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仏教に学ぶ生き方、考え方「実はみんな欲深い?」

 noteを配信するようになって、いろいろな方から、ご感想をいただいております。

 その中に人間は欲深いですよね、、、と言われる方がありました。

 確かに人間には百八の煩悩があり、欲が心の中にうごめいているような状態と教えられています。

 でも「欲の強い人」とそうでもない人がいますよね?

 強欲と欲の少ない人との違いっていったい何なんでしょう?

 仏教でも欲の強弱は教えられているんでしょうか?

 また欲をどう考えていけばより欲に振り回されずに生きられるのでしょうか?

 仏教では欲の種類を大きく5つに分けて教えています。

 これを「五欲」(ごよく)といって以下のものがあります。

「食欲、睡眠欲、色欲、財欲、名誉欲」の五つです。

 読んで字のごとくですよね。

 よく欲深い、欲がない、、、という言い方をしますが、仏教では基本的に人間は欲深いものだと教えられています。

 というより、「欲によって人間はできている」という言い方のほうがいいでしょうか?

 「存在そのもの」が欲の産物なんです。

 例えば、朝起きる時、「睡眠欲」が出て、もっと寝ていたい、、、と思いますよね?

 でもなぜ起きるのでしょうか?

 それはお腹が空いて「食欲」が大きくなってきているのかもしれませんし、仕事に行かないと部下や同僚の信用を失うという「名誉欲」が大きくなるのかもしれません。

 また仕事に行かないとクビになってお金に困るという「財欲」が大きくなることもあります。

 そうやってもとあった欲を他の欲で「覆いかぶせている」という状態に気づかされることがあります。

 また欲同士が複雑に絡んでいるということもあるでしょう。

 名誉欲と財欲、財欲と色欲が絡み合ってより大きな欲になっていくこともあります。

 そうやって大きくなった欲望を邪魔されたり馬鹿にされたりすると、「怒り」がこみ上げてきます。そして他人の欲とぶつかったり、また逆に仲良くなることでより「大きな欲望のうねり」となっていくんですね。

 朝起きてから、夜寝るまでの自分の行動がなぜ起きているのか、それをよく見てみると、このように欲望が入れ替わり、より大きな欲に飲み込まれて行動を変えているということに気づきます。

 よく「あの人はお金に細かい」と陰口を言われたり、「社長に言われたことをなんでも素直にやってくれる」と褒められたりしますが、実はよくよく考えてみると「財欲が大きいか、名誉欲が大きいか」の違いだけなんです。

 ではこのような欲を深めないようにするにはどのように考えていけばいいのでしょう?

 仏教では六つの心がけが説かれています。これを「六波羅蜜」とか「六度万行」と言います。

 その中で一番大切とされているのが「布施行」(ふせぎょう)です。

 布施というと人に物や金品を渡すといったイメージがありますが、それは財施というもので他にも心施、眼施、和顔施、、、などいろいろなものがあります。

 それらの布施をするときにいちばん大切にされているのもが、「三輪空」(さんりんくう)といって、布施をしたこと、布施をした相手、布施をしたものの三つを忘れなさいという考えです。

 それをいつまでも覚えていると、将来何かあったときに、「あの時あんなにしてやったのに。」「あの時あんなにお金を肩代わりしてやったのに。」と物事に執着する気持ちが生まれ、それが「三毒の煩悩」になってしまうからです。

 このように欲は人間にとって悪さをすることが知られていますが、厳しい修行をして欲を抑えようとしても「なかなか難しい」のです。

 なぜなら前述の通り、人間は元々欲望でできているといってもいいので、欲望を消すことは「自分の存在を消すこと」につながります。

 なので、よほどのメンタルの持ち主ではないとなかなか抑えることは難しいのです。

 真宗では、抑えるのではなく「欲に囚われない」ように考えるんですね。こうすれば、誰でも比較的簡単に欲を少なくすることができます。

 とはいえ、欲から常に離れることは難しいことです。

 お経を読みながらも怒りの感情が出てくることもあるでしょうし、ちょっとした時に人の悪口ばかり考えている自分に気づくこともあります。

 でもそれが人間というもの、そんなときは「あっ、気にしない気にしない、、、。」とその都度思い返す事が大切ですよね。

 毎日、そういう自分の気持と向き合って、ちょっとずつ「軌道修正する時間」を持つ。

 お参りやお勤めがその時間を担えたら幸いです。


☆今日の一句☆

 考えよう
    くよくよせずに
          よくよくね

 欲望に
   欲を重ねて
       厚化粧

※今日はランチにステーキを食べて気分がいいので肉(二句)詠ませていただきました。




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