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ただの対面パストレーニングでも、頭を使えば上手くなる

僕は、日本の選手の中で中村憲剛選手が一番好きです。

なぜなら、彼はサッカーを考え、言葉にし、説明してくれるから。

そこで今日は彼から発想を受け、自分なりに考えて僕が実践している「対面パストレーニングで意識していること」について書こうと思います。

たった8つのことを意識してパストレーニングをするだけで、普通に試合中の「パス」と「トラップ」が上手くなります


姿勢を意識する

パストレーニングの際はパスを受ける前、受ける瞬間、パスを出す瞬間、全て胸を張って姿勢良くプレーするのが大切です。

トレーニングの際の意識付けが試合での姿勢の良さに繋がります。

胸を張って姿勢良くプレーするべきである理由は以下の2つ。

・胸を張るとボールから目線が自然と離れ、周りを見て情報を収集できるから。
・相手に体をぶつけられても姿勢が良いと倒れにくくなるから。

僕が見ていて姿勢が良いと感じるプレーヤーは元アーセナルのウィルシャーと現在チェルシーの監督のランパードです。

いずれも広い視野と当たり負けしない体の強さを持つ選手で、それを実現している理由の一つに「姿勢の良さ」があります。

下にプレー動画のYoutubeのリンクを張っておいたので、ぜひご覧ください。


ボールを見ずになるべく出し手の足元などを見る

パスを受ける前もパスを出すときも、サッカーはボールを見ずにプレーできればできるほど良いです。

なぜなら、上でも少し述べたようにボールを見ずに周りを見て状況を把握し、周囲の情報を収集すれば適切なプレーが出来るからです。

なので、パス練習の際にはなるべくボールを見ず(ボールを間接視野で確認して)出し手の足元や遠くを見たりして、なるべくボールから目を離してプレーする癖を付けましょう。

パスを出す瞬間にボールを見ずに受け手を見ることで、受け手や相手ディフェンスの動きを最後まで見て判断を変えたりすることができるので、パスの成功確率が凄く高くなります。

僕が中学の時同じクラブの一個上でプレーしていたCSKAモスクワ西村拓真選手は、中学時代から全然ボールを見ずにパスを出していました。

なんでボールを見ずにパスを出せるんだろうとずっと思っていて、今でも凄く印象に残っています。

下の写真でも、パスを出す瞬間にも関わらず出し手の動きを見ています。

画像1

(https://www.jleague.jp/news/article/1768/より引用)

さらに高度な話をします。

「ボールを触る時に顔を上げ、ボールが体から離れている時にはボールを見る」ことを意識できればなお良いと思います。

詳しい話は、以下のリンクにある僕の大好きな選手であるセスクのボールタッチ時の視野に着目した記事をご覧ください。


ボールをもらう前に首を振る

こちらも周囲の情報の収集の話です。

久保建英選手のインタビューを下のツイートからご覧ください。

サッカーにおける認知能力、情報収集能力の大切さが分かると思います。

まずできることとして、パストレーニングの際もボールをもらう前に首を振って周囲の情報を集める癖を付けましょう。

これは僕の個人的な高校時代の話になりますが、一個上のめちゃくちゃうまい先輩はやはりパストレーニングや基礎練(二人一組になって片方が投げたボールを返す基礎的な練習)の時は、ボールを受ける前に必ず首を振って意識づけして癖にしていました。


受け手の左足に出すか右足に出すか決めてパスする

サッカーのレベルが高くなればなるほど、パスを受け手のどこに出すのかが大事になってきます。

決してパスというものは、受け手に繋がればOKというものではありません。

右足にパスを出すのか、左足にパスを出すのか。

もっと言えば、右足に出すにしてもどの程度右足から離れた部分にボールを出すのか。

「パスは受け手へのメッセージがこもった贈り物である」

サッカーについてありえないくらい考えて、プレーの言語化が超絶得意な中村憲剛選手の言葉です。

受け手に前を向いて欲しいのか、ドリブルを仕掛けて欲しいのか、シュートを打って欲しいのか、ダイレクトで自分に返して欲しいのか。

そのようなメッセージがこもったパスが良いパスなのです。

パスを受け手のどこに出すのかで、パスの受け手のプレーしやすさが格段に上がります

もっと言えば、上の記事で中村憲剛選手が言われているパススピードもそうです。

そのために、まず出来ることとしてパストレーニングの際に右足に出すか左足に出すかを決めて練習しましょう。


パススピードを速くする

受け手の動きや能力、味方や相手の状況次第ですが、パススピードは基本的には速ければ速いほど良いです。
(上で中村憲剛選手が言っていたように、遅く出すべきパスもあります)

なぜなら、パススピードが速いと相手ディフェンスのスライドやプレッシングが間に合わないので、受け手がパスを受けてからの時間に余裕ができるからです。

なので、パススピードが速く正確なボールを蹴れるようにパストレーニングからパススピードの速いパスを出して練習しておくべきです。

さらに、パススピードをトレーニングにおいて速くすることは、受け手であるチームメイトのトラップ技術向上にも繋がりチーム全体のスキルの底上げに繋がります。

元明治大学監督で長友選手を育てられた神川さんの指導を受けさせていただいたときも、神川さんは全てのトレーニングで(特にパストレーニング)とにかく「パススピードを上げろ」と仰っていました。


