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約100年後のビットコインについて

この記事は、大塚雄介さんの「最新 いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン」を読んでのアウトプットになります。

大塚さんはコインチェック株式会社執行役員の方で、章の構成がわかりやすく初心者にピッタリかなと思いました。(補足:コインチェック=暗号資産取引サービス事業を行なっている会社になります)

内容の一部に、2141年にビットコインがどうなっているのか触れていた箇所があり、個人的に面白かったのでご紹介したいと思います。この、約100年後の状態を理解するために、ビットコイン自体も理解する必要があるため、合わせてご説明させていただこうと思います。

★そもそもビットコインとは?

「仮想通貨である」ということは世の中に浸透してきているとは思いますが、説明しろと言われるとなかなか難しいと思います。

一言で言ってしまえば「仮想通貨」で終わりなのですが、ご紹介する本では、それだけでなく6つの側面があるとしているので、今回はその中から特に伝えたい3つ抜粋し説明したいと思います。

①分散型通貨

ネットワークに参加している人々が主となって、24時間365日無休で運営しています。誰かが一元で管理することがないので、非常にクリアで民主的な通貨であるとも考えられます。(→管理にはピアーツーピアー方式を採用。後ほど詳しく説明します。)

②暗号通貨

お金に署名が入れられる、と考えることができます。(=現金では、『このお札は自分のものです』という証明ができないが、ビットコインではそれができる)ここには「電子署名」という暗号技術が活用されています。取引のデータは全て「ブロックチェーン」に記録されているので、後からお金の経緯を辿ることもできます。(いつ、誰の手に渡ってその後誰に渡されたのか、等)こうした仕組みから、マネーロンダリングのような悪用もされづらいとされています。

※マネーロンダリング→犯罪によって得られた資金を、出所を分からなくするために架空・他人名義の金融機関口座を利用し転々と送金を繰り返したりすること。

※ブロックチェーンとは…ここでは、誰から誰に取引されたのか、という台帳記録を複数名が保有していて、その台帳を更新するためのパスワードは複数人の承認がないと得られない。(①参照)

③暗号資産

ビットコインを購入されている方の目的は「投資」であることが多いです。残念ながら、今はまだ日常的な支払いには使えない状況なので、懐に入れてあたためている方が多いでしょう。

基本的な知識としては以上ですが、100年後のビットコインの姿を知るためにもう少し掘り下げでいきましょう。

★取引はいつ成立するの?

ネットワークで取引作業を行うことになります。取引ボタンを押したら取引成立、というようにシンプルではありません。

これは、ブロックチェーンであるが故のデメリットで取引成立には時間を要します。

①でお話ししたように、ビットコインの取引は「お互いが承認」して初めて成立します。

なので、取引手続きを終えた時点では「未承認」であり、この積み上がった取引は、まとめて10分に一度承認することになっています。

そして新しく承認されたそのブロックは、既存のブロックたちのうしろにガッチャンコされます。これは、取引数が多ければ多いほど承認待ちの列に並ばなければならないことを意味します。(2021年11月時点のブロックはなんと71万個です。数百〜数千個の取引が1ブロックに含まれるとされています。×71万回承認作業を繰り返し繋がれてきたわけですね)

この「承認」作業は、誰が行なっているのか?

→①で説明したよう、不特定多数のネットワークに参加している世界中の人々になります。

じゃあその複数人の人々がどうやって承認を行うのか?

→承認を行うには、鍵が必要です。しかも、複数人で管理しているので、鍵の一部がそれぞれにちらばっていて、合わせたら一つの鍵になる。というような認識でまぁOKだと思います。(実際には鍵は一つですが、承認を得られないとその鍵は意味を成さないので単独では不完全と言えます)

そして、鍵は初めから手元にあるわけではありません。「マイニング」という作業を通して鍵の姿を明らかにしていきます。

では、マイニングとは何か?

