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依存症当事者家族がここのところ感じていること

こんにちは。
ほえーるけいこです。

大谷翔平選手の通訳を務めていた水原一平さんに関連する報道について、気づいたことをInstagramにて少々発信していました。少しまとまってきたので、noteでも記事にしておこうと思います。


そういう私は、ご存知の方も多いと思いますが、アルコール依存症家庭で育ったサバイバーです。自分自身もフラッシュバックなど様々な心身の症状を改善させつつ、家族を適切な治療に繋げることにも長年取り組んできました。

ただ、お会いしたこともない大谷さんや水原さんのことに詳細に語ることも無理なことですし、憶測で語るような失礼なことはしてはいけないと思っています。あくまで一依存症当事者家族としての経験をもとに、この機会に身近な人の依存症問題に対処しようと考えた方に向けて、参考になりそうなことを書こうと思います。

依存症という病気

まず最初に、依存症は病気です。そのことを私なりに説明してみようと思います。見聞きしたことのあるものだけでも、ギャンブル、アルコール、覚醒剤、買い物、市販薬、セックス、ゲームなどなど様々な依存対象がありますが、依存対象へのコントロールを失い、物事の優先順位が狂ってしまうのが依存症という病気なのだとされています。誰しもが陥る可能性があり、適切なケアを受けることで回復していける病気です。

私たちの多くが甘いものやタバコなどなど、様々なものに適度に依存して暮らしていますが、生活に支障が出るほどではないものが多いのではないかと思います。一方、依存症になるとその歯止めが効かなくなって、家族や仕事、大切な仲間などの大切にすべき存在を、依存への衝動が凌駕してしまい、様々な支障が出てくるというわけです。

依存症の人たちの多くはその行動がよくないことは重々承知しているけれど、衝動が強くてどうにも止められないのです。だから、たくさんの嘘をついてしまうし、正直に話すと約束したのに、その約束が不履行になることが本当によくある。依存症が別名「否認の病」とされるのも、こんなところに理由があるのだと個人的には理解しています。

詳しくは、薬物依存症のスペシャリスト、松本俊彦先生のご著書などを読んでみるといいと思います。依存症のことをわかりやすい言葉で、そして患者さんへのリスペクトを忘れない姿勢で発信してくださっている先生です。そして、患者さんの症状にも当たり前にグラデーションがあり、知識は持つべきだけれど、ステレオタイプ化してはいけないということは注意したいところです。

身近な人はどう対処すればいいのか?

では、身近な人が「依存症ではないか?」と思ったときに、どのように助けを求めればいいのか、という話です。患者さんの側から自分自身を病だと認め、治療につながるというのは非常に難しいことなのだと思います。また、依存症を診療できる先生が、地域によってはなかなかいらっしゃらないという状況もあるのではないかと思います。

我が家も家族の依存行動に困り果て、私自身の体調もよくない時期が長く、なかなか外に出向いて情報を掴むことができなかったので、家族と日々対話を重ねる自助グループ的な場所を作った上で、ネット上で様々な情報に触れたり、関連しそうな本をごそっと図書館で借りてきて端から読んだりしつつ、解決の糸口を探っていきました。ただ、もしも頼れる相談先があれば、そこを頼ってみるのが一番であったと今では思います。

まずは各種依存症の家族会に参加して、知見を得ることがとても大切です。アルコールで言えば断酒会やAAなど、無償で参加できる当事者・家族のグループが地域で活動をしているはずです。あるいは、ネットで顔出しをせずに参加できる当事者や家族の会もたくさんあります。依存症事例の蓄積がある場所に相談することで、否認を続ける家族をどう回復に繋げていけばいいのかという算段をつけることができますし、なにより大変な思いを共有することができます。

精神的に疲弊してしまっていて話す余力もないという場合は、ギャンブル依存症を考える会の田中紀子さん、俳優の高知東生さんが発信しているyoutubeチャンネルを見てみるのもいいと思います。非常に情報量が豊富ですし、何より明るい雰囲気に救われます。

ポイントは、接した支援がちょっと自分にハマらないなと思っても諦めないこと。時代と共に支援体制が改善していることはひしひしと感じますが、ピッタリハマる支援先を見つけることは残念ながら、今の日本ではまだまだ難易度が高いことだと思います。そしてそれは、あなたのせいではないのです。ご自分を責めたりは絶対しないでいただきたいと思いますし、ケアに繋げようと動いているだけで相当すごいことだと思い続けていただけますと幸いです。

すべての患者さんに、適切なケアを

我が家では最終的に、依存症患者の家族を病院での治療に繋げることができました。けれどそれには依存症の症状に家族が困り始めて40年近く、解決に向かって動き出して10年近くの時間がかかりました。私たちが何かと色々下手くそすぎたというのもあるのだと思いますが、多くの方が適切な治療、ケアに繋がれず、ひとりで、あるいは小さな人間関係の中で苦しんでいる病であるということもまた事実なのであろうと思います。

今回のことに関して、まだ全貌が明らかになっていない段階で言えることは少ないですが、水原さんに適切なケアがなされて回復されることを切に願いますし、傷ついたであろう大谷さんのメンタルにも、適切なケアがなされてほしいなと個人的には強く願っています。

私自身もこの経験の後遺症がゼロになることはまず一生ないだろうなぁと思っていますし、いまだに飲酒の風景を見ているのがしんどいなどなど、影響はあります。自分自身を適切にケアしつつ、この経験と共に生きていく覚悟です。「いい経験だった」と思うことは今後もまずないだろうなぁと思いますが、それでも出会ってしまった出来事に根気強く向き合えたこと、人の心はかくも複雑であると知れたことをプラス要因と考えたいなとは思っています。

また、これだけ依存症が大きく取り沙汰される機会もなかなかないように思いますので、これを機に多くの方にこの病気について知っていただき、治療やケアの機会が拡充されるきっかけになるといいなと切に思います。

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