#11 映画「物ブツ交換」 in ジョージア

世界は今自分のことで精一杯。

新型コロナウィルスの影響もあり、普段は自分の選択肢にない映画を見ようと思った。

Netflixで観られる30分弱のショートフィルム「物ブツ交換」という作品。
決め手は、ジョージアのドキュメンタリー作品である点。
自分が日常生活を送っていく上で、自分から、ましてや他方からジョージアにフォーカスを当てた情報は基本的には入らないと思ったので、これは良い機会だと。

この『物ブツ交換』という作品は、ジョージアでボロいトラック一台を使い行商をしているおじさんの話だった。
おじさんは市街の日本でいうドンキのような何でも屋から商品を仕入れ、それを積んで田舎の村へトラックを走らせる。あまり街へ出られない村の人達にへそれらを売る。例えば女性向けにスカーフ。例えば子供向けにシャボン玉。
一人暮らしのお婆さんや子どもたちもあれやこれが欲しいと寄ってくる。
田舎の消費者からは、お金ではなく"じゃかいも"と交換して成立する。

物ブツ交換。

貨幣が生まれる前の時代の決裁方法だ。
現代に生きる僕ら日本人には馴染みがない。

作品の中で田舎の爺さんの一人が言うように、この地域(ジョージアの一部)ではじゃがいもがある種の通貨になっている。
超原始的な貨幣経済、それが今もここに残っている。

発展途上国にもテクノロジーが行き届き始めているこの時代で、地方レベルにフォーカスを当てていくとこういった事実があるということに驚いた。

もちろんこの事実に驚いたが、「まだこんなに遅れている経済があるのか」と思った訳ではなく、むしろ「物々交換〜貨幣〜デジタル通貨と様々な経済システムを持つ社会が適材適所で併存できる」という世界があることが興味深い。

物=貨幣=デジタル通貨 →全てお金

この映画の舞台ジョージアの田舎では、畑で取れたじゃがいもをお金として支払うしかない状況と捉える事がおそらく正しいが、世界の今後を想像してみると新しい仕組みが見てきそう。

正直浅くしかまだ自分に落とし込めていないが、お金や価値について深く考えたいきっかけにはなった。


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