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徹夜の思い出

日曜日の夜になるとどうしていいか分からなくなる。
思いっきり遊び呆けて次の日の仕事に響かせるわけにもいかないし、かと言って仕事の気分を始めてしまうのも損な気がする。そもそも次の日の予定や睡眠時間を犠牲にしてまでやりたいことが、今の私にはない。

なので、そういう気持ちの置き所がわからない時は文章を書くことにした。

徹夜。私は徹夜ができない。
いや、徹夜をしてみることは出来るんだけど、次の日頑張れない。24時間以上の稼働が不可能である。

友人の中には今でも徹夜ができる人がいて、徹夜で飲み会や同人誌の原稿を作成した後、仕事に行っていてすごいなと思う。タフさが眩しい。

学生の頃は何度か徹夜したことがあった。漫画をオールで読むとか、アニメをオールで観るとかで、社会人になってからはめっきりなくなった。
「眠さ」よりも「続きの知りたさ」が勝った時だけ徹夜ができたのだった。

そうして夜を明かしてしまった時にみる朝の世界の特殊な美しさは今でも覚えていて、本当に凡庸な表現だけれど、世の中に自分しかいないような気がして、結構好きだ。
朝4時ごろの街は、薄いミント色のすりガラスを通してみたように綺麗で静謐に見える。何か自分だけが特別に綺麗なものを見せてもらっているような気がして、ちょっと嬉しい。

徹夜は私にとって、自由の象徴なのかもしれない。
徹夜の後に、考慮すべき予定や義務が何もない、ただ眠りたくなかったから、と言うだけで起きていられて、そして朝にゴールしたという達成感もあり、そういう気持ち全部をひっくるめて、なんとなく嬉しいのだと思う。

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