"頑張る"の再定義。ジョシュア・スミスはなぜダラダラとDFに戻るのか?

例えばラインクロスになりそうなルーズボールがある。
そのボールのラストタッチは相手のプレイヤーだとしよう。

放っておけばマイボールになるボールだ。

そのボールへ体を張ってルーズボールダイブをし、相手ボールにしてしまうことを "頑張った" と言えるだろうか?

それは "考える" という点においてはサボっている。

誠意を見せたという見方もあるのかもしれないが、
結果はマイボールになるはずだったボールを相手ボールにしただけである。
さらにその選手自身もダイブした分スタミナを消耗し、膝や肘も擦り剥いてしまうなど、それ以降のパフォーマンスに対して負債を抱えることになる。

投資するスタミナと、それによって得られる成果。

それらを考えられていれば、そのルーズボールには飛び込まないことが最善であるという決断はできるはずである。

こういった取捨選択の連続の世界に彼らはいる。

頑張る、真面目、ハードワーク、エナジー。
それらは必ずしも自分の身体に鞭を打ち、身体を痛めつけることではないのである。

勝つために考え、計算を突き詰めることもある意味ではハードワークなのである。

その結果、体を張らない決断になる時は往々にしてある。

先日私がツイートした下記についてもこれと同様である。


ジョシュア・スミスはなぜダラダラとDFに戻るのか?


この点でよく「サボっている」というあらぬ誤解を受ける選手がいる。

ジョシュア・スミスという選手だ。

彼のDFの戻りやOFへの参加が遅いこと、アウトサイドシュートのチェックが甘いことを指摘する意見は多い。

しかし、これは彼がチームが勝つ確率を上げるために考えて行っていることであり、怠慢などでは断じて無い。

それについて話していきたい。

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