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広大な牧場と無数の湖沼

広大な牧場と無数の湖沼ー釧路から知床斜里迄北上

2023-10-15―北海道紀行―4
1.北海道の平原を北上する
(1)         14日午後厚岸駅から借り上げバスにて阿寒湖へ向かった。カーブの少ない山道だなと、エゾ松らしき針葉樹林を眺めているとすぐ阿寒湖の町へ着いた。もっと高い所かと想像していたが拍子抜けした。後で検索してみたら、標高426メートルであった。北海道はなだらかな平地が多く火山までも低くできている。
 
低いのはカルデラ湖だからと分かった。昔、火山の噴火によって丸く大きくくぼんだ地形がつくられ、そこに雨が溜まってカルデラ湖が形成されたようだ。
 
さて、夕食後湖上で花火大会があるので船に乗る人はどうぞと案内されたが温泉風呂に入って早めに床に就いた。
 
(2).15日、朝食を済ませて借り上げバスで釧路迄逆戻りした。釧網本線を列車で北上するルートに乗り、今度は海から離れ北海道の平原を十分眺めることができた。
これまで札幌から根室迄太平洋沿岸側を見てきたが、今度は、知床斜里迄(大体、東京から宇都宮までぐらいの距離を)北上したことになる。

釧網本線を北上するとこのような景色が何回も現れては後ろに飛び去る

 
 
 
2.典型的な牧場風景
北海道では広々とした平野を眺めるだけで酪農畜産が基幹産業であることが容易に推察される。小規模経営の農家が酪農の大半を占め、その産出額は毎年、日本全体の50%を超え、北海道の乳用牛及び産出額は、9千億円以上、牛乳の産出額は3千8百億円以上に達している。
 

広大な牧場ー牛が自由に放牧されているー北海道ならではの風景
 

ちなみに牛乳の生産量(2021年7月現在)につき、北海道農政部畜産振興課の発表によれば、   北海道   464,993 ㎘
      神奈川県  214,155 ㎘
      茨城 県  189,450 ㎘
となっている。このように北海道の牛乳生産高はずぬけている。

3.大規模な釧路湿原とその形成過程
次に目立ったのは大規模な湿原である。
北海道を旅行して広々とした平原に次いで目立つのは沼地が多いことであった。釧路から貸し切り列車で北のオホーツク海に到達するまで釧路湿原が度々車窓に現れた。このような湖沼地帯は国内で北海道以外では見られない風景である。
以下に湿原地帯の画像を3,4枚選んでみた。

釧網本線のすぐ傍に存在する湖沼地帯ーボートで穏やかな湖面を漕いでいる。

では、このような大規模な湿原はどのようにして形成されたのか疑問を持つ人が多いでしょう。
一番簡単な説はカルデラによる窪地説である。
火山の噴火によって大きな丸い地形の窪地が形成されそこの雨などが溜まって様々の形の湖が形成されたという説明になる。
阿寒湖などはその代表的な例である。

ただ、釧路湿原となるとやや複雑になってくるのである。
釧路湿原の形成は氷河期の頃から始まるといわれる。
約2万年前の最終氷河期には気温は現代よりも約10度近く低かった。それで、海面は現在よりも100メートル近く低く釧路平原は平らな大地であった。

その後、地球の気温の上昇に伴い、海面も上昇し、約6千年前には海水が奥深く侵入し現在の釧路湿原の原型が出来上がり、多くの入り江をもつ「古釧湾」が形成された。
更に、約4千年前には、湾が閉じられる一方で気温は低下し、川の水によって陸地が広がっていった。

こうして、この湾は次第に湖へと変身しつつ、土砂や堆積物で埋められていった。
長年の時間をかけて、流れ込む川の水によって淡水化も進み、今から3千年前に現在の釧路湿原が誕生したのである。

なお、現在、釧路湿原は阿寒湖などとともに国立公園に指定されている。

4.オホーツク海沿岸
貸し切り列車がオホーツク海沿岸に突き当たる知床斜里駅にて貸し切りバスに乗り換え知床半島の端にある「オシンコシンの滝」へ向かった。
バスに揺られて、オホーツク海の写真はなかなか撮れなかったが、やっと撮れたオホーツ

知床半島の北側のオホーツク海ここで撮れた魚はめっぽううまいとの評判

ク海の画像である。
オホーツク海で撮れた魚が特別うまい理由は何か?その理由は興味あるので、現在調査中である。
その結果について次回に書いてみることとしたい。
(了)


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