ミントデザインズ大百科：Mintpedia  ＠スパイラル

　ミントの服を長年愛用している。着ているものに周りから良い反応をもらう時は、ほぼ、ミントの服である。さらに言えば、ほぼ、デザイナーの勝井さんと八木さんの二人に選んでもらっている。定期的に顔を出し、近況報告や世間話をしながら、自分のことを客観的に観て服を選んでもらう楽しい時間だ。美容師さんとの関係にも似ている。それを十年以上繰り返す関係になっている。身体全体のフィット感、脚や腕の丈、肌色とのバランス等から判断してくれているようなのだけれど、なるほど、と思った教えをひとつ。

　薦められたコートが可愛すぎるように思い、自分にはどうかな？と思ったのでそう伝えた時の回答。

「おじさんになるにしたがって、可愛いのがどんどん似合うようになるよ。」

　典型的なおじさんのイメージに捉われて逆に思っていたけれど、確かに、お洒落なおじさんには、かっこ好い、というより、可愛い、と形容した方がぴったりくる人も多い。おじさんになると、若い時のギラギラして男々した脂が抜けていくからだろうか。また、おじいさんおばあさんにまでなると、若い男女に比べ、お互いの存在がずいぶん接近しているようにも見える。

　おじさんが可愛いを目指そうと思うと、可愛いの先輩である女子達が相談相手やライバルになる。そんなこれからも楽しそうである。

　楽しいだけではない。女子達と仲良くしておくと、後々の人生が大きく変わってくるように思う。人生の終盤戦、仕事を引退すると、おじさんは孤独になりやすい。それまでがむしゃらに働いてきたら、働いてきた分だけ孤独になりやすい。仕事以外に時間を割いてこなければ、退職と同時に何もなくなる。家族と過ごす時間を大切にしてこなければ、家族にも相手にされない。どこかのコミュニティに入れてもらうにも、会社で高い地位についてきていれば頭を下げるにも抵抗がありそうだ。

　おじさんに比べると、おばさんはキャリアに関係なく余生を楽しめているように見える。他愛もないおしゃべりを武器に、延々とみんなと過ごせる能力に長けているからだ。おじさんが、引退後の人生を孤独に陥らず楽しもうと思ったら、その輪に入れてもらえばいい。とはいえ、準備なしに飛び込んでも痛い目に合いそうだ。可愛いを話題に女子達と早いうちから交流しておけば、その準備体操になるに違いない。

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 ＠ スパイラル（2022.6.8～19）
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