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中身のない『価値創造』というスローガンについて考える

ビジネスを経営する上で、理念やスローガンを掲げることは重要でです。理念やスローガンは、企業の存在意義や方向性を示すものであり、経営者や従業員の行動指針となります。

近年、理念やスローガンとしてよく見かける言葉が「価値創造」である。この言葉は、新しい価値を創造し、社会に貢献するというニュアンスを持つのだと思います。

しかし、この「価値創造」というスローガンは、もはや理念やスローガンを作る上でのステレオタイプになっているのではないかという疑問があるんですとね。

その理由としては2つありあます。

1つ目の理由は、この言葉があまりにも抽象的であるということ。価値とは何か、誰にとって価値なのか、具体的に何を創造するのか、といったことが曖昧である。

2つ目の理由は、この言葉が既に多くの企業で使われていること。そのため、差別化が難しく、オリジナリティに欠けるという問題があると考えています。

もちろん、価値創造は企業にとって重要な取り組みであるのですが、それをスローガンに掲げるのであれば、もう少し具体的で説得力のある言葉にすべきであるのでないだろうかと悶々と思っています。

ここで私が主に支援しているローカルビジネスに目を向けてみたいと思います。ローカルビジネスのにおいては地域やコミュニティに根ざした価値創造が求められます。なので地域の特性や課題を踏まえた、具体的な価値創造を訴求するスローガンが良いのではないだろうか。

例えばこんなスローガン。

  • 「地域の活性化に貢献する〇〇」

  • 「地元の食材を活かした新しい食文化を広める」

  • 「高齢者や障害者の活躍を支援する」

今パッと思いついたフレーズなのでまだまだ抽象度はありますが、ありきたり感は和らいだと思う。

こんな感じで中身のない「価値創造」というスローガンを掲げるのではなく、より具体的で説得力のあるスローガンを検討することが重要です。


では、具体的で説得力のあるスローガンを検討する際に、どのような点を考慮すべきなのでしょうか。考えていきましょう。

まず、スローガンは、企業の存在意義や方向性を示すものです。そのため、企業が何を大切にし、何を実現したいのかを明確にすることが命題になってくると思います。

例えば、ビジネスを通して地域に貢献したいと思っているとする。しかし地域のどんな文脈の中で貢献したいかを明確にすればもう少し具体性が出るというわけである。そうすれば「地域の活性化に貢献する」というスローガンが浮かび上がってきます。

ただこれだけではまだ不十分です。業種を想定していないので肝心な「何で」の部分が欠如しています。なので「何で」の部分には自分が、どんな商品を、どんなサービスを、どんな技術を使うのかを入れると言いでしょう。

カフェなら「親子で気楽に楽しめる喫茶店として、地域の活性化に貢献する」でも行けそうですし、看板屋さんの場合「デジタルサイネージを使って、地域の活性化に貢献する」もあり得そうですよね。

さらに、スローガンは、企業の独自性や強みをアピールするものである必要がある。そのため、他の企業と差別化できるような、オリジナリティのある言葉を使うことが重要である。

例えば、地域の伝統工芸を継承する企業であれば、「伝統工芸とサブカルチャーを融合させる」というスローガンは、企業の独自性や強みをアピールする効果があると考えられます。

具体的で説得力のあるスローガンを考える際のポイントを3つ押さえておきたいと思います。

  1. 企業の存在意義や方向性を明確にする

  2. 地域の人々にとってわかりやすく、共感を得やすい言葉を使う

  3. 企業の独自性や強みをアピールする

以上のポイントを抑えつつ、分かりやすい言葉をチョイスしていくことを意識すると良いかもしれません。


中身のない「価値創造」というフレーズに逃げることなく、より具体的なスローガンを考えてみてください。


今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
理念やスローガン、あるいはタグラインなどを考える上でちょっとでも参考になれば嬉しいです!

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