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【19/20プレミアリーグ第4節】サウサンプトンVSマンチェスター・ユナイテッド マッチレビュー

こんにちはMasaユナイテッドです。第4節は、吉田 麻也選手有する昨シーズン16位のサウサンプトンとアウェーで対戦です。私事で恐縮ですが、先日、サッカー戦術分析ブログなどを運営しておられるpolestar(ポールスター)さんの欧州リーグブロガーリストに当noteも載せて頂きました!!!嬉しすぎて嬉しすぎて!!polestarさんのサイトを見て、私も戦術ブログをやろうと決意したんです(実は!)載せていただいたからにはもっともっと深く分析できるように頑張ります!セインツ戦どんな戦いになったのか?ではいってみましょう!

前節のレビューはこちら

👿フォーメーション 

ユナイテッドはいつもの4-2-3-1。前節負傷したショーとマルシャルに変わり、ヤングが左SBに入り、FWにラッシュフォード。両WGにはペレイラとジェームズ。トップ下にはマタを起用。なおユナイテッドは新たに、サンチェス(インテル)、スモーリング(ローマ)、ダルミアン(パルマ)を放出している。一方のサウサンプトン(セインツ)。3バックを使うことも多いが、今日は4-2-2-2システムで臨む。ミッドウィークにリーグカップ2回戦をフルアムと戦い勝利しているが、その試合でジェネポとレドモンドが負傷。今日の試合には、イングスとアダムスの2トップブファルを初スタメンで起用してきた。

【Substitutes】
セインツ:マッカーシー  吉田  スティーヴンス  ヴァレリー  ヌルンドゥル  アームストロング  ロング
ユナイテッド:ロメロ  トゥアンゼベ  ロホ  マティッチ  チョン  リンガード  グリーンウッド

👿前半~セインツのゲーゲンプレス~

キックオフから前線の選手全員を左サイドに集めスタートしたサウサンプトン。ロングキックをその左サイドに蹴り飛ばし、「今日も空中戦はココですよ!」とリンデロフに宣戦布告。パレス戦のお陰で、今シーズンは全国的にリンデロフが狙われることになりそうだ。また、セインツは監督ハーゼンヒュットルの代名詞であるゲーゲンプレスを敢行。ユナイテッド陣内でのボール回しを自由にさせなかった。

ユナイテッドのゴールキックのリスタートに対しては両CFがペナルティアークの両端に立って構え、ロングキックを蹴るか、繋ぐかの選択を迫る。今シーズンのユナイテッドはあくまで繋いでいく方針だか、デヘアはかなりの確率でロングボールを選択する事になった。

セインツのゲーゲンプレスについて見てみる。第2ラインであるウォード=プラウズとブファルは大外ではなく1レーン内側に立ち、ユナイテッドのボランチかSBのボールの出た方へ猛然とプレス。例えば、ワン=ビサカにボールが出た場合ブファルがプレスし、CFのイングスは1列戻ってポグバをケア。ワン=ビサカがペレイラに出せば、SBのダンソと隣のホイビュアが囲んで奪う。このような非常に整備されたプレッシングで開始早々主導権を掴んだのはセインツの方だった。

セインツのコントロールタワーは、ホイビュアだが、この試合を通じて、豊富な運動量を活かしてピッチのあちこちに顔を出して、味方のプレスを援護し、自身もインターセプトでボールリカバリーに貢献したが、前半は特にボランチにロメウ1枚を残して1列前に上がり、ポグバを封じる為に奮闘した。ちなみに、ホイビュアが1列上がっている時は、前からゲーゲンプレスを行い、上がっていない時はプレスは掛けずにリトリートしており、プレス戦術のスイッチャー的役割を担っていた。戦術が先で、それに応じてホイビュアが動いているだけかもしれないが、いずれにせよ彼のポジションがキーになっていたと言える。

一方のユナイテッドはプレスに苦しみ、中々前進できていなかったが、このホイビュアの列移動により、ユナイテッドの左サイドのヤングかマクトミネイのどちらかは、基準点を持たない状況になっていた。そこに気づいていたか気づいてなかったはさて置き、そのマクトミネイが思い切って右サイドまで出てから中央に斜めのランニングをしてジェームズに繋ぎフィニッシュ先制に成功する!

