Masanobu Kikuchi

英国エジンバラ大学修士在学中 / 倫理的なデータの利用、AI開発と実践について記事を書…

Masanobu Kikuchi

英国エジンバラ大学修士在学中 / 倫理的なデータの利用、AI開発と実践について記事を書いていきます

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    本を読んで学んだこと、考えたことを書いていきます。

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【Viva Technology】AI関連セッションに参加して

こんにちは!エジンバラ大学大学院在学中の菊地です。 2024年5月22~25日の間、フランスのパリでテクノロジーとスタートアップに特化したヨーロッパ最大級のカンファレンスViva Technologyが開催されていました。 今年は日本がCountry of the Yearであり、日本初のスタートアップも多く参加していました。私は特にResponsible AI等に関連したセッションに参加してきたので、セッションの内容を紹介します。 Embracing Responsib

    • AIのリスクに対する技術解決主義の限界

      こんにちは!エジンバラ大学大学院在学中の菊地です。 大学院ではAIリスク・AI倫理等を中心にデジタル社会学を学んでいます。このブログでは、大学院の学びについて書いていきます。 今回はテクノロジーが社会課題を解決するという信念を持つ、技術解決主義とその問題点について考察していきます。 2023年11月17日、OpenAIのCEOであるサミュエル・アルトマン氏が、ステークホルダーへの透明性の欠如を理由に取締役会によって解任された。この出来事は、技術の急速な進歩と企業における技術

      • AI倫理の5原則

        ChatGPT等の生成AIがビジネスや日常生活で利用され、ますますAIは日常生活の中に一体化しつつある。同時に、その使用に伴うリスクも浮き彫りになっている。誤情報の拡散、バイアスの再生産と固定化、プライバシーや著作権侵害に関するリスクなどは、今現在私たちが取り組まなければならない課題である。これらの問題に対して、どのような指針で私たちは解決策を検討し、構築していくべきだろうか。その指針を示すのがAI倫理である。一方、近年は多くの研究機関や企業が独自にAI倫理を策定しており、A

        • 【イギリス留学】スコットランドで盲腸の手術&入院をした話

          はじめに大学院留学中、スコットランドで盲腸のため手術と入院を経験した。救急医療の利用方法、GP登録をしていない状況での入院と手術、医療費免除の申請、大学へのSpecial Circumstanceの申請等は他の人々にも参考になるかと思い、備忘録として残す。 急な腹痛とスコットランドでの入院2023年10月24日の夜、激しい腹痛があり、眠ることができなかった。普段は寝付きがいいので不安になり、午前3時頃に111に電話した。111は緊急時の医療アドバイスを提供する窓口。電話はす

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          エジンバラ大学へ進学する理由

          2023年9月からイギリスのエジンバラ大学院に進学することになりました。大学院ではDigital Sociologyを専攻し、AIのリスクやガバナンスについて学ぶ予定です。 このnoteでは社会人6年目でエジンバラ大学院に進学することにした理由や研究する分野の紹介をしています。 なぜ大学院進学か私はテクノロジーの社会実装に関心があり、現在はコンサルティングファームとNPOで兼業しています。 コンサルティングファームではData & Analyticsチームに所属し、企業に

          エジンバラ大学へ進学する理由

          「なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?」(松村嘉浩)

          読んだ本について、読んだ内容や考えをまとめるためにも、感想や思ったことを書いていきたいと思います。 今回は「なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?」を読んだ。 この本は、現在の日本、そして世界が直面している経済、政治問題について教授と学生の対話形式で述べている本である。内容はわかりやすくかみ砕かれていて、とても分かりやすかった。その中でも特に印象に残った4つを取り上げようと思う。 一つ目は、先進国経済はすでに成長の限界に達しており、先進国は定常型経済を目指す必

          「なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?」(松村嘉浩)