年こそは!『毎月一投稿』を目標に、 現役保育士の視点で、保育や教育について考えたこと、保育士の仕事、おすすめの絵本や遊びについて、記事にしていけたらいいなと考えています。 2024年は、保育士として子どもの気持ちに寄り添い関わりながら、 子ども主体の楽しい遊びとそこから生まれる学びを、たくさん子どもたちが経験できるようにしていきたいです。 そのためにも私自身がより向上して

          2024年のnote抱負。

          クリスマス遊びの計画に悩む保育士へ:遊びのマインドマップの活用法

          この記事を読む前に、前回の記事「遊びのマインドマップ。」をご覧ください。 今回は“クリスマス”から展開する「遊びのマインドマップ」を書きました。 前回と同じように5歳児クラスを想定しています。 前回の記事にも書きましたが、 子どもの姿や保育園の特色などによって私が書いたものとは内容が異なったり、他にもいろんな遊びの展開が考えられると思います。 これは一つの例として、クリスマスから始まる遊びの展開をマップにしました。 特に経験が少ない保育士は、マップにすることで遊びの展開

          クリスマス遊びの計画に悩む保育士へ:遊びのマインドマップの活用法

          遊びのマインドマップ:保育士の秘密兵器

          遊びのマインドマップとは… 「遊びのマインドマップ」という言葉は私が作った造語で、 遊びの計画をマップにして見える化するためのものです。 保育士の仕事の一つに指導計画があります。 指導計画は、簡単に言うと子どもにとってより良い保育を行うための計画を立てて記録するものです。 私は指導計画を立てる前に「遊びのマインドマップ」を書いていました。 子どもの遊びが展開していく様子を予測し、保育士のねらいや思いも込めて、 保育士の頭の中にある計画を書き留めて、見える化するものだと考

          遊びのマインドマップ:保育士の秘密兵器

          子どもに与えてはいけないもの。

          前回、子どもと関わるたくさんの人に読んでもらいたいと思い、一冊の本を紹介しました。 ※前回の記事はこちらです。 「はじまりは愛着から 人を信じ、自分を信じる子どもに」という、 児童精神科医だった佐々木正美先生の著書です。 前回の記事でレビューした部分とは別のところで、とても印象的だった話がありましたので、 今回また記事にしていきたいと思います。 それは「子どもに与えるもの、与えないもの」についての話です。 私が保育士として保護者の方から話を聞く中で、 「家では子ども

          子どもに与えてはいけないもの。

          子どもと関わる人全員に読んでほしい本。

          子どもと関わる人全員に読んでほしい本。 それは児童精神科医 佐々木正美先生の「はじまりは愛着から 人を信じ、自分を信じる子どもに」です。 働いている保育園の方針で、今まで何度も佐々木正美先生の講演に参加したり、著書を読んだりする機会がありました。 (以前、ペットになりたがる子どもたち。という記事でも佐々木先生の著書を取り上げたことがあります。) 佐々木先生との出逢いは私にとって、厳しい母の元で育った子ども時代の記憶が癒され、母を許す気持ちが生まれるきっかけにもなりました。

          子どもと関わる人全員に読んでほしい本。

          おすすめの幼年童話。

          保育園でほとんど毎日、子どもたちと読み合っている絵本。 5歳児クラスでは一般的な絵本だけでなく、 絵が少なく文章が多い「幼年童話」と言われるものを、章ごとに少しずつ読み進めたり、期間をかけて一つの物語を楽しむこともおこなっています。 5歳以上にもなると絵本を楽しむ経験を積んできているので、本を読むことの楽しさが分かってきて、 自分で読んでみたいと思ったり、言葉だけでイメージを膨らませて楽しんだりすることができるようになると思います。 “文字を読ますため”といった教育的なア

          おすすめの幼年童話。

          【保護者からの相談】反抗的な5歳児の息子。

          「最近息子の言葉づかいが乱暴になってきて、正そうとすると反抗的な態度をとったり、時々母を蹴ったりする。」 5歳児のクラスを担任していた時に、ある保護者の方からこんな相談を受けました。 また、他の保護者の方からは、 「息子が保育園での出来事を聞いても教えてくれない。無視をしてくる。」 年長児にもなると大体のことは自分でできるようになって育児が楽になると感じる反面、保護者の方からのこういう相談も多いです。 弟や妹がいるならイジワルをしたり、親に反抗したり、保育士から聞く

          【保護者からの相談】反抗的な5歳児の息子。

          絵本好きな大人におすすめの本。

          子どもの頃よく親に読んでもらい親しんできた絵本。 保育士になってからは子どもに絵本を読んであげる側として、いろんな絵本を毎日読み合い、絵本の楽しさを子どもたちと日々共有しています。 以前の記事では、「子どもと絵本を読み合うこと」について、私の考えを書いていますのでご興味があればどうぞお読みください。 今回は、酒井駒子さんの表紙の絵に惹かれて手に取った本の内容が良かったので感想文を書いてみました。 子育てをしている人、保育士や幼稚園の先生など、小さい子どもと関わる環境にい

          絵本好きな大人におすすめの本。

          ペットになりたがる子どもたち。

          以前の記事では、ままごと遊びは乳幼児期の子どもにとって大切な遊びであること。 ままごと遊びをより豊かに楽しむためにどう取り組んできたか、私の実体験をまとめました。 この記事は新しい保育園で働き始めた頃の話ですが、ここに記さなかった実体験が他にもあります。 それは、ままごとコーナーでハムスター(またはうさぎ、ねこ、いぬ)になる子どもの姿です。 ままごと遊びと言えば、お母さんやお父さん役といった役割が主流かと思いきや、その時見た子どもたちはお母さんやお父さんではなくハムスター

          ペットになりたがる子どもたち。

          マルちゃんの保育歴史。

          きっかけ。 私が保育士になろうと思ったのは小学生の頃。 私は幼稚園に通っていましたが、年の離れた妹は、両親が共働きを始めたため3歳児で保育園に入りました。 仕事が忙しく平日はほとんど子どもと関わることがなかった父と、家事に仕事に育児と毎日せわしない母。 母は大変だったのだろう。 私たちを怒ってばかりいてその当時はとても嫌でした。 そんな背景がある中で私が感じていたのが、保育園の先生に対する憧れでした。 母は私たちを怒りたくて怒っているのではない。余裕がないから怒っ

          マルちゃんの保育歴史。

          マルちゃんが思う異年齢保育の良さ。

          ある保育園では、3、4、5歳児は異年齢保育を行っていました。 異年齢グループ(クラス)を長く担当していた私が感じる、異年齢保育の良さや、もっとこうだったら良いのになぁと考えたこと等を記していこうと思います。 異年齢保育の良さ年下の子どもに与える影響 まず3歳児は、2歳児クラスから進級するとガラリと環境が変わります。 友だちや先生、保育室の構成や玩具、生活の流れや習慣など…。 進級したての4月頃は、保育士の援助や個別の関わりが必要にはなりますが、同じグループに年上の子どもが

          マルちゃんが思う異年齢保育の良さ。