ユナイテッドはラッシュフォードとジェームズがカウンター要員で前に残り、マタはロメウを見つつ自由にスペースに顔を出すが、攻撃時にはラッシュフォードとジェームズの近くでプレーした。セインツの前プレ時には、マタの所に結構スペースがあった筈だか、プレスの質が高かった為に中々そこまでボールを運べなかった。あとセインツは、ユナイテッドのカウンターを警戒して、前プレ時でもバックラインをそこまで上げてこなかったので、中盤は間延びしている筈だが、そこは中盤の豊富な運動量でカバーするプランだったと思う。

早々に失点してしまったセインツは、前線からのプレスを止め、自陣に引いて4-4-2のブロックで守りながらロングカウンターを狙う作戦に変更。中盤で落ち着いてボールを持てるようになったユナイテッドは、ポグバのキープ力と展開力を活かしながら、両SBも高く上がれるようになり、ワン=ビサカやジェームズ、ラッシュフォードなどが惜しいシーンを何度か作っていた。

25分過ぎからセインツはロングボールを前線へ当てて、そのセカンドボールを拾い陣地を回復するやり方へ。単純な戦術だが、パレス戦の失点が脳裏をよぎるユナイテッドはズルズルとラインを後退。セインツはセカンドボールが拾えなくても、拾ったユナイテッドの選手に猛然とプレスを掛け、前半終了間際にはバタバタとポグバがロストを繰り返し、かなり押し込まれた。何とか耐えて0対1で前半終了

【前半スタッツ 左セインツ/右ユナイテッド】(SofaScore参考)

👿後半~最終的には気持ちで~

ホームでこのまま終われないセインツは、ホイビュアはボランチの列のまま上がらず両SBのダンソとセドリックに高い位置を取らせたいように見えた。恐らくはオーバーラップからクロスを入れ、中のデュエル戦からのこぼれを拾って押し込もうという作戦だっただろう。その為、ホイビュアとロメウは残って、両SBが上がった裏のスペースをケアしていた。ユナイテッドはセインツがボールを持つ時間には、ポグバからの長いロングボールを使ったロングカウンターを狙う。

54分にはユナイテッドのビルドアップの場面で、リンデロフのパスミスからゴール前まで運ばれ、アダムスに決定的なシュートを打たれる。シュートが精度を欠いたので助かったが、今日のリンデロフはミスが散見され、先週のパレス戦を引きずっているのか集中出来ていなかったように感じる。

そして58分には、セインツのCKから一度はデ・ヘアが止まるも、ヴェスターゴーア(強そう)にヘディングされ同点にされてしまう。最終的に競り合ったのはリンデロフだが、身長差(199cmと187cm)を考えれば仕方ないところ。しかもリンデロフからはボールとヴェスターゴーアを同一視野に入れられなかった。見えていたのはラッシュフォードとポグバ。

同点に追いついたセインツは、アダムスに変えてロングを投入して前線の選手を入れ替え。ロングは派手さは無いが、前線での体を張った粘り強い守備と、一瞬の隙を突くシュートも上手く、対戦相手からしたらとても厄介な選手。そしてセインツはホイビュアを1列上げて4-1-3-2へシステム変更。という事は?そう、ゲーゲンプレス開始である。前へ出ようとするユナイテッドの逆手を取る作戦に出る。

それでもポグバの個人技から、バイタルで前を向きラッシュフォードへスルーパス。裏へ抜けたラッシュフォードがシュートを放つがヴェスターゴーアにブロックされ決められない。ここ最近の全く入る気のしないラッシュフォードのシュートに筆者の怒りが爆発したシーンだ(笑)。

66分には、リンガードとマティッチを入れ、ポグバをトップ下に上げたユナイテッド。ポグバを中心にした崩しを試みる。マクトミネイが右のボランチに変わるが、72分にはその右サイドのスペースへ出たマクトミネイを止めようと足を出したダンソがファールを犯し、2枚目のイエローカードで退場になる。解説でもあったように、リンガードのレーン移動について行ったダンソが開けた大外のスペースを、マクトミネイが見逃さなかったシーンだ。

1人少なくなったセインツは4-4-1に変えて引き篭もり何とか勝ち点1を狙う。73〜74分のジェームズの連続攻撃を皮切りに、ここからはユナイテッドの怒涛の攻撃になるが戦術的には書くことがない。あとはもう気持ちだ(笑)。

