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現場からビジネスをForwardするための、基本だけど大事なこと

マネーフォワード取締役執行役員、マネーフォワードビジネスカンパニー COOの竹田です。

しばらくnoteの更新ができていなかったのですが、これから少しずつまた書いていこうと思います。

とはいえ、1年ぶりに何を書いていこうかと思い悩んでいたところ、メンバーから、「竹田さんの、"ココロ動かされたこと" について書いてください」とリクエストがありました。

そうです、私たちマネーフォワード クラウドの事業指針は「ココロ動かすクラウド」です。

少々無機質なイメージもある「クラウド」ですが、この「クラウド」によって、多くの方々がワクワクする未来を本気で実現していきたいと思い、日々、奮闘しています。

そんな「ココロ動かすクラウド」を生み出す組織のCOOとして、私自身が「ココロ動かされたこと」について、これから綴っていきたいと思います。

ということで今回のテーマは、11月2日に開催された「Forward Award 2021」で私が「ココロ動かされたこと」です。

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「Forward Award 2021」で感じたこと

「Forward Award 2021」は、ビジネスシーンでの困難や課題に挑戦し、事業や、社会を前進させた取り組みを称賛するアワードです。

テクノロジー賞・イノベーション賞・エンプロイーサクセス賞・ソーシャル賞の4つを設け、チャレンジの独自性・効果と成果・社会へのインパクト・取り組みの再現性を基準として総合的に判断し、厳正なる審査の上、それぞれ選出。11月2日には、マネーフォワードが主催するイベント「Forward Day」の中で、オンライン表彰式を開催しました。

応募いただいた各社のチャレンジはいずれも素晴らしかったのですが、Awardを受賞された企業の皆さまの取り組み、また当日お話し頂いたコメントには、私自身心打たれましたし、是非シェアしたいと思う内容でした。

受賞企業様からは、ビジネスシーンでのチャレンジをしていくにあたってのポイントをお聞きすることができました。その内容について、私なりにまとめてみました。

1. ツール導入よりも大事なのは、意識を変えること

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Awardでは、マネーフォワード クラウドをはじめとしたツールを導入することで、残業削減やペーパーレス化に成功した事例が多く紹介されました。ただ、その実現の背景には、ツールを使う方々の「意識」の変化が大切なファクターとしてあったということを改めて知りました。

一般的に、歴史ある業界であったり、業歴の長い企業であったりすると、これまでの慣行・慣例が当たり前になっていて、変化やチャレンジの必要性にさえ気づかないケースがあります。

ただ今回登壇いただいた、アナログ業務が多く残る業界の企業様からは、意識的に業務の「見える化」や「共有化」を進め、より良くするためのポイントに気づく仕組みを取り入れているというお話を伺いました。

また、「素直に受け止めてやってみる気持ちが大切」といったお話もありました。従来のやり方に固執することなく、新しくて良いものを受け入れる「素直さ」も、変化を受け入れ、柔軟に対応していくために前提となる心構えのようです。

こうした、当たり前と思っている意識を変えるための工夫や、その前提となる心構えが、大きな変革を実現するための重要なポイントだと、改めて気づかせてもらいました。

2. スモールスタートで、小さな成功から積み上げる

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忙しい現場で働く皆さまの中には、バックオフィスが提案する改善活動に対して、後ろ向きな姿勢を示す方も少なくありません。日々の対応に追われる現場はどうしても変化を敬遠しがちですから、新しいテクノロジーの導入は、一筋縄ではいかないことも多くあります。

そんなときの工夫について、受賞企業様に聞いたところ、「まずは小さなチームでの導入を図り、そこで実績を積むことで、現場に対して説得力のある説明ができるようになった。」というお話がありました。導入イメージだけでなく、具体的な数値結果や目に見える効果といった実績を示すことで、納得してもらい、全社導入に漕ぎつけたということです。

いきなり全社で一気にやり方を変えていこうというのは、ハードルが高く、担当者の方のご負担も大きくなります。そこで、「スモールスタートで、小さな成功から積み上げる」ことで、クイックに成功事例をつくり、社内の雰囲気も味方につけながら改革を推進していくことが、取り組みを進めるポイントと言えそうです。

3. なによりも、チームワーク

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今回登壇していただいた企業様のお話を聞くと、「プロジェクト化してメンバー全員で一体となって推進した」事例だったり、「状況を見える化して共有しながら活動した」事例だったり、「チームワーク」がチャレンジ成功のポイントになっていると感じました。

