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後期博士課程に進学することにしました。

大学3年生の頃にはじめた振り返りのnoteを今年も書いてみようと思います。

今年は修士を修了して4月からは慶應義塾大学病院の臨床研究推進センターで働いていました。修士課程や就職先のことについては以前noteに書いたのでもしよければ読んでください。

働き始めたことも2022年の1つの大きな転換点だと思いますが、今年の大きな意思決定は博士課程への進学を決めたということだと思います。ここでは博士課程に進学することを決めたことを振り返っておこうと思います。

あまり伝えていませんでしたが密かに受験準備を進めて、慶應義塾大学大学院 健康マネジメント研究科 後期博士課程(公衆衛生・スポーツ健康科学専攻)に合格することができました。2023年の4月から通う予定です。

まず進学予定の博士課程ですが修了することができれば公衆衛生の学位が授与されます。公衆衛生のなかでも生物統計の先生に指導していただく予定で専門は学士、修士から変わりません。

ざっくりですが、博士課程を受験するときの志望動機に「生物統計学を研究することで社会変化や技術発展に応じた妥当な方法論を提供できる専門家になるために進学を希望する」と書きました。

自分がしていきたいことは始めに載せたnoteに書いてある次のようなことです。

プロダクトや施策と効果検証は両輪であるべきだと思います。その上で効果が高いものに経済的価値がつくのが理想です。

最近ではEBMも含めて”エビデンス”という言葉をよく耳にするようになりましたが、まさにそれです。結果に対する信頼性は評価プロセスにおける信頼性と直結しますが、そのプロセスを丁寧に作れる人になりたいから僕は生物統計家になりました。

既存の方法論によって明らかにできる問いや状況も多いですし、また既存の方法論を学ぶことにも膨大な時間がかかります。自分もまだまだ勉強不足で終わる気もしません。

ただ技術の変化や社会が変わるなかで必ずしも既存の方法ですべての状況に対応できるとは思いません。

例えば近年では治療用アプリというスマホを医学に活用していく分野が注目されています。ヘルスケアのアプリで運動記録や食事記録などをしている人もいると思います。これはスマートフォンという技術の発達と普及により実現した世界です。

新しい技術が普及することは一般に望ましいことです。デジタルツールではその特性からプログラムの変更が比較的容易であったり、従来に比べて多くのデータを取得できたりします。これはどちらも医学への応用を考えれば望ましい特徴だと思います。一方でプロダクトの評価という観点に立つと生物統計に限らず新たな仕組み、方法が必要になることがあります。

そのようなことを考えると生物統計学の研究も必要になってきます。その方法論を提供できるようになるというのが「生物統計学を研究することで社会変化や技術発展に応じた妥当な方法論を提供できる専門家になる」の意味することになります。

この志望動機は嘘ではありませんが、 "Why me?" には答えていません。

研究者は世界中にいるので誰かがいつか解決してくれるかもしれません。それでもその誰かを待つだけではなくて、未知の問題に取り組む営みに自分も参加したいと思ったので博士課程に進学することに決めました。

自身の環境や経験から必然性(もしくは高い蓋然性)を見出してストーリにできるのかもしれません。ただより素直な感覚として、博士課程進学は好奇心ドリブンな決定だと思います。

博士課程は順調に進んでも3年はかかりますし学費も約70万/年はかかります。それに経済的なリターンとはそれほど強く繋がっていないと思います。

だからこそ、自らの好奇心に対してこれだけのものを払えるのは周囲の方の理解や配慮のおかげであると感じていて本当に感謝しています。

4月からはまた学生になるわけですが、自己満足で終わらず社会や科学に還元できるようにぼちぼちやっていければと思っています。これからもよろしくお願いします。

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