戦術的交代
71分 セインツ ブウァル⇄アームストロング
76分 セインツ イングス⇄吉田
81分 ユナイテッド マクトミネイ⇄グリーンウッド

75分から試合終了までの約20分間でユナイテッドが放ったシュートは7本(枠内2本)。データ的には決定機になっていないが、82分のポグバのスルーパスからラッシュフォードがシュートを打つシーンで、筆者の怒りはまた爆破した(笑)デジャブ(笑)。クロスも上げまくっていたが、この20分間に放ったクロスは10本で、繋がったのは1本だけ吉田が最終ラインに入った事でクロスでの攻撃は無効化された感がある。「リンガードの判断が良ければ…」というシーンや、「グリーンウッドがボックス内で倒されたのがPKになっていれば…」というシーンもあったが、ゴールは奪えず、ドローのまま試合終了

【後半スタッツ 左セインツ/右ユナイテッド】(SofaScore参考)

👿まとめ~負けに等しい引き分け~

試合終了のホイッスルが鳴った時のハーゼンヒュットル監督のガッツポーズが全てを物語っている。スコア的にはドローだが、ホームでユナイテッド相手に1人少ない状況でのドローはセインツの勝利に値する。しかも追いついてのドローなのだから賞賛されるべきだろう。

セインツのハーゼンヒュットル監督は、試合の流れに応じて細かな修正を繰り返していた。戦術の引出しも多く、選手のキャラクターに応じた戦い方もすることができるとても良い監督だと思う。今後クオリティの高い選手のいるチームを率いるのを見てみたい監督の1人だ。

ユナイテッドは今回も得点力不足に泣く結果に。毎回毎回同じ事を書きたくは無いが、組織的で戦術的な崩しをもっとトレーニングするべきだ。ますますスールシャール監督への風当たりは強くなるだろう。正式監督就任以降の戦績(3勝4分7敗)からしたら、いつ解任されてもおかしくないとは思う。しかし、スールシャールの指揮の下、今シーズンはこのプレースタイルでいこうと決め、それに合わない前線の選手は排除したのだから降格しない限りはスールシャールでいくだろう。筆者は元々スールシャール擁護派だが、流石にジレンマはある。代表ウィーク中に頭を整理してコラムを書きたいとは思っているが、スールシャールももう呑気に構えている訳にはいかないだろう。

次節レスター戦は、ユナイテッドサポにとっては緊張感満載の試合になるだろう。ホームでボコられるんじゃないかという緊張感(笑)。現在勝ち点8で3位につけるレスターは昨シーズンからメキメキと力を付け、スカッドも期待の若手が目白押しの素晴らしいチームに仕上がってきつつある。本当は、ユナイテッドサポは上から目線でレスターの期待の若手を品定めしつつ、「やっぱマディソン良いな〜。来シーズン取ろうぜ!」なんて言いながら観るのが理想だったが、今シーズンは震えて観る事になりそうだ(笑)。

【ゴール期待値「xG」】(understat.com参照)

【ポジショナル・レポート 左セインツ/右ユナイテッド】

【トータルスタッツ】(プレミア公式参照)

👿選手評価

この試合もユナイテッドのMOMはジェームズ。初めて90分を、主戦場だった左WGでプレーし、ゴールシーン以外でも、カットインしてのシュート、縦へのスピード感溢れる突破からのクロスなど、文字通り躍動。シュート5本、枠内4本は文句なし。今回はカウンター要員として、守備のタスクが緩かったのも活躍できた要因かもしれない。

パレス戦も良かったが、マクトミネイはこの試合も中盤で存在感を発揮。攻守に渡りチームを支えた。相変わらずスペースを見つけるのが上手い。段々調子が上がってきたかな?マタもスペースに顔を出し、ダイアゴナルのランニングで味方をサポートするなど流石の働きを披露。物足りなさは否めないがリンガードよりは遥かにマシ

ラッシュフォード、ペレイラ、リンデロフは…。ラッシュフォードは猛省すべき。練習でシュート決まってるのか?ペレイラは攻守に渡り中途半端なできに。ダンソに1枚カードを渡したのがハイライトだった(笑)。リンデロフは歯車が狂ってしまった感がある。折角マグワイアが加入して最強のCBコンビになったはずが、まさかのリンデロフがスモーリング化するという…。下手したらレスター戦はトゥアンゼベがスタメンあり得るかもしれない。

代表マッチウィークを挟んで次節は、9月14日(土)オールド・トラッフォードでのレスター・シティ戦 23:00キックオフ  カモン!ユナイテッド!



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