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人のチカラ、言葉のチカラ、を信じる『ポエムコンシェルジュ』。素敵な俳句、短歌を紹介する…

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人のチカラ、言葉のチカラ、を信じる『ポエムコンシェルジュ』。素敵な俳句、短歌を紹介することで皆様の毎日に一粒の光を感じていただけるように、鑑賞文などを掲載しております。

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  • 和歌短歌を味わおう❗️

    大人の国語の教科書です。情報を得る読書もいいですが、心が疲れたときは「感じる文学」も有効です。

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【百人一首鑑賞】これこの 行くも帰るも わかれてはしるもしらぬも 逢坂の関 蝉丸

■これこの 行くも帰るも わかれては しるもしらぬも 逢坂の関 蝉丸 (詠んで味わう)これこの いくもかえるも わかれては しるもしらぬも おうさかのせき 大河ドラマの影響で、紫式部時代の百人一首の作品をここのとろこ鑑賞していましたが、少し昔に戻りましょう。本来、この鑑賞ページは作品の時代関係なくバラバラにとりあげておりましたので。。。 名神高速を走っていると現れる「蝉丸トンネル」この前、見つけました。目に入ってきたのですよ。蝉丸トンネル!京都から滋賀に抜けて名神高速道

    • 【百人一首鑑賞】なげきつつひとりぬる夜の明くるまはいかに久しきものとかは知る 右大将道綱の母

      ■なげきつつひとりぬる夜の明くるまはいかに久しきものとかは知る   右大将 道綱の母 (詠んであじわう)なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる 妾(しょう)の悲しみ右大将道綱の母、というと、大河ドラマ光る君へで言うと、そう!まごうことなきこの方! ドラマでは、「藤原寧子」となっている、財前直見さん演じるこのお方です。そうそう!蜻蛉日記の作者でもありますよね。本当のところは本名が分からないので、子供の母ということになっているみたい。この人の

      • 【百人一首鑑賞】夜をこめて鳥の空音ははかるともよに逢坂の関はゆるさじ  清少納言

        ■夜をこめて鳥の空音ははかるともよに逢坂の関はゆるさじ 清少納言 (詠んで味わう)よをこめて とりのそらねは はかるとも よにおおさかのせきはゆるさじ どうして和歌のサムネがニワトリなんですか?ですよね~。なんでやねーーーん!ですよね💦歌の中の「鳥」というのが、朝の訪れを知らせるニワトリなんです。清少納言のこの和歌は、事前に漢文の知識がないと「なんのこっちゃ?」で終わってしまうので、まずはそのくだりからまとめますね。 孟嘗君の『鶏鳴狗盗』。学生時代、国語の時間に習った人

        • 【百人一首鑑賞】めぐりあひて見しやそれとも分かぬまに雲がくれにし夜半の月影 紫式部

          ■めぐりあひて見しやそれとも分かぬまに雲がくれにし夜半の月影 紫式部 (詠んで味わう)めぐりあいて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よはのつきかげ 大河ドラマ「光る君へ」の主人公、「まひろ」こと紫式部様の歌を取り上げない訳にはいきません。それにしても五節の舞がとても美しく幻想的でした(ため息) 田辺聖子先生も、情緒豊かに訳していただいて💦これ、もうどう考えても藤原道長役の柄本佑さんの顔しか浮かばない!久しぶりにまひろに会いにきたのでしょう?むかしの三郎とまひ

        【百人一首鑑賞】これこの 行くも帰るも わかれてはしるもしらぬも 逢坂の関 蝉丸

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          大河ドラマに赤染衛門が出てますね!

          4年ぶりに筆を(キーボード)取りました。お久しぶりです。本当にお久しぶりです。LADY‐KAMAAです。なかなかこちらのnoteに戻ってくることができませんでした。文学の世界が少し遠かったかな?いや、コロナで読書習慣が少し戻っていましたが。 半ば放置していたのに、あらたに読者になってくれる方もいるし、いくつかの記事は検索すると、まぁまぁ上位に出てくることもあるし、ライター本人が知らないうちに、このページが勝手に育っていたようです。 2024年大河ドラマは「光る君へ」に。そ

          大河ドラマに赤染衛門が出てますね!

