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仏教に学ぶ生き方、考え方「嘘」

 今日は嘘について話してみます。

 嘘というと「言ってはいけないこと」と誰もが思います。

 でもその反面、誰もが言ったり使ったりしているものでもあります。

 どうしていけないことなのに言ってしまうのでしょう?

 実は仏教の教えにも「嘘」はあります。しかも沢山の嘘があると言ってもいいでしょう。

 これが「仏教は嫌い」という人の理由にもなったりします。

 実は仏教では嘘をニ種類に分けて考えます。

 一つ目は「言ってはいけない嘘」でこれを「妄語」(もうご)と言います。
 
 人を騙したり、誇大に伝えたりして、金品を出させたり、従わせたりしようとする嘘です。

 二つ目は「言ってもいい嘘」でこれを「方便」(ほうべん)と言います。

 これは私たち衆生に真実を気づかせるために使う嘘です。

 実はこの方便は日常でよく使われています。

 子どもが言うことを聞かないときに、「もう置いていきますよ。知りませんからね。」とか「今日のご飯はありませんからね。」などと言いますよね。

 最近はこの言葉を真に受けて「虐待だ!」と騒ぐ方もお見えになるようですが、もし本当にこうしたら、それは大変なことです。

 でも、そう言うことで、子どもに「人の言うことを聞く」という社会的に大切なことを気づかせているわけです。

 お釈迦様も、様々な方便を使って伝えられました。それはそのまま伝えたら、「聞こうとしない」「聞いても意味が分からない」私たち凡夫(ぼんぶ)に合わせて使われたのです。

 さて、あなたがついている嘘は「妄語」ですか?それとも「方便」ですか?
 
 いずれにしても真実をお伝えしたいものですよね。


☆今日の一句☆

  気づいてね
     嘘も方便
        真実に

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