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鰻重もどき【徒然文】

 行きつけの鰻屋、江戸から続く江戸川橋の「はし本」。2月初め以来、行けていない。
 ということで、鰻重もどきを、作ってみた。
 スーパーで真空パックの1,000円の鰻を購入。御香香と日本酒で。コストは、鰻:1,000円、御香香:250円、サトウのご飯(2個):250円 合計:1,500円+酒代なり。
 こだわりは鰻とご飯を四角く切って、ご飯粒を残さず食べる。なので、ツユダクはいけません。タレは少なめに。
「はし本」並みにはできたかも。けっこういけます。
(日本酒の銘柄、いいでしょう。 笑)

※「鰻重もどき」が、なかなかだったので、昨年9月27日にアップしたエッセイの写真を差し替えて再掲します。

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 池波正太郎が『男の作法』で、食べ物の粋な食べ方について、語っている。なかでも、私の好物、鰻。おおいに興味をもった。
「おこうで酒を飲みながら、焼き上がりをゆっくりと待つのが、うなぎのうまい食べ方」  
「確かに、そうかも! 」と、粋人を気取って、さっそく試してみることにした。「せっかくだから、老舗に行こう」。グルメ雑誌でよく見かける店が、江戸川橋に二店ある。どちらも初になるが、江戸から続く鰻屋にする。
「(年金暮らしとしては、思い切って)鰻重特上! と、お新香。お酒、温燗でください」
 間もなく、小さめの器に入った新香がきた。「えっ! これだけ? これじゃ、焼き上がりまでもたないよ」と、思った。が、「いやいや、ここで何か食べちゃうと、鰻がまずくなってしまうのだ、うん」と、ぐっと我慢。
「日本酒、もう一本ください」
 待ちながら、品書きを見返すと、美味しそうな品が・・・。それと、新香はなかった。なるほど、鰻重とセットになっているものが先に来ただけか・・・。ちょっと計算が狂う。
 三十五分後、待望の鰻重が。
 最近、稚魚の減少から、漁獲量が少なく、特上でもごはんが見える店が多い。ところが、「ここは、すべて被さっている! 」
いつもなら、鰻とごはんを、きっちりと箸で四角に切ってすくい、ゆっくりと、味わいながら食べる。が、その日は、違った。気がついたら、五分ぐらいで平らげていた。
 帰り道。「池波さんが語る通り、確かにうまかった。だけど、他も食べたかったなあ」、と思いつつ歩いていた。「鰻屋は、タレがうまい。だから、肝焼きは、当然うまい。焼き鳥もうまい店が多い。う巻きも、絶対」。 
 「やはり、恰好をつけずに自分流が、一番。池波さんのように、粋人にはなりきれないヤ」
 次の週、その老舗にリベンジに、出かけた。

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