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人類が地球に乗り切れなくなる日

<人類の増加は続く>
 
国連は2022/7/11、3年ぶりに世界の人口推計を改訂しました。世界人口の増加率は2020年に初めて1%を割り込み、2022年は0.83%まで落ち込みました。1%割れが明らかになったのは今回が初めてです。
世界人口は1900年の16.5億人から100年間で約4倍に急増し、20世紀の繁栄の基盤となりました。2011年に70億人を突破した世界人口は、2022年11月15日に80億人、2030年に86億人、2050年に97億人、2086年に104億人でピークを迎えます。3年前の推計ではピークは2100年の109億人としていましたが、大幅に前倒しになりました。中国は14億人という世界最大の市場でグローバル経済の需要を生み出してきましたが、2022年7月時点の人口は前年より6000人減りました。2019年の推計では2032年から中国の人口が減り始めると見積もっていましたが、10年前倒しになりました。2050年時点で13億1200万人、2100年には7億6600万人に減ります。2023年にはインドが世界最大の人口国となります。インドは2063年の17億人弱でピークを迎える予定です。 
 
2022年に世界で最も人口が多い地域は、中国やインドネシアなどを要する東・東南アジアで世界の約3割を占め、23億人が生活します。次いでインドなどの中央・南アジアが21億人の26%。国別では中国・インドの人口はそれぞれ14億人で、3位のアメリカの3億人に大差をつけています。
今後台頭するのがアフリカ地域、中でもサハラ以南のアフリカは足元で既にヨーロッパ・北米と同じ人口規模に達しており、人口増加率も2.5%と高いです。2050年までに同地域の人口はほぼ倍増し、2040年代後半には20億人を超え、2050年までの世界人口の増加部分の半分以上を占めます。コンゴ民主共和国、エジプト、エチオピア、インド、ナイジェリア、パキスタン、フィリピンは人口ボーナス局面を迎えます。アメリカは少子高齢化による自然減を、移民の受け入れによる社会増で補います。 
出生率は低下を続け、足元では2.3まで下がりました。サハラ以南のアフリカは以前4を上回りますが、北アフリカ・西アジアで2.8、中央・南アジアで2.3と、人口が長期的に増えなくなる置換標準の2.1に近づいています。 

<GDPの増加はほぼ人口比例>

人口動態は将来を示す指標の中で最も確実性が高い指標です。そのため2050年には約100億人の人類が地球上に存在することになります。 
世界経済は人口の増加によって拡大してきました。日本の1970年代の高度経済成長もベビーブーマー世代の人口増によるものです。人口の増加は国力の増大を生み、経済力を強化します。GDPは単純に言えば『一人当たり生産性✖️人口』ですので、一人当たり生産性が変わらなかったとしても人口が増えた分だけGDPは増加していきます。中国がGDP世界第2位となったのは必然で、インドが今後伸びていくのもある種の必然です。 

<問題も人口増加が原因>

一方、地球という『船』は大きさが変わっておりません。地球に人がどんどん増え続けている結果、不都合が生じているのも事実です。食料問題、水問題、地球温暖化とほとんどの問題がこの人口増加から来ています。
食糧、水等量が一定のものを人数だけが倍になった場合、当然ながら一人に割り当てられる量は半分となります。そう考えると1900年と比較して1/4になってるはずです。しかし日本を含め先進国の生活水準は1900年比倍以上になってると思います。医療の発達、生活環境の改善により長寿化も各国、特に日本で進みました。このしわ寄せが世界中の貧困を生み出しています。MDGs、SDGsで最も難しい課題がSDGs No1『貧困の撲滅』だと私は思います。構造上、人類が発展し増えれば増えるほど実現が難しくなるからです。 
映画『アベンジャーズ インフィニティー・ウォー 』で敵役サノスが、各惑星の半分の生命体を皆殺しにするという残虐行為をしたうえで、サノス自身は『これが世界を救う唯一の方法』と言っていましたが、この指摘はある種当たっていると思います。数が多すぎるとその事自体が問題なのです。 

<人間は自然の一部?>

自然界は弱肉強食であり、弱者が強者に食われ自然淘汰されていきますが、弱者が少なくなりすぎると食べ物がなくなり強者が餓死します。その結果生態系のバランスが維持され自然界は保たれます。地球上の人類を除く全ての生態系がこのルールに従っておりますが、人類だけがこのルールから逸脱しました。その結果今では淘汰されることなく増え続け、約80億人が地球上に存在し、他の生態系を完全に圧迫しております。『人間は自然の一部』という言葉がありますが、本当に今でも人間は自然の一部なのでしょうか?私はそうは思いません。完全に逸脱した生物体になってしまった気がします。 

<人類が地球に乗り切れなくなる日>

人類と言う荷物が地球に乗りきれなくなった時、どうなるのでしょうか?溢れた人が宇宙へ出るのでしょうか?それとも全員が残り地球が潰れるのでしょうか?技術の進歩にもよりますが、地球が何人まで乗せられるのか、その定員はまだ分かっておりません。将来どうなるかは分かりませんが、人口動態が確実な未来という以上、地球に乗りきれなくなる日が近づいているのは事実です。 人類が滅亡するとすれば、やはり人類の手によるものなのかもしれません。
私自身この問題に対する解決策を未だに持ち合わせていません。どうやったら解決できる問題なのか、皆様と共に考えていきたいと思っております。


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