新しいチャレンジや、大きなハードルを乗り越える時には、様々な関係者の調整も必要であり、担当の方にとっては大きな精神的負担がかかるものです。その時に、孤独な戦いだと辛い面もあるはずなのですが、チームで一丸となって、同じゴールに向かって立ち向かっていけば、一人では解決できなかった課題を解決できるということもあるのではないでしょうか。

チーム内での情報共有や、声掛けについても、各社様さまざまな工夫をこらしてきたように見受けられましたし、何よりも、ご登壇されている方々を見て、画面越しのチームワークを感じました。

4. 社員一人一人が当事者意識を持って自分の頭で考える

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エンプロイーサクセス賞を受賞した47ホールディングス株式会社の代表取締役 阿久根様からは、経営として意識したことが「代表の言うことを無視しろ」だっというお話が飛び出しました。

経営者とそれぞれの社員は、仕事内容も体格も性別もすべてが違うわけで、経営者にとっての心地よいオフィスと、各社員が感じる働きやすいオフィスは違うだろうという前提に立たれたお話でした。だからこそ、社員一人ひとりが当事者意識をもって考え、自分の席、自分の仕事環境を勝ち取ってほしいんだと。

「代表の言うことを無視しろ」というのはパワーワードでした。私も社長の辻の言うことは無視することにしようと思いました、、、というのは冗談です(笑)

自分で考えて作っていく環境で働くからこそ、ワクワクした仕事にしていけるというのは、本当にそうですよね。一人ひとりの当事者意識が、日本全体の働き方を一歩前に進める原動力になっていくのだろうと思います。

※この話をしてくださった、「47ホールディングス」さんでは、Awardレポートをnoteで公開してくださっています。是非こちらもご覧ください。

5. ハードとソフト、両面からアプローチする

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47ホールディングス様からは、オフィスの空間づくりというハード面だけでなく、運用ルールのソフト面の両面での施策を実施したことにより、成果が出たというお話も伺いました。

それまでも何度も、レイアウト変更をしたことはあったそうなのですが、今回は物理的な変化に加えて、「二日連続で同じ席に座らない」というソフト面でのルール変更を実施されたそうです。

その結果、部署間や上司部下でのコミュニケーションが活発になり、さらに、グループ間の連携強化につながったということです。

コロナ禍でリモートワークが推奨されたことにより、オフィスに出社した際はこれまでの固定席ではなく、フリーアドレスに変更された会社さんも多かったのではないかと思います。

オフィス席一つをとっても、今までのルールを変えようとしたとき、抵抗感があったり面倒だといった意見が出ることもありますが、こういった成功事例があると、励みになりますよね。

どうしても、内装工事とかツール導入だとか、はじめはハード面での刷新に目が行きがちですが、そのハード刷新の成功のためには、必ずソフト面での丁寧な対応も必要ということですね。

「Forward Award 2021」まとめ

各企業様のチャレンジのストーリーは、応募企業様のものも含め、すべて目を通させていただきましたが、どれも本当に素晴らしかったです。

各チャレンジのストーリーは事前にドキュメントで拝見していましたが、さらにオンライン表彰式で、実際に取り組みを進められた皆さまの声を聞くと、なおさらグッとココロ動くものがありました。

これまでにまとめた5つのポイントを文字だけで見ると、「なんだそんな言い古されたことか」と思う方もいらっしゃると思います。ただ、その基本のポイントこそ、なかなか実現できない組織が多いことも事実です。

いま、DX推進が声高に叫ばれていますが、大事なのはデジタルツールの導入部分ではなく、その前の業務の棚卸しであるということは、マネーフォワード クラウドを導入検討してくださっている中小企業の皆さまの状況を見ても、日々感じています。

トップダウンの取り組みではなく、ボトムアップ式で変革を行っていく場合には特に、意識変革やチームワーク、各社員の当事者意識といった点で、結果に差が出てくるのではないでしょうか。

またAwardでは、地域や社会に対してポジティブな影響を与え世の中を前に進めた取り組みに贈られる、ソーシャル賞受賞企業のご担当者にも登壇いただきました。

そのお話からは、「発想をひろげること」の重要さも痛感しました。日々、目の前の仕事に追われていると、考えが小さくまとまりがちですが、企業、地域、社会に対してどんなことが貢献できるのか、そういう意識をもって、みなが過ごしていけたら、世の中をさらにフォワードしていけるのではと思います。

受賞企業の皆さまは、自社の改革だけでなく、同業他社、そして業界、さらに世の中に対して、ノウハウの共有や、もっとよくしていくための工夫を発信していて、さらなるチャレンジをみんなでしていこうとする姿勢を感じました。

是非、わたしたちも一緒に、世の中を一歩前に進めていきたいと思っております。

Work illustrations by Storyset

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