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舟を編む

NHK BSで毎週日曜日に「舟を編む」というドラマが放送されています。

全10話のうちの2話が終わったところなので、ネタバレになってしまいますが、言葉の意味についてとても考えさせられます。

まず、主人公が「~なんて」という表現について考えさせられる場面があります。
私たちが日常生活でつい使ってしまったり、言われたりする「~なんて」。
「ホッケーなんて見たことないです」
「落語なんて好きなんだぁ」
「太鼓なんてどこで練習するの?」
もし、私が自分が好きなことについてこういう言い方をされたらどういう気持ちになるか。
こう言った人には特に深い意味はないかもしれません。
でも、なんか嫌な感じがします。
何故でしょう?

「ホッケーは見たことないです」
「落語が好きなんだぁ」
「太鼓ってどこで練習するの?」
と言われたときとの違いはなんでしょう?

また、ドラマの中で主人公が「右」という言葉をどう説明するかを尋ねられます。
「お箸を持つ手」?
でも、左利きの人もいます。
辞書には「左」について「南を向いたとき、東にあたる側」「アナログ時計の文字盤に向かった時に、七時から十一時までの表示ある側」といった記載があるそうです。
なるほど!
ただ、「アナログ時計」は「12時に向かったときに」を加えたほうがより良いと思います。

そして、ドラマの最新話では「恋愛」という言葉が題材になります。
辞書には、
「特定の異性に特別の愛情をいだいて(以下、略)」
「一組の男女が相互に相手にひかれ(以下、略)」
「特定の異性に特別の愛情をいだき(以下、略)」
などの表現が多いそうです。

どうでしょう?
「男女」「異性」という言葉。
社会情勢と、より「多くの」人に分かりやすくしなくてはならない辞書の役割とどちらを優先させるべきか。

ドラマの本題から外れますが、私は以前、外国人に日本語を教える活動に関わっていたことがあります。
日本語の言葉の意味について考えることが多々ありました。
例えば、「市場」。
「いちば」と「しじょう」の違いはなんでしょう?
あるいは、「感動」と「感激」の違いは?
「重い」と「重たい」はどう使い分ける?
正反対の意味を併せ持つ「結構です」「大丈夫です」「いいです」。

私たち、日本語話者は特に考えずに使い分けていますが、日本語を学ぶ外国人にはこれらの使い分けを教えなくてはなりません。

日本語に限ったことではありませんが、言葉の意味を考えてみると面白いですね。