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生まれて初めて猫を飼った

いまから半年前、2020年10月の終わりに、一匹の猫さんにうちに来てもらった。

トップ画像にいる、さびねこ(という柄の分類があるらしい)の、ぱぴこちゃん。

家族に猫を迎えるのは、人生で初めて。

半年近く経過してから、里親さんから正式譲渡の提案をいただいたので、いきさつや感じたことを記録しておこうと思う。

1. ぱぴこちゃんとの出会い

猫さんとの出会いは、ボランティアで保護猫の預かりをしているという、仕事で知り合ったフリーランサーさんのFacebook。

長い期間(1年ほど)、家族になるおうちを探しているがみつからない猫さんがいるということで写真付きで紹介されていた。

性格は遠慮がち、臆病。女の子。

正直、猫を「かわいい」と思ったことはない。美しいな、と感じたことはある。

彼女は茶色系統で、どんな模様なのか正直よくわからなかった。

性格についての形容は、私が10歳から24歳まで実家にいた「ひなちゃん」に似ているように感じた。簡単に心を開いてはくれない。お世話をしてくれることはしっかり認識する(賢い)。そして最後は私を愛してくれていた白い犬。

保護されたけれど家族がみつからない、というところも似ていると感じた。

彼女と一緒に過ごす家族は、彼女のペースを読み解いてあげないと、仲良くなれないんだろうなとなんとなく思った。

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↑ 雪の日、実家の庭のひなちゃん。

2. なぜ来てもらうことにしたか

自分のこれまでの人生には10歳以降常に動物がいた。

文鳥2羽。犬が2匹。

動物と暮らしていたいという考えが、東京の暮らしでも、いつもなんとなく頭の片隅にあったように思う。

そういえばだいぶ前(出産前かな)、熱帯魚を飼いたいと夫に提案したことがあった。却下されたけれど。

夫は、生き物がいつか死んでしまうことが悲しくていやだと考えているようだった。

生き物を養うことにはコストがかかる。収入がしっかり確保できない産後、ペットを飼うことは発想しなくなった。

それが、2020年に社員として雇用されたので、収入は以前より安定した。住まいは幸運にもペット可。(夫のはみさまのおかげ)

そしてなによりも息子。私は、8年前に息子を出産後、次に子供を産むという決意ができない。

息子に、親以外の家族を与えられるのはすごく良いことのように感じた。

3. どんな感じでこの半年を過ごしたかと、保護ボランティアさんのサポート

ぱぴこさんは、保護していた方のアドバイスに従って、2階建てのケージの中でしばらく過ごしてもらうことにした。

一番最初は、下の方までしっかり覆って。翌週、下の方を10センチくらい上げた。ここから徐々に、正面、側面と覆っている面積を減らしていく。

全部とれたのはいつだったかなあ、2か月か3か月は側面の布を残していたような気がします。

ひと月弱で、短時間、ケージの表に出してあげるというのもやってみたのだけど、近寄るとおびえて逃げてしまうので作戦変更。

ちゅーるで寄ってくるなら出してあげる、という形にしたのだけどそれもうまくいかず…

半年たった今では、リビングでは基本的に接近できる、という感じになりました。他の部屋だと今でも嫌がって逃げる。

この動画は最初の最初に表に出たとき。自分にとっても、知らない生き物がいるような不思議な気持ちでした。そもそも、歩いている姿、ほとんど見たことなかったからねえ…。

どんなふうに距離を詰めていくかということは、保護していた方から、5か月ずうっとアドバイスをいただきながらすすめてきました。

ちなみに保護活動をされているのはこちらのアカウントの方です。今も4匹の子猫について、家族になってくれる方を募っているようです。

エリアに縛りがあるかもですが、興味のある方はチェックしてみてください!

4. ぱぴちゃんの警戒心、徐々に打ち解ける過程

私にとっては、猫の立場で考えたら当然と感じられたのだけれど。

夫は、慣れるまでの数か月を基本ケージの中で過ごすことや、抱き上げたり膝の上に乗ることを猫が快く思わないということに、少し落胆しているようだった。

実は私、おうちに来てもらって2~3か月たったところで、里親さんに「私はもう譲渡契約していいと思う!」とお伝えしてたのだけど、先方からは「もうちょっと様子を見たい」とお返事をもらい。

自分を信用されていないようでちょっとがっかりしてしまった。

それでも、冷静になってみてると、夫のように「自分に寄り添ってくれること」を期待する飼い主さんだと、ぱぴこちゃんのような態度に「やっぱり飼えない」となるのかもなとなんとなく想像できる気がした。