パスの種類を変える

試合中のパスの種類は上で説明したパススピード以外にもたくさんあります。

・インサイドに回転を掛けて巻いたパス
・アウトサイドに回転を掛けて巻いたパス
・浮かしたパス

それらを試合中でも状況に応じて使い分けられるようにパストレーニングでもパスの種類を色々と変えて練習しましょう。

さらに突っ込んで言えば、パスを出すときの足の振りの大きさを変えることでパスの種類を変えることもできます

パスは、基本的に足の振り(テイクバック)を小さくして出したほうが良いです。

なぜなら、足の振りを小さくすることで相手にパスコースを読まれなくなるからです。

僕の説明より100倍分かりやすい中村憲剛選手の記事を紹介しておきます。(めちゃくちゃ考えてサッカーしてるから学びしかないです...)

さらにインサイドパスに関して言えば奥が深いです。

忘れてしまったんですが、確か遠藤選手と中村憲剛選手の対談か何かでインサイドキックを少し逆回転をかけて出すのか、また少しドライブ回転をかけて出すのかについて語っていたような気がします。

また僕が日本でお世話になった元Jリーガーの宇留野純さんの教えでは、インサイドパスは数m先まで無回転で、その後にドライブ回転になるパスが一番良いと仰っていました。

長くて難しいですが、興味ある方は下の記事も参考にしてみてください。


ボールを受ける時に動きながら受ける

この説明は簡潔に済ませます。

試合中に完全に止まってボールを受けることはありません。

ならば、トレーニング中も試合と同じように動きの中でパスを受けましょう

ただこれだけの簡単なことです。

試合のシチュエーションを意識しない練習は、試合に活かせないやった気になっただけの自己満足です。

試合では100%動きながらパスを受ける以上、パスをもらう前に試合を想定した動きをいれてパストレーニングをしましょう。


トラップの種類を変えてみる

試合中の「トラップ」という行為について考えてみましょう。

試合中には、インサイドでもアウトサイドでもトラップします。 また、右にも左にも後ろにも前にもトラップします。 足元にトラップもすれば、スペースにトラップもします。 右に行くと見せかけて左にもトラップします。

ほとんどのプレーヤーが試合を意識せずになんとなく足元に止めて、またパスを出してと繰り返しているパストレーニングにおいて、試合での場面を想定して様々な種類でのトラップをできる選手は確実に上手くなります

ここからちょっと少し高度な話を2つします。

まず1つ目。

僕がパストレーニングのトラップで意識していることは、もちろん上で書いたようなこともあるんですが、さらに言えば「トラップの深さ」です。

少し説明が難しいのですが、頑張ります。

右足のインサイドでトラップする場合を考えてみましょう。

画像2

画像3

「浅い」トラップ
・相手に寄せられている5分5分のボールを相手より先に触ってボールを確保したいとき
・トラップのタイミングをずらして相手の逆を取りたいとき
・前方向にトラップして前方向に速く進みたいとき
に使えます。

画像4

「深い」トラップ
・相手に前方向から寄せられているのでボールを相手からなるべく離して体を使ってキープしたいとき。
・トラップのタイミングをずらして相手の逆を取りたいとき
(前方向に進むと見せかけて相手を喰いつかせて逆を取ったり、僕はめちゃくちゃこれ使います。イニエスタとかも良く使ってるイメージです。)
・後ろ方向に素早くターンして進みたいとき
に使えます。

次に2つ目。

誰が言っていたか忘れましたが、記憶に残っている言葉に次のようなことがあります。
・「インサイドのトラップは当てる場所によってトラップの感触を変えることができる。」
・「トラップの瞬間体を少し宙に浮かすか浮かさないかでトラップの感触を変えることができる。」

これまた少し説明が難しいのですが、頑張ります。

画像5

くるぶしの近くでトラップすると、トラップは上の画像のように比較的長くなります。

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くるぶしから遠い足のつま先周辺ででトラップすると、トラップは上の画像のように比較的短くなります。

画像7

なぜなら、上の画像のように足が動いてボールの勢いを自然と足が吸収してくれるからです。

野球のバントを考えてみましょう。

バットを持っている手の近く(軸の近く)でバントをすると結構跳ねる一方、バットの先(軸から遠く)でバントをするとボールの勢いは吸収されてあんまり跳ねないですよね。

それと同じく、インサイドのトラップも足の軸に近いくるぶし周辺でトラップするとトラップは大きく跳ねますが、軸から遠いつま先周辺でトラップするとボールはあんまり跳ねないのです。

また、ボールをトラップする瞬間に軽く宙に浮くことで、ボールの勢いを体全体がクッションとなって吸収し、柔らかいタッチをすることができます。

またかよ、という感じかもしれませんが詳しい説明は以下の僕の説明より100倍分かりやすい中村憲剛選手の記事をご覧ください。

中村憲剛選手は、軸足を浮かした状態を「無重力状態」で軸足を地面につけた状態を「根っこが張った状態」と言い換えてわかりやすく説明しています。

さらに、トラップする瞬間に軽く宙に浮くことで自分のベクトルをリセットして行きたい方向付けをしやすくなるということも付け加えておきます。

上の説明では説明が足りずめちゃくちゃわかりづらかったと思うので、また今度「トラップ特集」ということでトラップにフォーカスして伝えたいと思います...

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