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胆嚢の病気~胆嚢粘液嚢腫について~

胆嚢粘液嚢腫

聞いたことがある病気だけど、実際はどんなことが身体の中で起こっているのでしょうか?
胆嚢粘液嚢腫とは『胆嚢の中に粘液状の物質が溜まってしまう病態』のことです。
読んで字のごとくですが(笑)
では、なぜ胆嚢の中に粘液が溜まるのか?
溜まると何が問題になるのか?
診断方法は?
治療法は?などをお話していきます。


なぜ胆嚢の中に粘液が溜まるのか?

胆嚢は元々胆汁を貯めておく臓器ですが、何らかの理由で胆嚢の壁からムチンが過剰に作られることで粘液が溜まってしまします。
詳細な発生機序などは不明です。
しかし、甲状腺機能低下症副腎皮質機能亢進症高脂血症の犬では発生頻度が高いと言われています。

粘液が溜まってしまうとなにが問題なのか?

前述のとおり、胆嚢は胆汁を貯める臓器なのですが、胆嚢内に粘液が溜まってしまうとこの胆汁が貯められなくなります。
また、胆汁は総胆管を通って十二指腸へ排出されますが(下図参照)、この総胆管は犬では僅か3~4ミリ程度です。

この総胆管に粘液が詰まってしまうと胆汁が排出できなくなり、胆嚢は重度に拡張し強い炎症反応が出ます。その結果、犬の調子が悪くなり様々な臨床症状を呈します。
具体的には食欲や元気がなくなり下痢や激しい嘔吐黄疸(身体の粘膜が黄色になる症状)が出てきます。
最悪の場合、死に至る病気です。

診断方法は?

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