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「政府系ファンド」って何??

つい最近、プリンスホテル30施設がシンガポールの政府系ファンドが買い取ったことが話題になりました。

ファンド系の知識が全くないわたしは「政府系ファンド」とは何ぞや…?となったのでまとめてみました。

〜そもそもの話〜

◆投資ファンドとは
…複数の投資家から集めた資金を用いて投資を行いそのリターンを分配する仕組みをいう。(単に「ファンド」とも言う)大きく分類は以下2つ。

①会社型投信
…投資法人を設立し、法人が発行する投資口座を投資家が購入するもの。
REIT(不動産投資信託)などが該当する。
※REIT…投資者から集めた資金で不動産への投資を行い、そこから得られる賃貸料収入・不動産の売買益を原資として投資者に配当すること

②契約型投信
…運用会社⇄信託銀行間で信託契約を結ぶことにより組成され、運用される(こちらの方がファンドの数として大きな割合を占める)

そして上記には該当しない投資ファンドが、今回触れる政府系ファンドとなる。

では、本題。

◆政府系ファンドとは
…SWF(Sovereign Wealth Fund)とも言われる。
※Sovereign=国王、統治者、君主、主権

【目的】国家資産を財源として、主に以下の目的で運用されます。

・将来の世代に向けた資金の蓄え

・財政赤字の補てん

・対外債務の支払い


そして、原資となる公的資金は、主に以下2つ。


1ー石油などの国有天然資源から得られる利益
2ー中央銀行の外貨準備高を原資としたものに大別される。
※外貨準備高=中央銀行or中央政府等の金融当局が外貨を保有するその量

⏩上記の理由から、中東産油国・中国の政府系ファンドは特に勢いがある。


<補足>
欧米諸国では、政府系ファンドが企業の大株主になることもちらほらある→→「段々と国自体が自国外の海外政府に支配されていってしまうのでは…?」という懸念もあるよ〜

🌟こんな場合に、外貨準備高が増えるよ!🌟
<貿易収支>
・輸出>輸入の状態→「貿易黒字」と呼ぶ
・貿易黒字になると、それだけ海外に売り出したものが外貨で買われるわけだから、それを自国の貨幣に変換するたに外貨を売ります
・そして、自国の貨幣を買う!
・買うってことは需要が増えるってことなので、自国貨幣を高くすることに繋がる

<補足>
貿易黒字が増えると、自国のGDPが上がる貿易赤字が増えると、GDPは下がる仕組みになっているよ!

🌟シンガポールの政府系ファンドってどんなことしてるの??🌟

・日本との関わりとしては有名どころだと、2008年にはウェスティンホテルを買収しています。

・運用資産はなんと3,300億ドル!!これは世界で3位に匹敵すると言われている。

・シンガポールといえば、加工貿易に特化している。(原油を輸入し、石油製品に加工して輸出している)が、それだけではここまでの公的資金を集められないだろう。

・不動産投資と工業団地などの開発投資が成功していることによる報酬が大きいためか…?または外貨準備高以外の資金流入元があるのか…??


<気づいたこと>
・海外に支店を持つ場合は、外貨変換が不要になるから日本の国内DGPに含まれないのかな?(note「雇用ほ保険料の増額について」より)

・ちなみに…純粋な外貨準備高の世界TOP3は以下。(2020年時点)

1位 中国 3,357,240,875,433.70ドル

2位 日本 1,390,808,939,303.40ドル

3位 スイス 1,083,404,341,999.90ドル

なんと日本は2位!国債地獄だけどこれだけ外貨準備高があれば総資産的には余裕があるのかな?と思ってしまうね〜(そして日本にも「官民ファンド」という政府系ファンドがあります!)

そして中国の数字がぶっちぎりすぎて笑ってしまう。

これは一人当たりの算出じゃないから労働人口多いのも多少なり影響してそうだね。

👆🏻ちなみに、中国の人口(約14億人)に近しい発展途上国のインド(約13億人)も6位にランクイン。

脱線しましたが、まとめると

★政府系ファンドはもしもの時などのために、自国の資金を増やすために活動している

★石油原産国や、輸入が多く貿易黒字の国は資金源を手に入れやすい

★運用資金が巨額なため、他国の政府系ファンドが企業をいくつも買収するようなことが起きると、事実上他国政府に支配されてしまうようなリスクも孕んでいる

そして思ったことは、日本も外貨準備高を活かしてもっと投資すればいいのになぁとか。。。

国民性の問題なんでしょうか??

長くなりましたがこのあたりで…!

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