ぱぴこちゃんは、4~5か月経過にあたる3月、4月と、どんどん心を開いてくれました。これは、床暖があったかくてその辺で寝始めたの図。

獣医に連れていくキャリーに入れる際も、何となくなでながら抱っこしてつっこめるようになりました(笑)

最初、持ち上げるとかキャリーに入れるとかとてもできる気がしなかったし、なんなら警戒して威嚇されるとすごく怖かった(私が)のが、なつかしい…。

5. 猫との日々を、犬と小学生とのそれと比較

犬と違って散歩がないから楽、とはいうものの。

猫さんとの生活は、トイレ・お水・ご飯の管理と、求められたときに遊んであげるといったアクションが必要で。

おうちにいてもらって、それでおしまい!という「楽」な感じではなかった。

遊んでほしい時に相手をしてあげる、ご飯を食べない時はタイミングを見て処分してあげるといった注意の払い方が必要な点も、新鮮な発見でした。

犬の場合は、決まった時間に散歩に行き、食事を出せばそれなりに食べていた。

ごはんはカリカリだからそのまましばらく放置していた。ちょっと時間の使い方が違うなという印象。

私がもし子育てを経験していなかったら、もしかすると場合によっては負担に感じていたかもしれない。

ちなみに、猫は小学生男児と比べてはるかに静かである。そして部屋は散らからない。

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↑ そういえば一時はソファクッションを攻撃するのにハマっていた。爪でちょっと傷がついてしまった…

6. ぱぴちゃんと過ごして変わった私の心情 ※ここを一番語りたい

ぱぴちゃんは相変わらず膝の上には乗らないし、一緒に寝てくれる日が来るのかはわからない。

連休中の地震では、フリーズしているようだったので膝上にのっけて腕で包み込んでみた…静かにかたまっていてかわいかった。あたたかいやわらかいかたまりを抱くことができるのは人生で最大の幸福だと思う。

毎日話しかけて、ふわふわすべすべのあたまやからだをなでさせてもらうと、なんとなくこころ安らぐ気がする。

感触が癒しなのは当然として、それ以外にも心が穏やかになる理由があるなと最近気が付いた。

それは、夫や子供とは違う関係性だからだ、ということだと思っている。

①所属するコミュニティの管理や配慮が不要

これまで、経済基盤と子育てのパートナーである夫、日常生活と人生の資産を与えてあげたい息子、という二人の家族と過ごしていたわけだけれども、ぱぴちゃんは彼らと比べると、比較的責任の重圧が大きくない。

もちろん猫の生活や健康を尊重しなければならないのは理解しているし、それは必ずしも容易ではない。予期せぬ出費があることも、時間を制限されることもあるはず。

ただ、猫には家族づきあいや社会がない。

夫の家族のように周囲の健康問題に心悩ませる必要もない。

息子のように所属しなければならない社会があるわけでなく、行政や教育機関が予定してくるさまざまな行事ごとを管理する必要もないし、

(のみのお薬やワクチン接種は必要だけれど、毎日毎週プリントや登校班の当番やPTAのあれこれを管理考慮する必要はもちろん、ないわけで。)

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↑ 獣医さん帰りで疲れている…?ぱぴこさん

②好きだよと言い続けられる

それともう一つ。かわいいね大好きだよと、肯定的な感情を直接的にぶつけ続けることができるのも、たぶんとても私の心理にプラスに作用している。

私のメッセージに対してぱぴこちゃんが、飛び跳ねたりすりよったり、うっとりした表情で体のあちこちを触らせるという行為によって、応えてくれていることも。

私は息子にも、彼を好ましく思っていると伝えているけれど、息子は9歳で、身体的なふれあいという面ではぱぴこちゃんとの接触の方がまさる。

愛情を無条件に受け入れてもらうことは、あたたかくてやわらかいかたまりを抱きしめることと同じくらい、幸福だ。

7. おわり

そんなわけで本編は、猫が家族になってくれてよかったという私の主張でした。

実家の2匹の犬は死ぬ前にはボケてしまったし、犬であれ猫であれ人であれ、いつどんなことが起きるかはわからないから、私はこれ以上家族を増やすことはしないだろう。

本当は、犬がいなくなってしまった実家に、猫を飼ったらいいのに、と思っているけれど…父がなぜか猫を好きでないそぶり。いつかぱぴこちゃんに対面してもらって、心がかわるのを見てみたいと期待している私でした。

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