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仏教に学ぶ生き方、考え方「ブッディストビルヂング52」

 菩薩様が修行をして如来様になるまでに、どれほどの「段階」があるのかご存知ですか?

 悟りを開きたいと「発願」(ほつがん)してから如来様になるまでは「五十二段階」あると言われております。

 ビルに例えると発願はエントランスを入って「ロビー」にいるような状態で、如来様は最上階の「展望フロア」にいるようなものでしょうか。

 展望フロアからは、遠くまで「すべてのもの」がくっきりと見渡せます。

 なので、不安になることも、イライラすることも、他の人と争うこともなく「景色を楽しむ」ことができるのです。

 なので最上階の五十二階に向けて、「階段」を一歩ずつ上がっていく、これが「修行」になります。

 ところがこの階段は思うように上がれません。

 階段「一段」を上がるのも苦労しますし、一階上がるのに「長い期間」がかかったりします。

 また、ちょっとしたことで「滑り落ち」、ロビーに逆戻りということもあるのです。

 九年間座禅を続けたと言われる「達磨法師」(だるまほうし)でさえ、「三十階」までと言われております。

 まして多くの「煩悩」を抱え、修行も「ままならない」私たちに悟りは開けるはずがありません。

 でもそういう人たちのために、「五十一階へ直通のエレベータ」があるのです。

 あれっ?最上階は「五十二階」ではなかったんですか?と言われそうですね。

 実はエレベータは「五十一階」まででそこからは「エスカレータ」で自動的に最上階まで上れるのです。

 五十一階には「弥勒菩薩様」がお見えになり、「五十六億七千万年後」に五十二階に自動的に上がれることになっております。

 なので五十一階を「等上覚」(とうしょうがく)と言って、「悟りを開いた」のと同じことになるのです。

 さて、五十一階への「直通エレベータ」に乗るには、どうすればいいと思いますか?

 「高いチケット」を買わなかればならないのでしょうか?

 それとも「抽選会で当選」しなければいけないのでしょうか?

 答えは「否」です。

 ただ「五十二階に上って悟りの景色を見たい」と「思えば乗れる」のです。

 と言っても思っているだけではわかりませんから、実際には「手を合わせてお称名(南無阿弥陀仏)をお唱え」し、エレベーターで上れることを「信じれば」いいのです。

 なので真宗のお坊さんは、自ら修行をするより、ロビーにいてエントランスから入ってきた人に、「エレベータのご案内」をしているのです。

 この「お聴聞」に従ってエレベータに乗ることが、「真宗の目的」になります。

 今回は超高層ビル「ブディストビルヂング52」に例えて「真宗の悟りの方法」を説明してみました。

 またご感想をいただけると嬉しいです。


☆今日の一句☆

 エレベータ
     乗っていこうよ
           最上階

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