エレベータの話

 おそらく多くの人が日々エレベータを利用しているでしょう。利用方法は簡単。扉が開いたら乗り込んで、必要なボタンを押して、目的階に着いたら降りる。これだけです。エレベータも乗り物と考えると、料金を払う電車や免許が必要な車より身近な存在と言えるかもしれません。大方の場合、ボタンを押すだけですから。

 そんなエレベータのボタンで一番大事なボタンって何でしょう?

 私は『開』ボタンが一番大事だと思うのです。

 誰でも経験あると思うけど、乗り降りする人のために『開』を押したつもりが『閉』を押してしまって顰蹙をかってしまったこと。良かれと思ってとった行動がかえってアダに。その後エレベータ内ではいたたまれませんね。

 だから『開』は他のボタンより大きく、押しやすいところに配置したほうが良いと思うのです。『閉』は急いでいる人には必要なボタンだけど、乗降者がいる時に押してしまったら場合によっては危険です。でも『開』は押してもそうならない。ほんの少し到着が遅れるだけです。

 もちろんメーカも色々考えて今に至っているものと思います。戸袋に手が引き込まれた時などにすぐ『閉』が押せるように、あえて開閉の大きさに差をつけていないのかもしれません。だから、『開』を大きくしろ!などと気勢を上げるつもりはありません。ただ、どうしてそういうボタンなのか、ぜひ私を含めて利用者に教えてほしいと願っています。

 『開』が少し大きかったり、色分けされているエレベータも中にはあります。たまにそれを見かけると、作った人は私と同意見なのかなと嬉しくなります。

 身近な乗り物としてのエレベータ。電車や車より身近だからこそ、作り手の想いが伝われば、より身近に愛着を感じられるのではないか、それもモノづくりの醍醐味の一つではないかと思うのです。

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