          【百人一首鑑賞】わが袖は潮干に見えぬ沖の石の人こそ知らね乾くまもなし 二条院讃岐

          ■わが袖は潮干に見えぬ沖の石の人こそ知らね乾くまもなし 二条院讃岐 (詠んで味わう)わがそではしおいにみえぬおきのいしの ひとこそしらねかわくまもなし 92番目の讃岐の和歌を取り上げました。 讃岐という名前だから讃岐と関係ある人なのか?? →確認すると関係ありませんでした。 ■現代語訳 わたしの袖は たとえればあの沖の石のよう ひき潮にもあらわれぬ深海の石 ぬれにぬれ 人は知らないけど 涙は乾くまもないの みのらぬ恋を悲しんで 田辺聖子著「田辺聖子の百人一首より」 ■

          【百人一首鑑賞】わが袖は潮干に見えぬ沖の石の人こそ知らね乾くまもなし 二条院讃岐

          【百人一首鑑賞】月見ればちぢにものこそ悲しけれわが身一つの秋にはあらねど 大江千里

          ■月見ればちぢにものこそ悲しけれわが身一つの秋にはあらねど 大江千里 (詠んで味わう)つきみればちぢにものこそかなしけれ わがみひとつのあきにあらねど こんばんは。これまで取り上げた百人一首の中に、20番台と80番台の和歌が ないことに気が付きました!これはいかん(汗)ということで、まずは20番台の和歌を【そこはかとなく】眺めていたのですが、いつかいつか調べてみたいと思っていた歌人「大江千里」がおりましたので、今宵はこちらでお付き合いをお願いいたします♪ ■現代語訳 秋

          【百人一首鑑賞】月見ればちぢにものこそ悲しけれわが身一つの秋にはあらねど 大江千里

          【百人一首鑑賞】朝ぼらけ有明の月とみるまでに吉野の里にふれる白雪 坂上是則

          ■朝ぼらけ有明の月とみるまでに吉野の里にふれる白雪 坂上是則 (詠んで味わう)あさぼらけありあけのつきとみるまでに よしののさとにふれるしらゆき 百人一首31番目の和歌を今日は取り上げたいと思います。 坂上是則ってどんな人? 三十六歌仙の一人です。死去したのが930年ごろ。 地方の官僚だったようですね。平安時代中期も後半にさしかかった頃に活躍した方。有名な紀貫之より少し前の先輩、というところでしょうか。 ■現代語訳 夜がほのぼの明けてきた 辺りは白く明るい この明るさは

          【百人一首鑑賞】朝ぼらけ有明の月とみるまでに吉野の里にふれる白雪 坂上是則

          【百人一首鑑賞】難波潟みじかき芦のふしの間も逢はでこの世をすぐしてよとや 伊勢

          ■難波潟みじかき芦のふしの間も逢はでこの世をすぐしてよとや 伊勢 (詠んで味わう)なにわがた みじかきあしの ふしのまも あわでこのよを すぐしてよとや ■現代語訳 難波潟に生い茂る芦 その中でもことに短い芦のその節と節のあいだはいっそう、短いわ そんな短い逢瀬の機会さえ あなたはつくってくれず あたしにこのまま過ごせというの? これっきりだと あなたはいうの?                  田辺聖子著「田辺聖子の百人一首より」 ■語句説明 ・ふしの間も・・・芦の

          【百人一首鑑賞】難波潟みじかき芦のふしの間も逢はでこの世をすぐしてよとや 伊勢

          【百人一首鑑賞】田子の浦にうち出でてみれば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ 山部赤人

          ■田子の浦にうち出でてみれば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ 山部赤人 (詠んで味わう)たごのうらにうちいでてみればしろたえの ふじのたかねにゆきはふりつつ 百人一首4番目のこちらの和歌を取り上げたいと思います。 これは、日本国民ならば、一度は口ずさんだことのある和歌だと思います。 富士は古代日本人の心も捉えていた、不変の美しさがあの山にはあるのですねぇ。 ■現代語訳 駿河の国の田子の浦にたたずんではるかにみれば 真白き富士の高嶺に雪は降りつむ              

