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仏教に学ぶ生き方、考え方「沖縄そばの味」

 旅が好きな私は、「沖縄」にも何度か訪れたことがあります。

 そのときに必ず寄る「沖縄そば」のお店があります。

 そのお店は那覇市内の国際通りに面した「公設市場」をひたすら奥まで歩いていったところにある「昔ながら」のお店です。

 通りは観光客で賑わっていても、そこまで入り込む人はほとんどいません。

 そんなところで「ひっそりと」営んでみえるのです。

 そこは特に「美味しい」というわけでも「盛ってある」というわけでもありません。

 ただそこで営んでみえる「お年を召されたご夫婦」の顔を見に行くといったほうがいいでしょう。

 沖縄の「戦中戦後の歴史」は多く語り継がれております。

 それは「史実」として「知識」にはなっておりますが、実際にその数々の時代を生き抜いてこられた方がどのようであったかはあまり知られておりません。

 きっと戦後の混乱期、米軍の配給物資であった「小麦粉」をこねてそばを仕込み、わずかに手に入った鰹節と、食べられずに残っていた「豚の肋(あばら)の肉」を煮込んで、作った「ソーキそば」なのでしょう。

 そのお店を営みながら生活を支えられたその「知恵と精進」が染み出ている出汁の味のようにも感じます。

 そしてその「沖縄そば」を食べながら、様々な「沖縄」を歩んできた人々の心に想いを致すのです。

 そして食べ終わったあと、少しばかりのお代を「シワで覆われた手の平」に渡すとき、心の底から「尊敬と感謝」の思いが溢れてくるのです。


☆今日の一句☆

 生き様が
    そばに練り込む
          味深く

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