「旧統一教会」は反社会的である

「反社会的」という言葉は、日本では広く使われない。一般に使われる場合は、「反社会的勢力」「反社会的組織」「反社会的行為」のいずれかで、「〇〇は反社会的である」という表現自体は理解可能であっても、厳密な意味は、定まっていないと言えるだろう。

一方、日本には、「反社」という俗語がある。「反社」とは、「反社会的勢力」の略で、歴史的には、まず「暴力団対策法(暴対法)」によって定義され、その後意味が拡張されて、反社会的な方法で経済活動を行う集団を広く「反社」とみなすようになった。

暴力団をはじめとする、これら「反社会的勢力」が「反社会的」であることに疑いはないが、他にも、反社会的な性質を持つ個人、集団、あるいは言論や行為は、世界にあまりにも多く見られる。それらをはっきりと「反社会的である」と識別してかつ明言することは、反社会と戦う上で、極めて大事な基本的な部分である。つまり、「反社会的」が指す意味は、「反社」よりもずっと広い。

ここまで書けば、旧統一教会が反社会的であることに疑いはないだろう。(旧統一教会の反社会性については別に論じる。)しかし、狭義の「反社」の定義は、2023年現在、(依然として)ほぼ暴力団に限られるので、「『旧統一教会』は『反社』ではない」という主張も、必ずしも間違いではないため、印象操作として用いられているようである。

また、広い意味での「反社会的勢力」を、厳密に定義するのは、意外に難しい。自民党や旧統一教会などの「反社会的な勢力」からすれば、広義での「反社会的勢力」が指す対象は、狭いに越したことはない。そういった意図を持つこと自体が反社会的であるわけだが、安倍内閣の閣議決定が、その消極的な姿勢を決定づけたと言える。旧統一教会だけでなく、自民党もまた反社会的である。

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