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「のび太」という生き方  横山康行著


大人になって、最近では、我が子と一緒にドラえもんを観たりしますが、涙なくしては観れない作品がとても多いのは年のせい?違う、娘も泣いたり笑ったりしながら観ています。
大好きで得意なあやとりの様に、射撃のように、そんな風には全部うまくいかないのび太。出来ないことが沢山あって…。そんなのび太の子供時代。
誰の心の中にも、きっとのび太の様に出来ない自分。そんな自分が沢山いると思います。そんなあなたも、私だって立派な大人になっている。
しかし、心の扉を開けると…。あなたの中にも、のび太っていませんか?

ドラえもんがやってきてくれて、秘密道具を使えば「自分にもできる」と信じて、諦めない心を持つのび太。
色々なことがあるのですが、くじけず泣きながら前向きに、どちらかというと楽しい気持ちを持ちながら子供時代を積み重ねます。

あなたの中にもきっと居たのび太は、今はどうしていますか?
私は、自分にこの問いを投げかけると、色々なことができなかった子供の頃の自分。大人になっても、社会にでてのゼロからのスタートのドキドキの自分に心が帰ります。涙があふれてきます。私の場合は、ドラえもんは父や母でしたが、まるで、のび太と一緒です。

のび太は、決して自分も他人も傷つけない。そしてとても優しい心の子。
いつもいつも、「ドラえも~ん」って泣きをいれている。
まるで、私みたい…。でも、きっと私だけではなくて、自分ものび太だった人って多いと思います。

娘が、学校で「ドラえもんの登場人物で好きな人とそうでない人」をクラスメートに聞いたら、好きなのはのび太が一番多かったようです。
みんな、自分の中にもいるであろうのび太が好きなんですね。確かに、ホッとするキャラクターだと思います。

「第5章叶う夢には法則がある」の中に、日頃ぐうだらな生活をしていると思われているのび太が、実は「ぼくだって」という言葉。「ぼくだって」のようなニュアンスの言葉を沢山使っている(短編コミックス1冊で10回以上)とあります。
私だって、あなただって、自分がのび太だった頃は、そう思っていたと思います。「私だって出来るんだ。」そう思っていたはずなのに、年を重ねると共に、素直にそう思えなくなってきてしまう。
のび太が「ぼくだって、出来るんだ。」そう言った時に
ドラえもんが「人に出来て、君だけ出来ないなんてあるものか。傷だらけ、あざだらけになって練習しよう。」とのび太に言って一緒に竹馬練習をして乗れるようになるエピソード。
のび太は「なんだ、なんでこんな簡単なことが今まで出来なかったんだろう。」と思いにふける。
こんな短編のお話しが、溢れんばかりにあるのが「ドラえもん」というお話し。素晴らし過ぎます。

わが家の中学生の娘は、ドラえもんが大好き。勉強の合間に、テレビでドラえもんを一話見てます。
はじめは、「マンガばかり見ていて~。」っと親として注意もしましたが、よくよく娘を観察しているとそうではないんです。
自分自身を励ますために、ドラえもんを観ている事に気が付きました。
娘は、比較的なんでもサクサクしてしまうように振舞っている子ですが、見えない所で隠れて努力するタイプ。親としては、もっと、泣き言を言って欲しいのですが、一人で頑張って出来た結果を見せるタイプ。
でも、本当は出来なくて、自分と格闘している時に、ドラえもんを観て、のび太に共感して励まされているのだと気が付きました。

「第7章ドラえもんはあなたにもいる」の中で、夢を叶えた未来をイメージすること。のび太は大好きなしずかちゃんとの結婚して家庭を築いているのをタイムテレビで見ることで叶えています。未来を見るイメージの強さが現実を引き寄せることを教えてくれていると感じました。ドラえもんは、あなたの中にも私の中にもいるんです。それを、「イメージすることで叶う!」と言われてもなかなか難しい場合、のび太がタイムテレビで未来を見ているように、私もあなたも心の中のタイムテレビで夢を叶えることが出来ることを教えてくれました。

今、中学生の娘に「将来弾きたい曲が弾けたら楽しいから」という理由で、小学生の時にピアノを習わせたのですが、最近一人で弾き語りしている曲があります。「キミの中ののび太」という曲。「僕の生まれた日」という短編の中の曲です。楽譜が売ってないようですが、弾きやすいようで弾きながら歌ってくれています。それを聞いている私は、泣けてきてしまうんです。
娘は、自分の中ののび太を大切に育てているんだな~ってそう感じるからです。

著者の横山泰行さんが「のび太は想像以上に人生を上手に歩んでいる」と書いてますが、我が子にもそうあって欲しい…そう思ってこの本のエピソードを読みながら心に落とし込んでいきました。
素晴らしい本を読む機会をいただけて、ありがとうございました。



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