マイニングは「鍵を探す作業(採掘)」になります。

どういうことかというと、まずはハッシュについて説明します。

個々の取引は、「ハッシュ関数」と呼ばれるものによって、64桁の規則性のない文字列(ハッシュ値)に置き換えられます。

そして、個々のブロックも64桁のハッシュ値に置き換えることができるのですが、これが曲者です。

最初の19程度の文字が全て「0」でなければいけないというルールがついて回ります。

関数にかける前の公式としては「a.直前のブロックのハッシュ値+b.今回のブロックに含まれる全取引分のデータ+c.任意の文字列」です。これを関数にかけると、64桁の文字列になり、その最初の19程度の文字が全て「0」でなければいけない、ということになります。

a.b.は事前にわかるものです。探りあてなけれなならないのは、最後のc.任意の文字列です。これが、超ーーーー難易度が高くて、専用のマシンが無いとできないレベルなんです。

ハッシュ値は不規則ですから、たまたま生成されたハッシュ値が偶然そんな数時になるなんてものすごい数のトライアンドエラーを試さないと無理なんです。緻密な計算が必要とかじゃなくて、ただただ体当たりの数を当たるまで積んでいくイメージですね。

これを、「プルーフオブワーク」と呼びます。

当然、こんなアホみたいな作業1人でやるわけではなく、世界中の「マイニング業者」がこぞってよーいドン!で始めます。

一番最初に見つけた人は、「これで合ってるよね!?」って具合に、他のマイニング業者にその鍵が合っているかどうか確かめます。

で、数人が「この鍵は正しい」と認めて初めて「承認」がなされるんです。それが終えられた後、晴れて最後尾にガッチャンコです。

また、レース形式ですから、1位になった業者には報酬があります。それも結構おな額で、日本円にして約3125万円。これが10分ごとに開催されてるとかすごい世界ですよね。報酬だけで1日ウン百億動いてる計算になるのでエグいです!

しかもこれ、時間が経つにつれて難易度が上がっていきます。今は「0」が19個並んでいるのを見つければいですが、これが20個になってしまうというのを想像してもらえればわかると思います。

★ビットコインは有限である

前提に、ビットコインに価値が生じているのは有限だからです。バーチャル通貨なので、その気になれば無限に発行してますよね。あえてそうしているのは価値を保つため、ゴールドと同じですね。なんでもそうですが、希少性に価値が反映されます。(日本が国債をめちゃくちゃ背負ってても、日銀がじゃあ国債解消のために大量発行しますね〜とならないのを想像してもらうと分かりやすいと思います)

本題ですが、この有限であることとマイニングを掛け合わせると、ビットコインの採掘にいつか終わりが来ることが予想できますね。

2021年9月の時点で、ビットコインの上限が2100枚であるのに対して、すでに1880枚採掘済みであることがわかっています。およそ89.5%が採掘済みということになりますね。

単純計算でいけば終わりはもうすぐそこまで来ているのかな?という気がしますがビットコインには「半減期」が存在します。そのメカニズムを説明します。

★ビットコインにおける「半減期」とは?

間隔でいくと4年に1回半減期が訪れます。これは、先ほどお話ししたマイニングの報酬に対してです。半減というと随分な割安に聞こえてしまいますが、ここで減るのは配当される「ビットコインの数」です。

半減期にはビットコインの価値が爆あがりして、それが半減を補えるレベルだということになります。純粋に考えると2倍以上価値が上がっている、ということになりますね。(マイニングの報酬価値が2分の1になるわけではない!)

これまで3回半減期を重ねてきましたが、いづれも上記の現象が起きています。そうすると、残り100年はまだ採掘がされているだろうという試算になるようですね。

★なぜ半減期があるのか?

半導体の集積度は1年半〜2年ごとに倍増する、と言われています。

この集積度というのは半導体の生産数ではありません。回路一個当たりに組み込まれた素子の数を指します。要は計算能力が2倍に跳ね上がるよって話です。能力が2倍になれば、マイニングの価値は相対的に2分の1になりますよね。この法則に則った設定のようです。

★なんでビットコインの価値が半減期を凌ぐくらい爆上がりするってわかるの?

これに関しては、大塚さんも不明とのことです笑 ただ、予測の話はしてくださってます。マイニングの難易度はちょうど10分程度で採掘できるよう微調整が繰り返されています。そのいちばん大きな調整が、もしかしたらこの半減期なのかもしれないです、とのこと。。

★まとめ

そんなこんなで、半減期が繰り返されることによりすでに上限に近いビットコインは、あと100年程度は発掘され続けるよ〜ってこと!

ちなみに、発掘され切った後の未来は、供給量が増えないというだけで希少価値は継続します。ただ、マイナーが得られる報酬に影響が出ますので、このまま100年間放置というのは考えづらいのかなぁと。(記録される取引の数が減ってしまうと思うので…)

希少性の価値を維持しつつ、取引の記録も健康的に行えるようなシステムを作ろうと動き出す人々が出てくることを予想し、本日の説明は以上とさせていただきます!


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