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Gジャンが好きらしい : CLASS/ensou./Big E/Lee

中学時代、Gジャンが好きだった。
当時は2000年ごろ。

KOFというゲームの主人公が褐色肌に銀髪で黒レザー上下という出で立ちで、それがかっこよく見えた。
レザーは着られないからなんとなく形が近いと思ったGジャンをよく着ていた。

上下デニムででかけたのを同級生の女子に見られ、「あいつめっちゃダセえ」という評判が立ってからはほとんど着なくなってしまったのだが。

今思い出してもけっこうウッとなる思い出ではある。
中高時代が人生トップクラスの暗黒期だったのだ。

で、改めてGジャン、デニムジャケットに興味をもったのは最近だ。

鎌倉は柿乃葉の店主柿本さんがリーバイスのものをよく着ており、なんとなく柿本さんならこのへんを着るのではないかと思ったリーバイス60年代のBig Eのものを2023年に買った。

これが柿本さん。

引用:https://kakinoha-kamakura.com/blog/2022/11/24/


だが、買ったはいいもののあまり着ていない。
なにしろ60年前の服である。
貴重だわ高いわ気を使うわであんまり日常的に着る気になれないのだ。
モノとしては素晴らしくかっこいいのだが。

というわけで買ったはいいがコレクションに。

また半年以上デニムジャケットから遠ざかっていたのだが、再度興味をもつきっかけになる一着があった。

NICENESSのB.B.CALMである。

引用: https://shop.kakinoha-kamakura.com/?pid=177860190


これも柿本さんのお店のサイトで見かけたものだ。

なんだかちょっと女性的でかわいいフォルムのデニムジャケットに総柄のフロッキープリントを施し、さらに職人が手作業でブリーチ加工をしたもの。

なんだそれは。
聞いたこともない加工経緯なんだけど。

ものすごいインパクトで、なんだかすごく気になる存在でありつづけた。
お値段もiPad Proくらいするので買うぞ!とまではいかなかったが、強烈に印象が残り続けたのだ。

で、なんかずっと柄物のデニムジャケットか・・・気になるな・・・と思っていたときにブランド古着でこれを見つけた。

ensou. big tucked jacket

このモデル自体の取り扱いはなかったが、これもまた柿本さんのお店で取り扱いのあるブランドである。
ensou.の服を着てみたかったので「これかも!」と思って飛びついた。

古びたビル壁のような無機質感があるのがなんかかっこよく見えた。

いざと届いてみると生地はバリッと固く、パルコで若い子が着てそうといえばそんな感じがしなくはない。
NICENESSのB.B.CALMとはまったくの別物。

けど、オーバーサイズで適当なニットの上から羽織れてポケットの位置もちょうどいい。
合わせやすくはないが、US NAVYのセーラーハットや主張のあるメガネとの相性がよく、なんだか着る機会がわりと多い。

これがバチッとはまったわけではないが、デニムジャケットいいかもと思い始めていた。


で、思い出したのがMANHOLEの河上さんがLeeのデニムジャケットを着ていたこと。

引用:https://manhole-store.com/2023/02/21/%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%83%83%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%83%83%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%82%AC%E3%83%90%E3%83%83%E3%81%A8/

ジャストサイズで着るLeeがかっこよかった。
なんならお店にいったときデニム上下もやっていた。

そう。
ここにきて中学時代の自分のファッションと繋がったわけである。

そうだ。
デニム上下をもう一度やってみよう。

で、買った。
幸い近所で比較的お手頃な価格で70年代後期のLeeを見つけることができた。
サイズはビタビタのジャスト。
171cm 70kgの自分が38を着ている。

リーバイスのBigEに比べると1/4ほどのお値段で購入でき、実に正統派なかっこよさがある。
むしろLeeのカバーオールを愛好する自分からすると今の気分だ。

薄手のタートルネックにGジャンを羽織り、同じような色落ちのデニムパンツを合わせ、上からコートやカバーオールを羽織る。
そんなスタイルが自分に定着しつつあった。


で、そうなると過去に見たデニムジャケットもどんどん気になってくる。
特に最近お気に入りのブランド、CLASSである。

引用:https://baycrews.jp/item/detail/wism/blouson/23011597000010
引用:https://note.com/kiretto_shop/n/n40be292a49b3

ぱっと見普通だが、こいつはすごい。
詳しくは↓の記事などを読んでみてほしい。

CLASSの堀切さんといえば常識の通じないぶっとんだ服を作る本物の奇才。
そのぶっとんだ人がSEIYUとかにある普通のGジャンをモチーフにして作ったのがこれである。

SEIYUて。
いやSEIYUの紳士服コーナーて。
パリのブランドのデザイナーもやってる人がそこを参考にするって。

まじでどうなってんだ。

裏地は緑。
ベタッとした濃紺。
今というよりちょっと前のトレンドであるオーバーサイズ。

すごい。
ミキハウスとかで売ってる安っぽい子供服みたい。

そう。
ついていけない。
良さがわからないのだ。
実際にこの服が発売された当初はまったく理解できなかった。

だがそれが燃えるところでもある。
分かってみたい、というよくわからない欲求が湧いてくるのだ。

Gジャンにはまってきてる今、この服の良さがわかんないなりになんかうっすらわかれないこともない気がして来ているのだ。

いやまじインナーどうしよう。
どう着たら安っぽさとバランスとれるだろう。
難しいぞこれは。

で、CLASSの服はこういうとき買って着てみるとハマる。
実際それで3着買ってる。
全部めっちゃ着てる。

理解できなかったものに自分が追いついていく感覚。

勉強して育っていく。
見えるものが広がっていく。
風景が広がっていく。

何十年やってようが、服は楽しい。

もしこのCLASSを買ったらGジャンが4着になる。

どうやら僕はGジャンが好きなようだ。

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