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AIR SPICEの撮影と挑戦すること 02

料理撮影のプロの現場に立ち会うー。そんな機会が自分に訪れるとは思ってもいませんでしたが、兎にも角にもそんな現場に自分も混ぜてもらい、このレポートを書いています。

前回もお伝えしましたが、今回の撮影は水野仁輔氏のスパイス通販事業 AIR SPICE で紹介されている12種類のカレー調理例が対象になります。

撮影から10ヶ月が過ぎのんびりしていたら、つい先日なんと来年度の春から展開される12ヶ月分の新しいメニュー撮影が終了してしまいました。今年は二ヶ月ほど早かったのです。なので、このレポートで取り扱っているのは今年リリースされている(4月~3月まで)の12ヶ月分となります。

すでにユーザーさんの手元にはこの時に撮影されたレシピ写真があるかもしれません。そんな方は「ああ、このメニューが作られた経緯は、この写真が撮られた背景には、こういうことがあったんだなあ」と思いながら読み進めていただければ、もしかしたらカレーの味わいがより深くなるかもしれません。

撮影スタート

さて時計を見ると時刻は朝の10時。本当にこれから夕方までに12種類のカレーが出来上がり撮影されるのでしょうかー。1日にそんな大量のカレーを作ったことなどない私には、その手順や時間配分など想像すらも出来ません。

そんな心配をよそに、水野さんとカメラマンの今清水さんの軽快なおしゃべりは続きます。

今清水さんが組み立てている撮影セットは思いのほかシンプルでさっぱり。すでにライティングもなされた台の中央にはポッカリとした無の空間がー。まるでいつだって出来立てのカレーを迎い入れる準備ができた演劇の舞台のようです。

水野さんの方の動きを確認すると、ひたすらリラックスしたおしゃべりは続くのですが、いつもとは何かが違います。そう、なんだか全く隙がないのです。

これを言うと後で笑ってくれましたが、リラックスした笑顔の奥には、ある種の殺気を感じさせる何かがー。おしゃべりが逆に結界ともなっていて、おいそれとは声をかけられないような気迫が漂っています。今思うとそれは「集中力」と言う言葉で表現される類のものだったのでしょう。

そんな水野さんを頼もしい調理アシスタントには、カレーの学校のKさんが。そして発送のお手伝いもしているSさんも今日は現場のお手伝いとしてスタンバイOKです。

表に現していくと言う行為

最初にも書きましたが、先日行われた来年度の新メニューの撮影にも同行させて頂きました。そのレポートも今期が終わった後にご紹介できればと思うのですが、全く同じ撮影スタッフでの撮影現場を二度経験して良かったなと思ったのは、純度が高い中での比較ができると言う点。

比較ができれば、ブランドのビジュアルイメージを作りあげる際に、まずどんな意志や意図があって、何を選択し、何がなされ、何をあえてやらないのかー。それがより明確に分かってきます。

撮影は、能動的な表現の場。表に現す。提供者がユーザーに対して、どんなことを伝えていきたいのかが明確になる時間でした。

AIR SPICEや水野仁輔さんが好きな方以外にも、自分のものづくりや人生にヒントを得たい方には、ここで聞いてきたとっておきの言葉をお裾分けできたらと思っています。

さあ、私の方は、とにかく書く&描くという、前の前にある歩みを続けていきましょう。(そのうちどこかに辿り着くはずですよね。)

つづく

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