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備え【エッセイ】

 私は小さい時から用心深く、想定されることを準備しておかないと気が済まない、質だ。
 三・一一後、対策は万全のつもりでいる。ライフラインが一か月使えないことを前提に、バスタブでの貯水、飲み水やガスコンロ、ボンベなどバッチリ。ボンベを使った暖房器具もある。ホカロンも冬のゴルフ用にひと箱余計にある。真夏だった場合は少々困るが、来客があるわけでもないだろうから、パンツ一丁で過ごせばいい。トイレ対策も、一か月分の新聞紙とビニル袋(袋に新聞紙を入れ用を足す)は残している。皿洗いができないので、サランラップやアルミホイルも予備に一本。食事は、イワシ缶、カレー曜日、サッポロ一番塩らーめん、ペヤングのやきそば、サトウのごはんで充分。冷凍室には、肉や野菜だけでなく、大好物の赤飯もある。野菜だけは二週間後には、買い出しが必要になるが・・・。
 この性格が、コロナ禍でも生きると思っている。このまま感染が拡大し、ベッドが逼迫すれば、ホテルや臨時施設に入るか、自宅療養の選択になるだろう。外出自粛程度なら、買い出しには行けるが、自宅療養になった場合には、震災なみの準備が必要になる。(もし幸いにも、重症でなければだけど)私は、自宅を選ぶ。幸か不幸か、(わけあって)部屋には一人しかいない。家庭内感染の心配はいらない。集合住宅だが、最低二週間、完全に部屋にロックダウン生活ができれば、ほかの住人に迷惑をかけることもないだろう。
 何よりも自宅はストレスにならない。(肉体的に苦痛がなければだけど)ネットフリックスやプライム・ビデオで映画を、無尽蔵に観続けることもできる。本棚には未読の本もあるし、再読したい本もある。酒の蓄えももちろん怠りない。だが禁酒令が出ると、それが最大のストレスになるだろうか・・・。
 ただ、コロナ感染体験記を書かなくて済むように、まずは、うつらないことだろうね。

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