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お帰り、伊佐耕平

伊佐耕平が帰って来た。

令和の始まりとともに怪我(と結婚)のリリースがでたが、実際の怪我は3月のルヴァン杯だったので、およそ5ヶ月半ぶりの復帰になった。

藤本憲明が移籍し、後藤優介や小林成豪が怪我などコンディション不良で出られない中、オナイウ阿道への負担が限界まで高まった中での朗報だ。

「戦術伊佐」

押し込まれた試合を盛り返したり、膠着した試合の流れを一気に引き寄せたりするための交代は、ときに 「戦術伊佐」と呼ばれた。

2018シーズンはゴール数こそ4ゴールと少ないものの、6アシスト・敵陣空中戦109回で勝率56.9%と、攻撃の起点あるいはチャンスメーカーとして昇格の原動力となった選手である。

もう一人の広報担当?!

その活躍はピッチに留まらない。

勝利ゲーム後、

「大分よりの使者」で魅せる伊佐ダンス

帰りのバスでの選手の様子を伝える「伊佐スタグラム」

選手同士、選手とスタッフやサポーターを繋ぐ潤滑油のような存在だ。

そして、たとえ負けた試合、自分がミスした試合のあとでもサポーターへのメッセージを出す。

例えば、

昇格争いも終盤に差し掛かった中、後半最終盤のカウンターに沈んだ福岡戦の後も

「辛い時、結果が出ない時ほど、上を向いて頑張ります!」


自身が決定機を逸したこともあり、昇格争いのライバルとの直接対決を落としたときも

「次の千葉戦必ずゴールで取り返す!

おれはやれる!おれがやらなあかん!」


誰もがうつむきがちになったとき、一番に声をあげてきたのはこの男だった。

…藤本憲明の移籍が決まったときも、

まるで「俺がやらなあかん!」と言わんばかりに朝早くからトレーニングに臨みつつ、消沈するサポーターを慰めるかのような音楽をかけた。

SNSを最大限活用し、チームの繋がりを強めてくれる存在

ピッチ内外でチームに欠かせない存在

それが伊佐耕平だ。

そんなチームにとって非常に大事な男が、怪我をした。

高校、大学、プロ入り後と怪我と付き合い続けた彼であるが、初のJ1挑戦を前にしての怪我にはさすがに気を落としただろうと想像する。

しかし、彼が後ろを向くことはなかった。

試合前練習では、選手たちに率先して声をかけ続けた。

早乗りして練習場で迎える朝、インスタグラムのストーリーも更新し続けた。

彼の前向きさに救われ、励まされたサポーターも少なくないだろう。

後に彼自身がnoteで怪我~リハビリ中の気持ちを綴っている。

特に、2つめのポイントが、彼らしさだと思う。

離脱中、藤本憲明やオナイウ阿道が大車輪の活躍を見せていたこともあり、嬉しいような悔しいような、焦りを含んだ複雑な感情が沸いてしまったかもしれない。

そんな感情をコントロールし、モチベーションに昇華していくメンタリティは、まさに

「クソッタレが原動力」

だろう。


そして、彼を支えたもうひとつの言葉はこれだろう。

「人生は常に今から」

彼が常々口にする言葉だ。

言葉を口にするのは容易い。
しかし、体現することほど難しいことはない。

それが身にしみて分かる人間ほど、
伊佐耕平を好きになるのではないか、と思う。

そして伊佐耕平は戻ってきた。

不思議なもので、彼が一人いるだけでポジティブな雰囲気になるチーム

勝ち点3こそ掴めなかったものの、裏への抜け出しやポストプレー、ゴール前での迫力が確かにJ1というカテゴリーでも通じることを示した。

そして試合後、彼はもう次を見据えていた。

人生は常に今から

だから。

きっと、チームを勝利に導いてくれるのであろう。

お帰り、伊佐耕平

頼んだよ、伊佐耕平

バモス、伊佐耕平!!

追伸

YouTuber伊佐耕平にも期待しています。






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