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ビットコインETFはビットコインを破壊する論について考える


2024年1月、米証券取引委員会(SEC)によってビットコインETFが承認されました。

時を同じくして、暗号通貨取引所FTXの破綻から始まった暗号通貨冬の時代も終わりを迎えつつあり、2024年中にもビットコインはこれまでの最高価格を超えていきそうです。

今回のビットコインETF承認は、暗号通貨業界にとって大きな一歩と言えます。

しかし、このビットコインETF化に警鐘を鳴らす専門家もいます。

例えばアーサーヘイズ氏は

現物ビットコインETFの成功は「BTCの破壊につながる」

と発言しています。

この発言は

ビットコインがETF化によって資金拘束されて流動性を失ったら、ビットコインの仕組上、ビットコインは崩壊する

ということを言いたいのでしょう。

今回のビットコインETF承認によってビットコインに興味を持った人は、こういったネガティブな発言を聞くと不安になってしまうかもしれません。

しかし、このことは以前より一部の暗号通貨評論家から懸念されていることです。

なので

「ビットコインは欲しいけど、ビットコインのサービスが停止して所持しているBTCが無価値になるかもしれない」

という不安からビットコインの所有に踏み切れない人もいるのではないでしょうか。

私は

暗号通貨の将来における成功を確信しています

が、未だに多くの人は懐疑的です。

その原因は

暗号通貨の本質が理解できていない

ことにあると私は思います。

今回ビットコインETFが誕生したことで、暗号通貨の本質を理解しようとする人はさらに減るでしょう。

なぜなら、ビットコインは一般の人には金融商品としてしか見られなくなっていく可能性が高いからです。

しかし、ビットコインETFを所持するのであれば、ビットコインの基本的な知識は理解しておくべきです。

でなければ

不足の事態に備えることができない

からです。

なのでこの記事では

  • ビットコインETFを所持する人が、ビットコインについて知っておくべき最低限のこと

  • 一部の専門家が、ビットコインETFがBTCを破壊すると考えている理由

について解説します。

ビットコインと報酬


まずはビットコインの仕組みと報酬について簡単に説明します。

ビットコインは

非中央主権型のサービス

として動いています。

そのため、一般的な銀行のような管理者が存在しません

とはいえ、誰かが働かないとサービスの維持はできないので、ビットコインの運用に関わった人々にインセンティブを与える仕組みを取ることで、ビットコインはサービスを継続できるようになっています。

多くの人にとってビットコインを買う目的は

購入価格より高い値段で売却してキャピタルゲインを得ること

のはずです。

この記事を読んでいる読者のほとんどもそうではないでしょうか。

しかし、ビットコインがサービスを継続するためには

マイニング

という作業をする人達が必要になります。

彼らは一般的にマイナーと呼ばれています。

マイナーはビットコインのキャプタルゲインではなく、マイニングによる報酬を目的としてビットコインのサービス運用に関わっています。

マイナーが行うマイニングには

  • Solo Mining

  • Pool Mining

の二種類があり、彼らはブロック報酬と取引手数料を受け取るために、ビットコインが動き続けられるよう作業を続けています。

このように

ビットコインは利用者と運営者が絶妙なバランスを維持することで成り立っている分散型サービスです。

ビットコインETF否定派の意見


上記のビットコインの仕組みを理解した上で、ビットコインETF否定派の
意見を見てみましょう。

アーサーヘイズ氏は

ビットコインは2140年以降ブロック報酬がなくなるように設計されているため、それ以降マイナーはトランザクション手数料から収入を得ることになる。

これはつまり、ビットコインが動かず、トランザクションの手数料が発生しなくなれば、マイナー報酬がなくなるということであり、そうなるとマイナーらはマイニングマシンの稼働をやめ、ネットワークが停止し、ビットコインが消滅する。

https://www.neweconomy.jp/posts/361581

と発言しています。

みなさんはこのアーサーヘイズ氏意見をどう思いますか?

私は

100%ないとは言い切れないが、99%ありえない仮定の話である。なにより、2024年の世界を生きている我々には全く意味のない話。

と思います。

確かにビットコインのマイニングによるブロック報酬は、2009年の誕生以来、2012年、2016年、2020年の3回半減しており、これは発行上限の2100万ビットコインに達するまで定期的に半減し続けていきます。

今年2024年も半減期の年です。

発行上限を迎えた後は、ブロック報酬はなくなり、ビットコインが新たにマイニングされることはなくなります。

これにより、ビットコインは既定以上流通されなくなるので、インフレから開放されることになります。

つまり、日本円やアメリカドルのように通貨を刷りまくって価値が目減りすることがなくなるということです。

そして、この発行上限に到達するのが2140年になります。

アーサーヘイズ氏が主張する、2140年以降ブロック報酬がなくなることが、2024年を生きる我々に関係があるとは思えません。

「これから生まれる子供や、さらに子供の孫の老後のためにビットコインを買っておこう」

という人であれば、多少はブロック報酬がなくなる2140年以降の世界を考えても良いかもしれませんが、99%の人は考えるだけ無駄です。

そもそも120年後に、世界が今と同じような仕組みで続いているとも思えません。

また、仮に世界の仕組みが同じだったとしても、2140年以降のビットコインは2100万枚から増えることがないということは、金のような希少性を持つことになります。

なので、

ビットコインの価値は上がり、それに比例して増加する取引手数料によってマイナーの報酬は補われることになります。

現状で金が取引されているのを見れば、ビットコインも取引されるであろうことは自明です。

つまり

ビットコインに価値がある限り、安価な電力を利用するマイナーが常に存在し、誰かがマイニングを行うことになる

はずです。

なので、

このような悲観論者の意見は気にする必要がない

というのが私の見解です。

まとめ


今回は

ビットコインETFはビットコインを破壊する

というテーマについて考えました。

まとめると

  • ビットコイン破滅論を気にする必要はない。

  • ビットコインが欲しい人は普通に買えばよい

ということになります。

個人的にビットコインの最大の問題点は

消費電力の大きさ

にあると思っています。

Powを採用しているビットコインのマイニングは、年間約106テラワットの電力を消費します。

これはオランダの1年の電力量に匹敵します。

SDGsが標榜されているこの世界で、いつまでもこのような運用が許されるとは思えません。

イーサリアムがPowから消費電力の少ないPosに移行したように、ビットコインもいずれ消費電力の少ない運用方法へ変更する必要があるでしょう。

イーサリアムがPowからPosに移行する時にも、マイナーの報酬が減ると懸念されました。

しかし、イーサリアムは今も変わらずサービスを継続しています。

それどころか、イーサリアムETFが期待されているほどに急成長しています。

このことからも

マイナーのブロック報酬がなくなることによってサービスが停止するという仮説は現実的でないことが明らかです。

なので、ビットコインETFを欲しい人は安心して購入していいと思います。

ただし、ビットコインは株式と比べると値動きが激しいので、心理的な負担を抱える覚悟が必要です。

そこに気をつけて楽しい暗号通貨ライフを送ってください。

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