          【百人一首鑑賞】田子の浦にうち出でてみれば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ 山部赤人

          【百人一首鑑賞】み吉野の山の秋風さ夜ふけてふるさと寒く衣うつなり 参議雅経

          ■み吉野の山の秋風さ夜ふけてふるさと寒く衣うつなり 参議雅経 (詠んで味わう)みよしののやまのあきかぜさよふけてふるさとさむくころもうつなり 今回は94番目に位置する、こちらの和歌を取り上げます。 ■現代語訳 吉野の山の秋風よ ふけゆく夜の静寂に砧の音が寒々と聞こえる ふるさとのこの地にもの思えというがごとく… 田辺聖子著「田辺聖子の百人一首より」 ■語句説明 砧…今風にいうと、アイロンがけ。洗濯して干した布が生乾きの内にそれを叩く際の道具。 衣服の皺を伸ばしたりつや

          【百人一首鑑賞】み吉野の山の秋風さ夜ふけてふるさと寒く衣うつなり 参議雅経

          【百人一首鑑賞】大江山いく野の道の遠ければまだふみも見ず天の橋立 小式部内侍

          【百人一首鑑賞】大江山いく野の道の遠ければまだふみも見ず天の橋立 小式部内侍 ■大江山いく野の道の遠ければまだふみも見ず天の橋立 小式部内侍 (詠んで味わう)おおえやま いくののみちのとおければ まだふみもみず あまのはしだて 百人一首60番目の和歌。私が百人一首で【イチオシ】する和歌です。 好きとか嫌いではなく【イチオシ】です。 クレバーで、嫌みがなく、すっきりとした空気を味わえる和歌。また、 ・小式部内侍の母娘関係、 ・和歌のライバル関係、この和歌の背景に見え隠

          【百人一首鑑賞】大江山いく野の道の遠ければまだふみも見ず天の橋立 小式部内侍

          【国語の教科書にのっていた短歌を味わおう】観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生 栗木京子

          ■観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生  栗木京子 お久しぶりです。なかなかと更新できずにウズウズしていたところです。 これまでは ・百人一首 ・短歌 ・俳句 と取り上げてきましたが、国語の教科書に掲載されていた ものもここに味わってみたくアップいたしました。 このプロジェクトでは 「白鳥は悲しからずや・・・」 以来となります。 ----------------------------------------------------------------

          【国語の教科書にのっていた短歌を味わおう】観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生 栗木京子

          【百人一首鑑賞】やすらはで 寝なましものを 小夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな  赤染衛門

          ■やすらはで 寝なましものを 小夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな 赤染衛門 (詠んで味わう)やすらはで ねなましものを さよふけて  かたぶくまでの つきをみしかな 現代訳(百人一首の風景さまより いつもありがとうございます) (あなたが来ないと知っていたら) さっさと寝てしまえばよかったものを、 (あなたの約束を信じて待っていたら) とうとう明け方の月が西に傾くまで眺めてしまいました。 和歌は、とにかく「待つ」ことを芸術的に見せる文学生きている世代が全

          【百人一首鑑賞】やすらはで 寝なましものを 小夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな  赤染衛門

          【百人一首鑑賞】あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む 人麿呂

          ■あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む (詠んで味わう)あしびきの やまどりのをの しだりをの ながながしよを ひとりかもねむ ■現代語訳  (百人一首現代訳一覧 より引用) 夜になると、雄と雌が離れて寝るという山鳥、 その山鳥の長く垂れ下がった尾のように、 こんなにも長い長い夜を、私もまた、 ひとり寂しく寝るのだろうか。 恋のフローと百人一首百人一首3番目の歌なので、覚えている人も多いのではないでしょうか(笑) 百人一首を詠んでいると

          【百人一首鑑賞】あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む 人麿呂

          【百人一首鑑賞】誰をかも知る人にせむ高砂の 松も昔の友ならなくに 藤原興風

          ■誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の友ならなくに 興風 (詠んで味わう)たれをかも しるひとにせむ たかさごの まつも むかしの ともならなくに ■現代語訳 誰を友達にしたらよいものか 高砂の松も昔からの私の友人ではない ■語句解説 ・誰をかも 誰がいいか ・高砂の松 現在の兵庫県高砂市の老松を指している。松は長寿の象徴。 高齢社会の今こそ、目を向けるべき和歌現代は超高齢化社会。 今にぴったりの百人一首があります。 >誰を友とすればいいのか(もう誰もいない

          【百人一首鑑賞】誰をかも知る人にせむ高砂の 松も昔の友ならなくに 藤原興風