見出し画像

退職金と試練<420/1000>

【ラジオ体操722日目】
【ニコチンレス生活443日目】

こんにちは。
ゴールデンパラシュート、ホワイトナイト、ポイズンピルなど、M&Aにおける買収防衛策の名前がカッコよすぎるので、あの名前を付けた人は絶対に厨二病だと思っているコマリストです。


今日は『高額の退職金に何を思うか』というテーマで書いていきたいと思います。


会社員として働いていると、長年勤めあげた後には『退職金』というビッグボーナスがもらえることが多いです。


自分自身がサラリーマンだった頃は、退職金がもらえるのは当たり前のことだと思っていたけれど、会社を辞めて分かるのはボーナスも退職金も、当たり前のものなんかではないということ。
#誰かくれないかな


経営者が死ぬほど重たい責任を負って、社員とその家族のために仕事を獲得し、必死でコストを抑えて残した利益から支払われるということは、会社員であるうちは知る由もない。
#当たり前のものでは無い


そんな経営者が後継者に代表権を譲って退任する時、高額な退職金を受け取るケースがよくあります。


これは重荷を降ろす経営者への手向けでもあるわけですが・・。


今日は、息子に会社を譲る父親が多額の退職金を受け取ることのもう一つの理由についてのお話です。


たくさん受け取って老後を楽しみたいという人もいるとは思いますけどね。

借金してまで

借入契約

先日、1年半ぶりに訪問したH社で、S社長と1時間以上に亘って盛り上がった話があります。


それは、会社を承継したS社長が、会長から要求された退職金について。


H社は基本的には一族経営で切り盛りしてきた従業員数30名程度の中小企業です。


大手ハウスメーカーの協業パートナーとして、少数精鋭ながら〇〇億の売上を生み出している素晴らしい会社です。


そんなH社を牽引するのは、3代目となるS社長。


S社長は、直系の創業一族ではなく、先代の社長は叔父にあたる人。現場での手腕が認められて抜擢されたやり手の社長です。
#誰よりも会社のために頑張る人


2年前に会社を承継し、先代は会長職に収まっていましたが、来年いよいよ会長職を退くということが決まったとのことでした。


そこで、退職金として要求されている金額が■千万円。
#なかなかの
#高額請求


コロにゃんの影響もあって、ここ3年は厳しい時期もあったので、リスク回避のために銀行から借入れをしている状態で、この金額を捻出するのは正直言って厳しい。


ということで、手を付けていなかった借入を取り崩して支払うことになりそうだとのことでした。


リスクに備えて借りていたお金を取り崩すということは実質的には退職金のために借入を起こすのと同じことです。


退職金を支払うために借金までするのはどうなんだろうかというのが、話の主旨でした。


あなただったら、どう考えますか?


私は、この会話の中で、S社長の”厳しい”という気持ちを理解しつつも、会社の経済状況を把握している会長がどんな意図をもって、この金額を提示したのかということについて考えてみましょうと提案しました。
#老後のためだけなのか


ココからの話が、なかなかに奥が深いものになったんです。

3代目の罠

箱罠

会長がどんな意図をもっていたのかということについては、本人に聞いたわけではないので、想像するしかありません。


ということで、一般論として無借金経営の企業の3代目が会社をダメにするケースがなぜ多いのかということについて話を進めていきました。
#これは
#よく聞く話です


3代目が会社をダメにする理由。
これは、明確な理由があるわけではありません。


ただ、私とS社長の中で、”コレかもしれない”という答えが見つかりました。


創業者は、0から1を生み出し、とにかく大きく育てていかなければいけないという経営者です。


会社の維持存続のために、法律の範囲内であれば、キレイゴトだけじゃないこともやってのけるというのが特徴です。
#良くも悪くも
#よくある話


そんな創業者を父親に持つ2代目経営者の中に、『自分は父親のようにはならない』という気持ちが芽生え、2代目経営者はグレーゾーンの排除と仕組みづくりに奔走します。


2代目で、社外との関係性を整理し、社内のルールや仕組みを作り上げていく。その結果、クリーンで安定した経営基盤を手に入れることになります。


さて、この状態の会社を3代目社長が承継した時、もしも会社が無借金状態だったとしたら、どう考えるか。


もちろん、3代目社長の特性にもよると思いますが、多くの場合は「維持」を選択することになります。


ところが、企業にとって維持とは衰退を意味する選択になるので、緩やかに衰退していき、気づいた時には取り返しのつかない状態になってしまう。
#特に
#中小企業では


これが、”3代目が会社をダメにする”という言葉の一つの答えなんじゃないかという話。


もしもこの答えが真実だったとして、創業者と2代目にあって、3代目に無いものは何なのか?


それは、【ハングリー精神】です。


危機的状況であったり、否定したい何かが最初からある状態で、それを払拭するために必死になる。
#これがあるのが正常


この時、経済的な部分や取引先の状況、社内の状況など、会社全体をしっかりと把握し、打ち手を考えていかなければいけない


ところが、維持を目的とした時、変える必要が無いと考えているからこそ盲目になり、保守的な気持ちで事業を継続する。


結果、見えていないからこそ綻びに気づけず、気づいた時には遅いという状況が起きる。
#普通にあること
#怖い

会長の想い

想いにふける

さて、ここで思い出してほしいのはS社長が3代目であるということです。


もしかすると、会長はS社長が保守的な気持ちで経営をしなくて済むように、高額の退職金を要求しているのかもしれません。


というのも、無借金経営を続けてきた企業にとって、借金は分かりやすい危機感です。


意図的に危機感を作り出すことで、S社長を経営者として一回り成長させるという目的があるのかもしれない。
#そうだとしたら
#会長は素敵すぎる


そう考えると、会長に対する考え方も変わるかもしれません。
#有事の時には
#助けられる


そんな話を語り合っていると、S社長自身も思い当たる節があったようでした。


同世代の経営者と比べて、会社の数字や社内の細かい情報、取引先の情報を日々把握することが癖になっているのは、借金を返さなければいけないという気持ちがあるからだと語ってくれました。


正直、会長さんの本音は分かりませんが、もしも今のS社長の姿が会長の狙いなんだとしたら、すごく素敵な試練だと感じました。
#真実は
#会長の胸の中


高額すぎて借金までしないと支払えない退職金の要求。
#批判の方が多いけど


こうやって視点を変えてみると、面白い見え方がすると思いませんか?


物事を多角的に見る癖をつけると、世界が広がって面白いですよ~。

じゃ、またね~!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?