見出し画像

お医者さんとの上手な付き合い方

思いを引き出すインタビュアー、鯨井啓子です。

昨日手湿疹の記事を書いてみて思ったのですが、北海道から戻ったのち医療系メディアのインタビュアーとしてたくさんのお医者さんにお話をお聞きする中で、お医者さんの気持ちがすごくよくわかるようになったし、どう付き合ったらいいかがよりよくわかるようになったなあ。ということに気が付きました。

どんなことに気が付いたのか。個人的な経験ですが、なかなかお医者さんといい関係が築けないとお悩みの方がいらしたら、少し参考になるかなと思うのでシェアさせていただきます。

◎すぐ治してくれない=ヤブ医者だと思っていたころ
◎私はお医者さんに無茶を言っていた
◎自分の身体の丁寧な観察、ケア
◎専門家である先生に助けてもらいながら自分で治す
◎相性が大事

すぐ治してくれない=ヤブ医者だと思っていたころ

手湿疹を患う前、大学を卒業してすぐの時期にも私は原因不明の体調不良を経験していて、その時にはかなりたくさんの病院を巡りました。ところが、大きな病院で試験管8本分も血液検査をしてもらったにもかかわらず、原因は特定できませんでした。

今考えると、アメリカの大学にいたときからの心身の疲れが蓄積して、ただただ休息が必要な時期だったのだと思います。けれどその頃の私は、お医者さんは病気を治してくれる知識と経験を持っているはず!治らないなんてヤブ医者だ!と怒り心頭でした。そして、手湿疹を患ったときも同じことを繰り返し、即効性があって、ぶり返さない薬を出してくれる先生を探しました。結果は前回書いた通りです。

私はお医者さんに無茶を言っていた

結論から言うと、幸運にもうまくいくことがあるのは否定できないものの、そういう先生にはなかなか出会えないと思います。なぜなら入院の場合を除いて、先生って24時間365日私たちのそばにいて、生活まで管理してくれるわけではないからです。

手湿疹であれば、手の症状は目で診ることはできます。けれど、患者さんの生活に密着して部屋の様子や使っている洗剤なんかを確認できるわけでもなく、医療の専門知識のない患者さんからの説明だけで、その症状が起こった背景を理解して、適切な治療を施すのってなかなか大変なことだと思うんです。しかも、しっかり休まないと回復が遅くなるのに、例えば遅くに寝て暴飲暴食を繰り返していたとかがあればそれはもう、治す気ある!?という状況です(笑)。それに思い至ったときに、私はものすごい無茶をお医者さんに言っていた!と気づきました。それでも見捨てず、私に付き合ってくれた先生すごいな!とも。

自分の身体の丁寧な観察、ケア

では、患者である私たちにできることはなにかというと、日々の生活、もろもろのストレスなどを含む、自分の身体を丁寧に観察し、きちんと把握しておくことなのだと思います。ちょっとなんか痛いようなかゆいような感じがするとか。数日前に、賞味期限切れだけどまだイケそうなにおいと見た目の食べ物を食べたとか。些細な違和感を見つけておくことが、先生の診療の助けになることは大いにあると思います。

そして、疲れたら休む。寒ければ温める。といった、基本的なケア、お手当は、自分でできる範囲で丁寧にしておくこと。どんなに親身になってくれる先生でも、患者の代わりに療養はできないからです。そして、このプロセスの中で身体の感覚により意識を向けることもできると思いますし、意識を向けることでよりはやい回復を助けるのだと思います。

専門家である先生に助けてもらいながら自分で治す

取材先のほぼ全員の先生に言われることは、「患者さんの生活背景を理解し、求めている治療を提供できるよう、コミュニケーションを大切にしている」ということです。先生方は経験や知識、技術を持っているけれど、体質や日々の生活習慣など個人差が大きいから、そこを埋めるために検査をし、患者さんの様子をしっかり観察し、話を聞こうと努力している方がとても多いのだと思います。

なので、患者の立場としても自分の病気や症状に興味を持って、専門家である先生に助けてもらいながら自分で治すという気持ちを持つことが大切だと思います。とはいえ、専門的な知識を急に身に着けることは難しいし、ひとりひとりに個人差があるということを念頭に置くならば、ネットにある情報をうのみにし過ぎるのも危険です。

まずは、先生の説明の中でわからないことを質問してみるというのはどうでしょうか。先生が忙しそうでなかなか声をかけられなかったら、看護師さんや受付の方でもいいです。あと、薬剤師さんでもいい。プロの方はプロなので、素人の疑問に思うところが分かっていないという場合があります。質問が出てみてはじめて、「あ、この患者さんにはこの視点から多く教えてあげた方がいいな」と気づいてくれるかもしれないし、図解してくれるかもしれないし、病気に関する冊子などをくれるかもしれません。

相性が大事

先生と協力体制を築くためには、やっぱり相性が大事だと思います。「痛かったね。大変だったね。」と、気持ちに寄り添った診療を望む人が、起承転結のみを簡潔に伝える先生に診療してもらえば、医師としての技量はさておき、感情的にどうしても満足はできないと思うからです。

一般的な傾向としてなので例外はたくさんありますが、整形外科、眼科、耳鼻咽喉科などの治療に手術の可能性を含む科目の先生は、説明もサバサバとしてスピーディーな印象があります。循環器内科とか呼吸器内科とか、長い期間経過を診続ける必要がある内科の先生は、穏やかで患者さんの気持ちも汲む姿勢のある方が多いように思います。あくまでも印象なので、先生のお人柄や経験によって個人差はありますが、そういう傾向があるかも。という心構えを持って病院に行くとあまり驚かないで済むことが多いなと、個人的に感じています。

今はネットで情報を発信している先生もたくさんいらっしゃるので、ウェブサイトの雰囲気や、様々なメディアでなされているインタビューの内容を参考にしてみるのもいいと思います。そして、病院に行ったら分からないことを質問をしてみること。その内容がきちんと相手に伝わって、こちらもしっかり理解できて、聞いてもらえたと満足できる回答が返ってくること。それはお互いにとってとても大事なことではないかと思います。先生は病気で弱った時に頼りにする人ですから、ちゃんと思いが通じる人がいいと思うのです。

◎すぐ治してくれない=ヤブ医者だと思っていたころ
◎私はお医者さんに無茶を言っていた
◎自分の身体の丁寧な観察、ケア
◎専門家である先生に助けてもらいながら自分で治す
◎相性が大事

先生方にお会いして思ったのは、ただただ人の役に立ちたい!という情熱を傾ける先として、医療を活躍の場に選んでいる人の、なんと多いことか!ということです。その情熱を上手に受け止めるには、患者としての姿勢も重要だなと感じています。なぜなら結局、医者と患者の関係性も人間関係だからです。そしてこの情報を必要とされている方に、ちょっとでもお役に立てたら嬉しく思います。

■鯨井啓子 info

あなたにインタビューします!▼▼▼

プロフィールはこちら▼▼▼



よろしければサポートをお願いします。いただいたサポートは、創作活動継続のために使わせていただきます。