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【感想】私のバカせまい史『全国のライブハウスにある内田有紀のサイン史』

「全国のライブハウスの楽屋の壁になぜか内田有紀のサインが書かれている」

自分がその都市伝説?ミステリー?を知ったのはTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の2019年11月4日放送回のオープニングトーク。

2019年ってコロナ禍になる前の時代なので隔世の感があるな…

しかし「へぇ〜そんな謎があるのか」と思っていたのも束の間、放送直後に一部界隈で局所的に盛り上がり数日間でthe pillowsと175Rの2択に到達。

上記ツイートに寄せられたリプを見ていくと175R説が有力に(少なくとも自分はそう記憶していた)
『伊集院光とらじおと 俺の5つ星』や『たまむすび 竹山、ガムテープ買ってきて!』などに代表されるように集合知って凄い。

次週予告だけ出た時点で「175Rが犯人じゃなかったっけ?」と言うのは野暮なので自重したが、個人的には「真相を調べるだけなら割とあっさり終わりそう」と思っていた。
(念のため書くと、決して簡単な捜査だという意味ではなく、既にある地点までは調査できている基盤があるのでテレビの力を使って本人直撃したらあっさり真相究明できてしまう=二転三転する面白いVTRにならないのでは?という意味です)

それでもワクワクしながら21時にテレビの前に座る。
1本目の動物たちの動物園脱走史が終わり、21時20分頃にスピードワゴン小沢が壇上に。
実際のサイン画像を見せながら

  • 最初は2001年4月1日

  • 同年同日に書かれたサインもある

  • 15年間で13ヶ所

  • 内田有紀の歌手活動は1999年で休止

という謎を畳みかけるようにばら撒く。
さらに内田有紀本人の証言をゲット。

(C) フジテレビ
(C) フジテレビ

そもそもよく考えるとこれはサインの変遷を線で追ったわけではないのでサイン“史”研究ではなく番組趣旨からズレてる気がしないでもないのだが、そこは強引に突破w

まずは現地調査。

(C) フジテレビ

小沢「左利きの人間にはクーラーが邪魔になって書けないんです!」

一瞬冴えた推理と盛り上がるも「右利き」という手がかりだけではほとんど絞れずw

筆跡鑑定を行い、犯人は1人と断定。
そして各サイン日付からその日そこでライブをやっていたバンドを調べていき、やはり予想通りthe pillowsと175Rが浮上。

ここからは1人ずつ尋問。
こうなるとあとは聞くだけで終わり?と思ったら前段の筆跡鑑定が伏線に。

(C) フジテレビ
(C) フジテレビ

内田有紀の4文字を書かせるための偽アンケートwww
このバカなひと手間がたまらない。

調査の結果、the pillowsはシロ。
このタイミングで175Rの全国ツアー・活動休止・再開とサインの出現時期が重なっているというカードを開けるのがニクいw

(C) フジテレビ

いよいよ175RのSHOGO犯人説が濃厚になるもまさかの取材NG。
万策尽きたか?と思いきや中学・高校の同級生から犯人説を強化する証言を得るという隠し球w
これで事務所も根負けして(?)本人に取材してOKに。
しかしSHOGOは現在セブ島在住。
どこまで行っても困難が立ちはだかる。

(C) フジテレビ

たかがこの調査のためだけにw
素晴らしいw
この陽の愚直さにフジテレビの遺伝子を見る。

潜伏先は

(C) フジテレビ

いやいや『AKIRA』じゃないんだからwと思ったけど本当にあるのかw

この辺りの素材の拾い方も見事w

色んなアングルにカメラを設置し、いざ事情聴取開始。

(C) フジテレビ

カツ丼w
ここからあくまでしらを切り通そうとするSHOGOと二の矢三の矢で追及するスタッフの攻防を挟み、SHOGO完落ちw

面白かった!
175R犯人説に到達するのは巨人の肩に乗れば割と容易に出来てしまうので、そこからどうエンタメに仕上げるのか注目してたけどVTR構成の工夫とムダに多い手数(笑)で期待以上の満足度。
まさに小沢が言っていた

寄り道こそが旅。

を体現。

あと個人的にこの調査報告に伊集院が立ち会っていたのも何か嬉しかったなー

番組の開始にあたって、リスナーの依頼をリスナーが解決するというコーナーはAMラジオらしいと思っていて、何かしら一つはやりたいなと考えていました。誰かが詳しく知りたい問題、今回の場合は思い出のメニューを投稿して、その答えもしくは答えの一部を別の誰かが持っているときに、ラジオがハブになって整理していくのはラジオの醍醐味だと思いますので。

http://lifemagazine.yahoo.co.jp/articles/2609
(https://archive.md/INY0Eからアーカイブ閲覧)

もちろん今回のはラジオでもなければテレビが視聴者のハブになったわけでもないんだけど、少なくない人が抱える疑問が氷解していく過程の企画化という意味で。

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