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【写真】僕のフィルムカメラの思い出、Rollei 35とともに

写真を見返すのって楽しいですよね。
部屋の片づけをしていて、昔のアルバムを開いたら1時間も経ってた、なんてあるあるだと思います。そして、何故こんなことを書くかというと、今日まさに同じことがあったからです。

確定申告のための源泉徴収票を探していたら、ふと隣に置いてあった、柳色のリングファイルに目が行きました。初めて自分のカメラで撮影した、写真やらフィルムやらが眠っているファイルです。そんなわけで、気づいたら1時間近く経っていたのですが、当時の記憶が芋蔓式に浮かび上がってきました。

僕とフィルムカメラとの出会いは、5年ほど前になります。
初めて買ったカメラは、Rollei35というドイツ製のフィルムカメラです。掌に収まるコンパクトなレンジファインダーカメラで、何より見た目が本当に可愛いんです。そんな見た目に劣らず、カールツアイス製のテッサーのレンズで、写りは鋭く素晴らしい。


大学生だった当時、自転車旅が好きだった僕は、折角なら訪れた先の風景や人を写真に残したいと常々と思っていた半面、荷物は最小限に収める必要もあり、一眼レフなどには手を出していませんでした。そんな僕にとって、この小さなカメラはぴったりでした。それに、「デジタル写真はスマホがあるんだし、だったらフィルム写真を撮ってみたい」という好奇心もありました。

販売しているお店を調べ、御徒町にある喜久屋カメラという中古カメラ屋さんに、すぐに足を運びました。駅からすぐの懐かしい路地の一角。やや薄暗い店内、ガラスのショーケースに、Rollei 35や二眼カメラRollei flexたちが、黄橙色のライトで照らされていました。

https://kikuya-camera.shop-pro.jp/

お目当ての品は5つ在庫がありました。店主の方が本当に優しく、「若い子が来るのは珍しいから」と、それはまあ丁寧に説明してくださいました。
これらは同じ “カメラ” と侮ってはいけません。シャッター音にしても、一つ一つ全く違うんです。カシっと鋭い子、シャンっと柔らかい子、小さくシャっと控えめな子、本当に個性というのがあります。それと、年代やその時の製造場所(ドイツまたはシンガポール)によってファインダーの見え方も、全く異なります。何度も空のシャッターを切って、ファインダーを覗いて、今の子を選びました。こういう出会いを一期一会と呼ぶのだと思います。

また、この店主の方から、シャッタースピードや絞り、フィルムの装填方法など、何から何まで教えていただきました。本当にありがとうございます。

買った後は、それはもう嬉しくて、たくさん撮りまくっていました。その当時は、業務用フジ100というISO100のフィルムが、かなり安い値段で販売されていたんです。


この1か月後くらいに、屋久島に行きました。もちろんこのカメラを持って。今日は、そんな思い出の写真をいくつか選びました。

杉の葉にあやされ、トロッコ道を歩く
うねる枝、うねる幹、フォグ
流れ続ける水が、花崗岩を丸めてきた
夜明けが終わる、朝、安房にて
時間は伸縮可変である
バスに乗れば、栗生の景色が流れていく

皆様も、いいカメラライフを送れますように。そして、いい風景・いい時間に出会えることを願って。
それではまた。

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