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フィルムカメラを始めたい人へ 〜入門準備編〜

フィルムカメラを始めたいけど、何を揃えて良いのかわからない。
デジタルとの違いや撮影する際の注意点。
フィルムや現像にかかる費用など、フィルムカメラは持っていないけれど、少しは興味のある方を対象に記事を書きたいと思います。
この記事をきっかけにフィルムカメラの世界に一歩前進していただけたら嬉しいです。

フィルムカメラの良いところ

これはなんといっても、デジタルとは異なる味のある作品が作れる事です。
デジタルでもフィルム調のエフェクトをかけることも可能ですが、フィルムカメラはデジタルで人工的に作り出したものとは異なるナチュラルな味わいが特徴です。
同じ被写体を撮影しているのに、フィルムで撮った写真はどこか懐かしく、そして優しく、暖かく感じるのが魅力です。

フィルムカメラの難しいところ

フィルムにはISO感度というものがあり(デジタルもありますが)、ISO100のフィルムを装填したら撮り終わるまでその感度で撮り続けることになります。
今のデジタルカメラだと、撮影場所の明るさに応じてISO感度設定を変えることができますので、あまり気にしなくても撮影できるわけです。
ISO100のフィルムだと日中の屋外撮影だと問題ありませんが、夜間や室内では光量が不足しますのでストロボなどを利用することになります。

どんなカメラを買えば良いのか?

フィルムカメラは一部を除いてほぼ中古で入手することになります。
大きく分けるとコンパクトカメラと一眼レフカメラがありますが、中古市場で出回っているのは一眼レフカメラが多いです。
以下、カメラの特徴について述べていきます。

フルマニュアルカメラ(主に1960年代〜70年代前半)

全ての操作を手動で行います。
全ての操作というのは、フィルムの巻き上げ、シャッター速度の設定、絞りの設定、ピント合わせなどなど。
全てが機械的に行われるものが多いので、電池なども不要です。
また、電子部品を使っていないものであれば、修理屋さんで修理しやすいのもこの時代のカメラの特徴です。
私が所有しているカメラはPENTAX SV(1962年製)がありますが、今でも現役で動いています。
シャッタースピードと絞り値は感で合わせるのですが、露出計を持っていなくても、スマホのアプリ等を活用すれば大丈夫です。
いちいち、スマホで測定するのがめんどくさい場合には、露出系内蔵のタイプもあります。
露出計内蔵タイプのカメラだと、電池を入れる必要があるのですが、既に電池自体が製造されていないものもありますので、注意が必要です。
因みに私が所有しているMINOLTA Hi-MATIC Fの電池は入手できませんので、代用の電池を使えるようにアダプターを3Dプリンターで作成して使っています。
この時代のカメラは程度の良いものが少なくなりつつありますので、今のうちに入手しておくのも一つの手かと思います。

PENTAX SV

チョット電子制御が入っている時代のカメラ(1970年代〜1980年代)

この時代のカメラは一部電子制御が入っています。
具体的には露出計で明るさを測定して、シャッタースピードを自動で決定してくれたりします。
撮影者は絞りとピント合わせだけすればよいので、だいぶ簡単に写真を撮ることができます。
但し、制御系のチップや電子制御のシャッターユニットが壊れていると修理が難しくなります(この時代のチップが入手できないため)
また、当然ですが、電池が入っていないと撮影もできません。但し、今のデジタルカメラと違って電池の持ちはかなりよいので、それほど心配する必要はないでしょう。
私の所有しているカメラではPENTAX ProguramAやPENTAX P30がありますが、自動露出があるだけで撮影はかなり楽ちんです。
この時代のカメラは入手はそれほど難しくはありませんが、しっかり動作するか確認の上購入した方が良いと思います。

PENTAX ProgramA

オートフォーカス一眼レフカメラ(1980年代後半〜)

今のデジタル一眼レフと同じように全て自動で撮影できます。(もちろんマニュアルでも撮影できるものが多いです)
また、この時代になると本体にモーターが内蔵され、フィルムの巻き上げも自動ですし、中には高速連射可能なモデルも存在します。
また、1990年代後半に登場したモデルは小型軽量で持ち歩くのも楽なのが特徴です。
しかし、プラスチックを多用していることから外装部が割れているものなどもありますし、コンピュータを内蔵していることから、外装が綺麗でもカメラとして機能しないものもありますので購入時には確認して下さい。
私の所有しているカメラではMINOLTA α-sweetやPENTAX SFXnなどがあります。

PENTAX SFXn

フィルムの種類について

フィルムはカラーネガフィルム、モノクロフィルム、リバーサルフィルムが現在でも入手可能ですが、以前と比べると入手が難しくなりつつありますし、フィルムの種類も激減です。
まずは、お手頃なカラーネガフィルムからスタートすることをおすすめします。

カラーネガフィルム
名前の通り、カラーで撮影できます。
ネガは茶色いのですが、印画紙に焼き付けるとカラーとなります。
カメラのキタムラなどの店舗で1時間程度で現像してもらえるので手軽で取扱が容易です。
但し、最近では店舗での在庫が少なく入手が難しい場合もあるようです。
入手しやすいフィルムはフジカラー100などで¥1000〜くらいで購入可能です。


モノクロフィルム
こちらも名前の通り、モノクロ(白黒)で撮影することが可能です。
カラーネガは茶色いネガなのに対して、モノクロネガはちょっとグレーなネガになります。
モノクロフィルムはカラーフィルムとは異なる現像液を用いるので、街中の写真屋さんでは現像できないこともあります。
私がいつも頼んでいるお店では、外注に出すので2週間ほどかかります。
しかし、現像そのものは難しくは無いので道具と現像液などを準備できれば自宅でも現像可能です。
またイルフォード社のモノクロフィルムの一部製品では、カラーネガと同じプロセスで現像できるものもあり、こちらだと街中の写真屋さんでも現像してもらえます。


リバーサルフィルム
あまり聞きなれないかもしれませんが、「ポジ」とよばれるカラーのフィルムです。
昔は、ポジを使ってスライド上映したり、それは楽しかったものです!
ネガフィルムと違って、厳密な露出制御が求められますが、決まったときにはコントラストの高い美しい色が特徴です。
現像に出すと、「スリーブ仕上げ」と「マウント仕上げ」を選べるお店もあります。
「スリーブ仕上げ」はネガフィルムと同じように各コマが連続した状態で渡されます。
一方「マウント仕上げ」は一コマづつ「マウント」と呼ばれるプラスチック製の枠に入れられています。
「マウント」に入っている状態でスライド映写機に入れてスライド上映を楽しむのに適しています。

あると便利なフィルムスキャナー
最近はフィルムも高くなっていますが、現像やプリントも結構高くなってきています。とくにモノクロは需要が減っているためか、36枚撮りを全てプリントしたら¥4000以上取られました…
そこで、活躍するのがフィルムスキャナーです。
フィルムのみを現像してもらって、スキャナーで読み取り、自宅のプリンターで気に入ったものだけ印刷しています。
フィルムスキャナーもいろいろあるのですが、私は近所のリサイクルショップで¥5000程で入手したものを使用しています。

次回に続く…


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