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美味しいは変わる

ウルメイワシ丸干しがメインの下園薩男商店3代目として、食の事、イワシビル(直売所)、自社商品そして時々アウトドアの事を書いていこうと思う。

今回は「美味しい」について
美味しさというものは人によってそれぞれ違う。自分は日本酒をほとんど飲まない。何故なら作り手をほとんど知らないし、鹿児島は焼酎の産地だから。それに鹿児島の料理には甘い味付けが多いから日本酒は合わないと思っている。甘い食べ物にはそれを中和させるような飲み物がいいなと「私は」思っている。

そう、そう思っているから美味しく飲めない。もし私に日本酒作っている知り合いがたくさんいて、新潟出身だったら食べ物の甘さとは違う日本酒の甘さがマリアージュして美味しいのに、この鹿児島人は何もわかってないな・・・・と思うかもしれない。自分自身が何を知っていて何を信じているかで味は変わる。

焼酎を飲みながらこれはあの人が汗水ながして、思いを込めてつくったんだなぁとか、あぁこのワインは去年いったシチリアで作られたのか。もしかしたらアンチョビ工場のあの人もこのワイン飲んでるのかなと。そう思って飲むと味も変わる。

味は人によって印象が変わる。海の家の焼そばは真夏の海で食べるから美味しい。家にもって帰って食べたら激マズだ。一度カップ麺と味比べしたらいいと思う。

やってみた。


(海の家はもうやっていなかったので、嫁に理由は言わずに焼そば食べたいと作ってもらい食べ比べた)
「カップ麺の方が美味しかった!」と言いたいところだったけど急に豚骨と焼そば食べたいという無理なお願いに頑張って作ってくれたんだろうなというのを感じて食べるとやっぱり美味しかった。

母の作ってくれたミートスパゲッティ。親子ケンカしたあとに食べるのと、夜遅くまで受験勉強しているときにそっと部屋の片隅に持って来てくれたミートスパゲッティとは味が違う。たぶん涙流して食べる。
(夜遅くまで受験勉強した記憶がないから想像で書いている)

だから美味しいかどうかは人によって違う。そしてより美味しく食べるためには、それをどういった人がどういう思いで作ったか知る事、感じる事が大事だと思う。
そんなの関係ないし、味だけの評価がすべてなのだよ。という人もいるだろうけど、信じるものは救われるともいう。

難病にかかってもう駄目だと思っている時に、手をかざすだけで治せると言う方が出現。そんなので治るわけないと思う人は、亡くなるまで苦痛の中。でも信じる人は希望を持ち、気持ちが楽に過ごせるかもしれない。

色んなことを聞いて、体験して、感じることができると同じことでも感じ方が違ってくる。今、目の前に北海道で買ったコロボックルの置物がある。

商店街で車を停めた時に「この場所は19時以降止めれなくなるからあの建物の裏がいいよ」と教えてくれたお土産屋さんで買ったもの。値段もついてなかったけど3200円を3000円にしてくれた。その後、車にもどると建物の裏は柵がしてあり「車出せないじゃん!」
なんとか急な斜面をレンタカーで無理やりおりてやった。そんな思いでがこのコロボックルにはつまっている。色んな体験がそのものの印象を変える。

だからイワシビルでの買い物も、私がすすめるよりも、イワシビルスタッフのかわいい子達が面白い事言って説明してくれたほうが、商品の印象も変わると思う。

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