認知症と歩行速度

抜本的な治療法がないと言われている認知症は2025年までに1億3000万人に増加する予測があります。しかしそんな認知症に2015年フィンランド カロリンスカ 研究所から朗報が届きました。なんと『認知症は認知症予備軍MCIの段階であれば症状を食い止め改善できる』と言うのです。世界に衝撃を与えました。今までは認知症はなってしまったらお終い と言った考えが多く広まっていたのですが この研究によって早期発見であれば改善や予防が可能である事が明らかになりました。

研究では食事や脳トレなど日常生活への介入のほか1〜3/週の筋トレや2〜5/週 の歩きを中心としたトレーニングが話題となり 歩くことは足腰の老化予防だけではなく脳機能とも深く関わっている事が明らかになりました。従来専門家は認知機能と運動機能は関係ないと考えていた様ですがアルツハイマー協会の研究発表に歩き方足取りが認知機能と関連している事が発表され 今では当たり前に認知されています。

認知症と歩行速度の関係

認知症やMCIの人はよく見ると多少ふらつき歩行速度も正常な人見比べやや遅くなっている様に見えます。実際に圧力センサーなどで測定すると歩行バランスが低下している事がよくわかります。2014年ニューヨーク、アルバート アンシュタイン医科大学のジョー バギース教授は世界17カ国2万7千人の歩行データーを集め認知症になるリスクが高い歩行速度の目安が秒速80センチであることを発表しました。通常 横断歩道のゼブラゾーンは秒速1メートルで十分渡れる様に設定されていますから渡りきれなくなったり 駅までの歩行に思ったより時間がかかる様になってきたら黄色信号の可能性があるのかもしれません。しかしながら このレベルであれば歩行などを中心とした運動は認知機能を改善させる事が明らかになったのです。

そもそもなぜ歩行速度が落ちるのか?

ここららは小生の 私見です。

高齢者の歩行を見ている蹴る動作が歩行の中で見る事ができていないのです。つまりみなさんがおっしゃるペタペタ歩いて感じなのです。この様な足の動きを見ていると足裏指の付け根にある関節が動いておらず結果蹴れていない 足跡がまばらになると言った事が起こっています。また親指や足指の付け根付近には姿勢制御やカラダのバランスを司る『メカノレセプター』と言う感覚を拾い上げる センサーが備わっています。 詳しくはこちら

『メカノレセプター』は本当に大切

介護士や理学療法士に話を聞いても認知症患者のみならず高齢者の歩行では蹴ると言った動作はスムーズに行かないことは当たり前の様です。事実小生も高齢者リハビリ施設に3ヶ月ほどお邪魔して拝見させていただいたのですが ほとんどの高齢者は足指付け根の関節は固まって動かなくなっていました。この状態では蹴ることは当然できませんから歩行スピードが落ちることは当然で足指の裏についている メカノレセプターも活性しないので情報が拾えずアンバランスになり当然歩行速度は減速される事が想像できました。

歩行練習で改善が見られると言うことは?

脳に問題があるから歩行が遅くなるのか? 

足が衰え足指付近の関節が固まって蹴れなくなり メカノレセプター活性化しないため姿勢制御ができず歩行スピードが減速するのか?

定かではありませんが 

歩行によって改善が見られるのであれば 歩行以前に足指の固さを改善し蹴れる動作からメカノレセプター活性化する事が得策と小生は考えます。

ちょっとした躓きでも倒れる様に、高齢者の足は本当に感覚が気薄になっており本人は動かしているつもりでも動いていない事がたくさん起こります。

昨今増加している 認知症が疑われる高齢者の暴走とペダル踏み間違はかなり深く関わる問題ではと小生は感じております。

次回は高齢者の足感覚衰えと自動車ペダルの関係についてお話ししたいと思います。






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