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私の男感想(⚠ネタバレ込)

「とんでもねぇもの見ちゃったな」というのが、見終わって即思った事です。
単純に浅野忠信と二階堂ふみのえっちな映画だと思って見始めた私をぶん殴りたい。

二階堂ふみ天才

中学生から大人になるまでの間、ずっと二階堂ふみが演じているんだけどこれが絶品。
誰に感情移入するかと、映画とかの作品ってあると思うんですけど、最初はもちろん二階堂ふみ演じる花に感情移入してたんですよ。
ただ、東京へ行ったあたりから私は気づいたら花(二階堂ふみ)の魅力に取り憑かれた淳吾(浅野忠信)になってしまっていました。
もぬけの殻です。
もう何も残っちゃいないのです。

親の愛を知らない

花が母親の死体を蹴り、淳吾にも親がいないことから見事に親の愛を知らないチグハグの2人が親子となるのですが、まぁもちろん上手くいくはずもないよね。
親が子をどのように愛するのかを知らないのだもの。

じゃあ他に知ってる愛を表現する手段ってなんなのかってなった時に、2人を繋ぐ方法が肉体関係になってしまうのは仕方がなかったのかもしれない。
ただ、そんな方法を取ったら親子のような普遍的な愛を産むことはできず、結局男女の愛となってしまうんだよね。

「私の男」という事

最後に花は結婚相手を淳吾に会わせるんだけど、
本当にここの二階堂ふみが強烈。
淳吾が一度「俺はお前の物だ」と言ったばかりに、
スッカラカンになってしまった淳吾を今後まだ鎖で繋ぎ続けるつもりなのか。
それは今まで通りの誤った親子の会話の一部なのか。
最後の瞬間、淳吾と同じ表情をしていたと思う。

淳吾がおうちに来た1人目の彼氏に
「お前はダメだ」と言ったり、
結婚相手に「お前には無理だ」と言ったり、
とにかく花を愛するってことはとんでもなく精神力のいる行為であるんだよね。
人を殺してまでも愛し続ける事ができるのか、
俺はそうしたんだけど?っていう感じでしょうか。
別に人なんか殺さなくったって、
セックスなんかしなくったって、
愛は生まれ育める事を淳吾はその方法がわからないから、こんなんなっちまったんですね。

花はこれから新しい家庭を築く事になるんだけど、
その家族が上手くいくのかどうかっていうのがまた疑問で、私はその先までも知りたい。
でも、この話はここでおしまい。

淳吾はスッカラカンになった状態で、
花を嫁に出すんだけど、最後のシーンのせいで淳吾はずっと花の事を思い続けるんだと思う。
もちろん娘を嫁に出した父親だって、当たり前に娘を思うんだけど、それとはかなり湾曲した形で思い続ける。

「私の男」それは私が必要と思っている間はずっと、
私がもう要らないと捨ててしまったとしてもずっと、
「私の男」であり続けるでしょう。

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