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なぜ陰謀論が支持されるのか②

前回の記事で陰謀論にハマる流れを書いたのが以下の通りである。

①自分ではどうしようもできない謎なルールに縛られている
②大きな事件事故が起こり陰謀論の記事を目にする
③陰謀論記事ばかりを見るようになる
④自分たちだけが真実を知っていると錯覚してしまう

マッサージをしてくれた方はコロナ給付金のルールに疑問を感じていた。温泉施設内のマッサージということもあり、コロナの影響をかなり受けたようで最初の頃は給付金をもらっていた。しかし、給付金だけではもともとの稼ぎの額には達しないので、他のところでもマッサージ師として働くことを選ぶ。すると売上減少率の要件を満たすことができず、給付金はもらえなくなってしまった。働かなかったらもらえる給付金が自分でも頑張ろうと働いたらもらえなくなった。これは分かりやすい①の謎なルールである。

当然、こんな謎ルールに直面したら、なにかがおかしい、この社会はどうかしてると思うのが当たり前であろう。僕が同じ立場でも同じ行動を取るし、同じ疑問を抱くだろう。

そんなこんなで、もやもやした気持ちを抱きながら毎日を過ごすことになる。タチが悪いのは、この謎ルールが仕事とお金という生きていく上で切ろうとしても切れないことに関係していることだ。

するとある日、大きな事件が起きる。この方の場合は、京王線刺傷事件だったようだ。ジョーカーに仮装した男が乗客を切りつけ、放火した事件だ。

マッサージ師の方はこの事件の不審点について詳しく語ってくれた。おそらく、鬱々としたタイミングで起きた目をひく事件だったため、たくさん記事を目にしたり自分で調べたりしたのだろう。これが②の段階である。

こうなると、ネット上には陰謀論の記事がわんさかあるので、そのような記事をたくさん見ることになる。陰謀論がメインのブロガーやYouTuberを見ていたら、おすすめに出てくるのも陰謀論の話題なので、自然と陰謀論ばかり見てしまうだろう。これが③の段階である。

そのような記事や投稿を見ていくうちに、より詳しいものに行き着いたりして、どんどんのめり込んでしまう。
そして、この世の中はすべて陰謀だと思ってしまう。

①に出てきた訳の分からないルールのもと生きているのもすべて、裏でなにかが起きていると考えてしまう。このおかしい世の中で、みんなが気づいていない本当のこと(=陰謀)があるのだと。それに気づいているのは私たちだけなのだと。そう思ってしまう。
これが④の状態だ。

④の状態は優越感に浸れるから気持ちがいい。学歴や給料といったところでは勝てなくても、自分は真実を知っているという気持ちは、かなり強い自己肯定感を生む。

これは、人間がもつ知的欲求とも関係してくるが、この話題も長くなるので割愛して、いつか別記事にする。

そしてまた、SNS特有のエコーチェンバー現象とも関係する。

大雑把だが、以上が陰謀論にハマる流れだ。

僕から言いたいのは世の中のすべての出来事に明確な原因や理由があるとは限らないということだ。

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